2024年9月26日は、日経平均株価が前日比で「+1055円」も上昇。大きく調整(下落)する事もなく、ジワジワと上がっていった。
その理由は、この日は配当金/株主優待の「権利確定日」だった要因が大きい。この日の取引終了までその企業の株を保有していれば、配当金や株主優待を受けられるとういうもので、それにより全体としての日経平均株価は「買い」のパワーが強かった。
他にも、翌日9月27日に自民党総裁選があり、日銀/利上げを牽制し円安維持を掲げる高市早苗さんが当選確実だろうと見込まれていた事も、株価が強気モードだった。(実際は石破ショックとなり先物大暴落だったが……)
いずれにしても、「配当権利確定日」は投資家による配当金狙いで株価上昇する確率が高く、こういった日に配当利回りの良い株を買えば、誰でも利益を出す事ができたりする。
そして、最も配当金/株主優待の権利が付与されるのは3月と9月。その月の権利確定日は株や先物市場で儲けるチャンス。
配当金ゲットのチャンスは3月/9月が最も多い
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
---|---|---|---|---|---|
22社 | 110社 | 700社 | 27社 | 36社 | 93社 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
27社 | 91社 | 340社 | 25社 | 30社 | 136社 |
- 日本では決算期の関係で、伝統的に3月や9月に配当金として株主還元を行う企業が多い。
- 2024年3月は700社、9月は340社が配当金/株主優待の権利付与。特に3月は年間を通して配当を出す企業が最も多いため、日経平均株価も通常は上がる事がほとんど。
- 近年は、グローバル企業の業績が良く、さらに会社側も株主還元を重視するようになっているため、配当利回りや株主優待が充実するようになっている。下落の材料がなければ「買い」が吉。
- 権利確定日の当日だけではなく、前日から株価が上がるケースも多い。また、前日の取引時間が悲観モードだったとしても、時間外(先物)市場からコロっと潮目が変わる事も多い。
- しかし、不安相場の場合は権利確定日でも軟調のケースがある事に注意。
- アメリカ株「ダウ」「ナスダック」の調整局面で「権利確定日」がやってきた場合は難しい相場となる。地合いが悪い場合は、買わないほうが吉。
- 需給的に上がりすぎている時や、最高値圏では時間内に急落する可能性あり。特に潮目が変わる後場、特に14:30ごろからは急落の注意が必要。
- 相場が上がりたがっている時が最高。例えば、日経平均株価4万円を目指しているコンセンサスがある時で、38000円くらいでもみ合っている時に「権利確定日」が訪れた時は最高。
- それでも3月や9月の権利最終日に大幅下落したような事は筆者の記憶にない。
- なお、もし米株急落などの要因で下落した時のため、大口機関のように先物市場で「ヘッジ売り」を準備していたほうが良い。しかし、「ヘッジ売り」は実質的な「両建て」になるため、「機械的な判断ができる慣れ」が備わっていないと難しい。
2024年3月27日の値動き
上の日経平均チャート画像は、2024年3月27日の配当金権利確定日の値動き(5分足)。やはり、約700社が配当金/株主優待を出すという事で、相場は「買い」の力が強かった。
しかし、14:30分ごろから急落。これは以下の理由がある。
- 日経平均が2024年3月1日に当時の史上最高値「40000円」に到達し、その後も調整はあったが上昇し、3月27日は再び高値圏だった事。
- チャート的にダブルトップの形となっており、「権利落ち日にかけて急落し、日経平均株価は大きく調整局面に突入するのでは?」という思惑があった事。
この日、取引時間内の高値が「40750円」で、取引終了後の時間外では「40300円」まで下落。幅は「450円」。翌日の「権利落ち」による下落を想定した「売り」が増える事に注意しないといけない。
なお、3月27日から1週間後に日経平均株価は大きく調整に入り、4月19日には「37000円」あたりまで下落する事となった。これは、イラン/イスラエルの対立などが要因としてあったが、単純に受給の調整でもあった。
いずれにしても、相場が高値圏や調整局面だった場合は「配当権利確定日」だったとしても注意が必要。