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テスラの業績推移:EV販売台数・売上高・営業利益率・財務の推移

TESLAの連結決算:通年の売上推移

テスラの業績推移:EV販売台数・売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益
[EV販売台数]
営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2009年 1.12億ドル -0.52億ドル
[-46.4%]
-0.56億ドル
[-50.0%]
2010年 1.17億ドル -1.47億ドル
[-125.6%]
-1.54億ドル
[-131.6%]
2011年 2.04億ドル -2.51億ドル
[-123.0%]
-2.54億ドル
[-124.5%]
2012年 4.13億ドル
[2600台]
-3.94億ドル
[-96.1%]
-3.96億ドル
[-97.6%]
2013年 20.13億ドル
[2.2万台]
-0.61億ドル
[-3.0%]
-0.74億ドル
[-3.5%]
2014年 31.98億ドル
[3.2万台]
-1.87億ドル
[-5.8%]
-2.94億ドル
[-9.0%]
2015年 40.46億ドル
[5.0万台]
-7.17億ドル
[-17.7%]
-8.89億ドル
[-22.0%]
2016年 70.00億ドル
[7.6万台]
-6.67億ドル
[-9.5%]
-6.75億ドル
[-9.6%]
2017年 117.59億ドル
[10.3万台]
-16.32億ドル
[-13.9%]
-19.62億ドル
[-16.7%]
2018年 214.61億ドル
[24.5万台]
-3.88億ドル
[-1.8%]
-9.76億ドル
[-4.5%]
2019年 245.78億ドル
[36.7万台]
-0.69億ドル
[-0.3%]
-8.62億ドル
[-3.5%]
2020年 315.36億ドル
[49.9万台]
19.94億ドル
[6.3%]
7.21億ドル
[2.3%]
2021年 538.23億ドル
[93.6万台]
65.23億ドル
[12.1%]
55.19億ドル
[10.3%]
2022年 814.62億ドル
[131.4万台]
136.56億ドル
[16.8%]
125.83億ドル
[15.4%]
2023年 967.73億ドル
[180.8万台]
88.91億ドル
[9.2%]
149.97億ドル
[15.5%]
出所:TESLA
営業利益が黒字化した2020年を起点として、テスラの2020年から2023年までの営業利益率の平均が11.1%。
  • 2020年度に初めて営業利益と純利益ともに通年で黒字化。業界では話題となり、株価も急上昇。
  • 初黒字化の翌年の2021年度は世界トップレベルの営業利益率12.1%に。比較として、2021年度の大手メーカーの営業利益率は、トヨタが9.5%、ホンダが6.0%、VWグループが7.7%、ステランティスが10.0%、BMWが12.0%、M・ベンツが17.3%。新参テスラの利益率10%越えは驚異的。
  • 2023年頃から、電気自動車の問題点(発火、充電、インフラ、寒冷地での使用、リサイクル等)が世界的に認識されるようになり、販売が鈍化。テスラは値下げ販売する事になり、利益率が悪化するようになっている。
  • 世界的にハイブリッドカーが好調。テスラが注力するEVが下火になりつつある。
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TESLAの財政・経営状況

テスラの財務状況:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2010年 3.86億ドル
[1.73億ドル]
1.79億ドル
[0.72億ドル]
2.07億ドル
[53.6%]
2015年 80.68億ドル
[12.20億ドル]
69.84億ドル
[20.68億ドル]
10.84億ドル
[13.4%]
2020年 521.48億ドル
[193.84億ドル]
290.73億ドル
[96.07億ドル]
230.75億ドル
[44.2%]
2021年 621.31億ドル
[177.07億ドル]
305.48億ドル
[52.45億ドル]
315.83億ドル
[50.8%]
2022年 823.38億ドル
[221.85億ドル]
368.49億ドル
[15.97億ドル]
454.89億ドル
[55.2%]
2023年 1066.18億ドル
[290.94億ドル]
432.51億ドル
[28.57億ドル]
633.67億ドル
[59.4%]
出所:TESLA
  • テスラ設立は2003年。イーロン・マスクの社長就任が2008年。
  • 2010年と2020年の比較では総資産135倍に成長。
  • 2015年の自己資本比率が13.4%。多額な投資コストが必要な中、財務に不安を抱え、市場では倒産の可能性も囁かれていた時期もあった。
  • 以前のテスラはトヨタと資本提携関係だった。しかし、両社の方向性の違いや自動車製造の考え方の違いにより協業が進展せず、最終的にトヨタは2016年末までにテスラ株を全株売却。
  • 2019年までは株価が低迷していたが、2020年ごろから株価急上昇。
  • 世界のEV化と黒字化した事で株式時価総額が非常に高くなっており、現在では財務的な不安をもつ必要はない企業となっている。

