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サムスン

サムスン電子の業績推移:売上高・営業利益率・純利益の推移

Samsung Electronicsの連結決算:通年の売上推移

サムスン電子の業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
1994年 11.51兆ウォン
(1兆1510億円)
2.61兆ウォン
(2610億円)
[22.6%]
0.95兆ウォン
(950億円)
[8.2%]
1995年 16.19兆ウォン 4.28兆ウォン
[26.4%]
2.51兆ウォン
[15.5%]
1996年 15.87兆ウォン 1.45兆ウォン
[9.1%]
0.16兆ウォン
[1.0%]
1997年 18.46兆ウォン 2.85兆ウォン
[15.5%]
0.12兆ウォン
[0.6%]
1998年 25.77兆ウォン 2.86兆ウォン
[11.1%]
-0.36兆ウォン
[-1.4%]
1999年 32.08兆ウォン 5.39兆ウォン
[16.8%]
3.18兆ウォン
[9.9%]
2000年 43.52兆ウォン 9.06兆ウォン
[20.8%]
6.00兆ウォン
[13.7%]
2001年 46.44兆ウォン 3.83兆ウォン
[8.3%]
3.05兆ウォン
[6.5%]
2002年 59.56兆ウォン 9.15兆ウォン
[15.4%]
7.05兆ウォン
[11.8%]
2003年 64.81兆ウォン 6.29兆ウォン
[9.7%]
5.96兆ウォン
[9.2%]
2004年 81.96兆ウォン 11.76兆ウォン
[14.3%]
10.79兆ウォン
[13.1%]
2005年 80.63兆ウォン 7.75兆ウォン
[9.6%]
7.64兆ウォン
[9.5%]
2006年 85.83兆ウォン 9.12兆ウォン
[10.6%]
7.92兆ウォン
[9.2%]
2007年 98.50兆ウォン 8.97兆ウォン
[9.1%]
7.42兆ウォン
[7.5%]
2008年 121.29兆ウォン 6.03兆ウォン
[5.0%]
5.52兆ウォン
[4.6%]
2009年 136.29兆ウォン 10.92兆ウォン
[8.0%]
9.76兆ウォン
[7.1%]
2010年 154.63兆ウォン 17.30兆ウォン
[11.1%]
16.15兆ウォン
[10.4%]
2011年 165.00兆ウォン 16.25兆ウォン
[9.8%]
13.73兆ウォン
[8.3%]
2012年 201.10兆ウォン 29.05兆ウォン
[14.4%]
23.85兆ウォン
[11.8%]
2013年 228.69兆ウォン 36.79兆ウォン
[16.0%]
30.47兆ウォン
[13.3%]
2014年 206.21兆ウォン 25.03兆ウォン
[12.1%]
23.39兆ウォン
[11.3%]
2015年 200.65兆ウォン 26.41兆ウォン
[13.1%]
19.06兆ウォン
[9.5%]
2016年 201.87兆ウォン 29.24兆ウォン
[14.4%]
22.73兆ウォン
[11.2%]
2017年 239.58兆ウォン 53.65兆ウォン
[22.3%]
42.19兆ウォン
[17.6%]
2018年 243.77兆ウォン 58.89兆ウォン
[24.1%]
43.89兆ウォン
[18.0%]
2019年 230.40兆ウォン 27.77兆ウォン
[12.0%]
21.51兆ウォン
[9.3%]
2020年 236.81兆ウォン 35.99兆ウォン
[14.7%]
26.09兆ウォン
[11.0%]
2021年 279.60兆ウォン 51.63兆ウォン
[18.4%]
39.24兆ウォン
[14.0%]
2022年 302.23兆ウォン 43.38兆ウォン
[14.4%]
54.73兆ウォン
[18.1%]
出所:Samsung。()内の日本円表記は1ウォン=0.1円で換算。
  • 1994年から2022年までのサムスンの営業利益率の平均が14.1%。
  • 1996年頃からDRAMの市況が悪化し、同時にサムスンも1996年から収益性が低下。1998年の最終損益は-3623億ウォンの赤字。その1998年に韓国は経済破綻している。
  • 2017年と2018年の利益率20%超えは、GoogleやAmazon、マイクロソフトなどのデータセンター巨額設備投資により、半導体メモリ需要が急増したことが要因。
  • 全体的に利益率のアップダウンが激しいが、これは半導体メモリの市況変化に振り回されやすいのが要因。
  • DRAMやNANDフラッシュメモリ、スマートフォンなどの市場規模が大きい分野に素早く集中大規模投資。ライバルを淘汰するように一気に集中投資し、一気にシェアを確立。それが現在の利益率に直結。
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Samsung Electronicsの財政・経営状況

サムスン電子の財務状況:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
1995年 13.56兆ウォン
[1.17兆ウォン]
5.56兆ウォン
[4.75兆ウォン]
8.00兆ウォン
[59.0%]
1996年 15.84兆ウォン
[0.96兆ウォン]
10.75兆ウォン
[7.95兆ウォン]
5.09兆ウォン
[32.1%]
1997年 23.07兆ウォン
[1.37兆ウォン]
17.24兆ウォン
[12.98兆ウォン]
5.83兆ウォン
[25.3%]
1998年 20.77兆ウォン
[1.19兆ウォン]
13.80兆ウォン
[10.22兆ウォン]
6.97兆ウォン
[33.6%]
1999年 24.71兆ウォン
[0.05兆ウォン]
11.38兆ウォン
[5.75兆ウォン]
13.33兆ウォン
[53.9%]
2000年 26.89兆ウォン
[0.52兆ウォン]
10.70兆ウォン
[2.85兆ウォン]
16.19兆ウォン
[60.2%]
2005年 50.54兆ウォン
[1.05兆ウォン]
10.88兆ウォン
[0.10兆ウォン]
39.66兆ウォン
[78.5%]
2010年 134.28兆ウォン
[22.48兆ウォン]
44.93兆ウォン
[10.77兆ウォン]
89.34兆ウォン
[66.5%]
2015年 242.17兆ウォン
[71.53兆ウォン]
63.11兆ウォン
[12.87兆ウォン]
179.05兆ウォン
[73.9%]
2020年 378.24兆ウォン
[124.72兆ウォン]
102.29兆ウォン
[19.06兆ウォン]
275.95兆ウォン
[72.9%]
2021年 426.62兆ウォン
[124.21兆ウォン]
121.72兆ウォン
[18.39兆ウォン]
304.90兆ウォン
[71.5%]
2022年 448.42兆ウォン
[115.23兆ウォン]
93.67兆ウォン
[10.33兆ウォン]
354.75兆ウォン
[79.1%]
出所:Samsung
  • 韓国は1997年から1998年にかけて財閥企業と国が外国からの借金を返済できずに経済破綻。サムスンにおいては1997年度の自己資本5.83兆ウォンに対して、有利子負債が12.98兆ウォン、そのうち外債は2兆2789億ウォン。韓国は、中国、ロシア、日本に囲まれながら北朝鮮と戦争中という状況の中、全く危機感がない事を露呈した形となった。
  • サムスンの1997年の有利子負債比率は223%と深刻だが、韓国財閥内で最もマシなレベルだった。他の財閥企業はさらに何倍も負債比率がひどかった。
  • 現在は、現金・現金性資金も豊富で、有利子負債も少ない。世界的に見ても優れた財務力をもつ。
  • かつてネットでは「サムスンは借金だらけ」「倒産か?」などと言われていた時期があったが、サムスン電子で言えば全くそんな事はない。

収益構造:セグメント別の成績

サムスン電子の売上内訳:部門別の売上高・営業利益・利益率の推移(2010年以降)
部門 2010年/売上高
[営業利益:利益率(%)]
2016年/売上高
[営業利益:利益率(%)]
2022年/売上高
[営業利益:利益率(%)]
CE
(家電)
58.39兆ウォン
[0.43兆ウォン:0.7%]
45.10兆ウォン
[2.71兆ウォン:6.0%]
60.64兆ウォン
[1.35兆ウォン:2.2%]
IM
(モバイル)
40.07兆ウォン
[4.36兆ウォン:10.9%]
100.30兆ウォン
[10.81兆ウォン:10.8%]
120.81兆ウォン
[11.38兆ウォン:9.4%]
DS
(半導体)
37.64兆ウォン
[10.11兆ウォン:26.9%]
51.16兆ウォン
[13.60兆ウォン:26.6%]
98.46兆ウォン
[23.82兆ウォン:24.2%]
DP
(ディスプレイ)
29.92兆ウォン
[1.99兆ウォン:6.7%]
26.93兆ウォン
[2.23兆ウォン:8.3%]
34.38兆ウォン
[5.95兆ウォン:17.3%]
Harman
(自動車部品)
13.21兆ウォン
[0.99兆ウォン:7.5%]
1ウォン=0.1円で換算。
  • スマートフォン事業と半導体事業の2つが売上と利益の中核。
  • 全体からスマホ部門と半導体部門を除くと、売上高基準で言えばパナソニックと同じ規模となる。
  • スマホや半導体メモリといった市場規模が大きい分野に注力して大儲けするのが韓国勢の鉄板K-スタイル。

部門別の業績推移の詳細

サムスン「家電部門」の業績推移
サムスン「スマートフォン部門」の業績推移
サムスン「半導体部門」の業績推移
サムスン「ディスプレイ事業」の業績推移

半導体の好況時と不況時の比較

サムスンの利益の50~70%が半導体によるもの。そのため、半導体の市況によって業績が大きく変化しやすい。比較として、メモリ好況期の2018年度と、メモリ不況期の2019年度のサムスン半導体の業績を確認。

2018年と2019年のサムスン半導体部門だけの売上高と営業利益
年度 売上高 営業利益 営業利益率(%)]
2018年 86.29兆ウォン
(8兆6290億円)
44.57兆ウォン
(4兆4570億円)
51.6%
2019年 64.94兆ウォン
(6兆4940億円)
14.02兆ウォン
(1兆4020億円)

前年比3兆550億円減少
21.5%
利益率は前年比半分以下
  • 2018年と2019年を比較すると、日本円で約3兆円ほど営業利益が減少。
  • メモリ価格が下がるとサムスンの業績が悪くなるという事。
  • 今後、台湾や中国が本格的にDRAM増産に向かうため、理論的にはサムスンの利益率も下がっていくと予想できる。
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家電部門を日本企業と比較

サムスンは半導体部門では立派な利益率をもっているが、一方、家電分野においては売上高が停滞。利益率も世界的メーカーの平均レベル。

以下は日中韓、各メーカーの家電部門だけの業績比較。コロナ巣篭り特需を避けるためコロナ前の2019年データで比較。

2019年度の主要エレクトロニクス企業の家電部門の売上高と営業利益の比較
順位 企業 売上高 営業利益
[営業利益率(%)]
1位 サムスン(韓国) 4兆4760億円 2610億円
[5.8%]
2位 美的集団(中国) 4兆1895億円 4440億円
[10.5%]
3位 ハイアール(中国) 3兆120億円 1350億円
[4.4%]
4位 パナソニック 2兆5926億円 557億円
[2.1%]
5位 LG(韓国) 2兆1510億円 1995億円
[9.2%]
6位 ソニー 1兆9913億円 873億円
[4.3%]
7位 三菱 1兆902億円 782億円
[7.1%]
8位 シャープ 8012億円 397億円
[4.9%]
9位 日立 4653億円 347億円
[7.4%]
10位 東芝ライフ 1061億円 -40億円
[-3.7%]
1ウォン=0.1円、1人民元=15円で換算。ソニーは白物家電なし。東芝ライフスタイルは中国の美的集団の傘下。ダイキン、アイリスオーヤマ、象印、タイガー、山善などはデータに加えず。
  • サムスンの家電事業の成長が止まっているのは、市場が成熟していることと、単純に競争が激しいため。
  • 家電分野は参入障壁が高い分野ではなく、激しい競争により利益が出にくい問題がある。
  • 一方、半導体分野は巨額費用がかかるため、かなり参入障壁が高い。つまり、競争原理が低く、爆発的な利益をもたらせる可能性がある。それが韓国企業が半導体産業に注力する理由だったりする。
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成長は止まったのか

韓国はサムスン電子の成長が止まってしまうと韓国全体が危なくなってしまう問題があるが、最悪な事にサムスンには将来的な不安材料がかなり多い。

モバイル事業

  • スマホ市場は2016年の出荷台数14億7000万台をピークに減少傾向。
  • 中国企業との価格競争が激しく、サムスンGALAXYは年々シェアを奪われている。
  • スマホの技術革新が止まりコモディティー化。差別化が難しく、必然的に利益率悪化の可能性。
  • ユーザーが長期使用するようになっており、世界販売台数がさらに低下する可能性。
  • 高価格帯分野においてライバルのアップルiPhoneのユーザー数が増加。iPhoneはバッテリー交換可能で、ユーザーが中古を買ったり、電池交換して長期使用する傾向。

半導体事業

  • サムスンが最も収益性が高いDRAM市場に中国CXMTが参入。
  • 台湾ナンヤテクノロジーがDRAM新工場を建設し、現在のサムスン・SK・マイクロンの3強寡占に割って入ろうとしている。
  • 台湾ウィンボンドも300mmウエハーDRAM工場新設。サムスンのライバルである世界中の電機メーカーに、レガシーDRAMを供給。
  • スマホに必要なメモリ容量が4GB~6GBで停滞。PC向けDRAMと共にモバイル向けDRAMも需要停滞。
  • ファウンドリー事業では、ライバルの台湾TSMCの良品率、投資力、製造供給力についていくのは難しい。良品率の比較で10%~20%以上の格差があるとビジネスは難しい。

ディスプレイパネル

  • 占有的な力をもっていたモバイル(スマホ)向け有機ELパネル(OLED)市場に、ライバルのLGディスプレイも本格量産。
  • 中国BOEもモバイル向けOLEDを量産。2021年からアップルのサプライヤー入りで、競争激化。
  • 大型液晶パネルは中国企業に負けて撤退。液晶パネルからは完全撤退。

サムスンはスマホの多くの部品を手掛けているため、スマートフォンの世界販売台数が減少してしまうと経営が最も危なくなる。

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