テスラの全社員数と開発投資

TESLAの全従業員数、平均年収、設備投資費、研究開発費の推移
年度 従業員数(連結) 平均年収 設備投資費 研究開発費
2010年 899人 0.92億ドル
2015年 1万3058人 7.17億ドル
2020年 7万757人 31.60億ドル 14.91億ドル
2023年 14万473人 14万4049ドル 80.00億ドル 39.69億ドル
出所:TESLA
  • 2023年度のテスラの連結従業員数は約14万人。比較として、GMが16万3000人、フォードが17万7000人。アメリカの伝統的な自動車メーカーと同規模の社員を抱える。
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3大市場での販売数

テスラのアメリカ、ヨーロッパ、中国の販売台数の推移
年度 米国/販売台数
[米国EVシェア(%)]
欧州/販売台数
[欧州EVシェア(%)]
中国/販売台数
[中国EVシェア(%)]
2018年 12.6万台
2019年 17.8万台
2020年 20.1万台
[76.2%]
9.6万台
[12.0%]
13.8万台
[12.5%]
2021年 34.6万台
[53.9%]
16.7万台
[13.9%]
30.7万台
[11.4%]
2022年 52万台
[52.5%]
29万台
[25.9%]
44万台
[7.5%]
販売台数は、市場規模と市場シェアから算出した数値を含む。
  • アメリカでは、富裕層やテスラ株をもつ投資家、環境関連に従事する人がテスラ車を購入するケースが多い。
  • 中国では政府のEV補助金政策により、米中対立の中でもテスラの販売数が増加。
  • ヨーロッパではフォルクスワーゲンなどの欧州メーカーのEV売上台数が伸び、相対的にテスラのシェアが下がっている。

日本市場の成績

国土交通省の資料で明らかとなったデータでは、テスラは日本市場で2021年度までに11425台が輸入されている事がわかっている。ディーラーをほとんど持たないテスラの場合、輸入された数は販売された数と同じと考えていい。

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テスラの自動車ラインナップ

  • Model 3(セダン)
  • Model Y(SUV)
  • Model S(高級セダン)
  • Model X(高級SUV)

2022年度のモデル別の販売台数

テスラのモデル別の販売台数の推移
年度 普及型大衆車
モデル3(セダン)/モデルY(SUV)
高級車
モデルS(高級セダン)/モデルX(高級SUV)
2017年 1764台 10.1万台
2018年 14.6万台 9.9万台
2019年 30.0万台 6.7万台
2020年 44.2万台 5.7万台
2021年 91.1万台 2.5万台
2022年 124.7万台 6.6万台
  • 数少ない車種を量産してドカッと稼ぐスタイル。テスラはそのやり方で高利益を出す。
  • 高級車であるモデルS/モデルXの売上台数が伸びない。
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バッテリーEV戦略

電気自動車の中核部品が車載電池。テスラのバッテリーのサプライヤーは以下。

  • パナソニック(主にアメリカ向け)
  • 中国CATL(主に中国、ヨーロッパ向け)
  • 韓国LGエナジー(主にアメリカ、欧州、中国向け)

パナソニック

パナソニックは2017年にテスラと車載電池で提携。テスラとの合弁でアメリカ・ネバダ州の電池工場を建設し、リチウムイオン電池を量産。

パナソニックは車載バッテリーでトヨタとも提携しているが、そのトヨタよりも圧倒的にテスラの方が重要となっている。

なお、パナソニックは、中国での車載バッテリー生産については消極的。巨大市場への進出を悲観しているのは、中国は政情不安定な事、資金的な問題、すでに中国にはバッテリー企業が多数存在している事、などがあげられる。

中国内で販売するEVは中国政府が推奨するバッテリーを使用しないといけないため、将来的に自国メーカーの保護主義政策に走る可能性があり、いろいろ判断が難しい。

中国CATL

テスラは、政治的に難しい中国市場で地位を確立するために、現地メーカーとのサプライヤー関係を強化。その一つがバッテリーメーカーのCATL。CATLは車載電池で高シェアをもつ企業。

その中国CATLは多額投資を次々と決定。中国を中心に欧州でも生産投資を進め、テスラの欧州工場にもバッテリー供給へ。さらに、政治的に対立するアメリカ現地にバッテリー工場の建設を検討しているとされる。

韓国LGエナジー

韓国LGエナジーは、GMと提携しているが、テスラにもバッテリー供給。アメリカ、中国、欧州の3大自動車市場においてバッテリー工場の設備投資を進める。

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テスラのココが違う

テスラの自動車ビジネスの哲学は「環境対応」「超合理性」。どのメーカーにも当てはまる話しと言えるが、テスラは競合他社よりもさらに生産性や環境対策を進める。

巨大工場で一貫生産

テスラの車両生産においては、あちこちに生産拠点やサプライヤーが分散されるような状態ではなく、アメリカ、中国(上海)、ドイツなどの市場規模が大きいエリアにおいて「ギガファクトリー」という巨大工場を設け、大量生産する目標。

その生産手法は、テキサス州の「ギガ・テキサス」に集約。

テスラのギガファクトリー・テキサス

4階建て工場の4階でバッテリーセルを生産。そして、穴が開けられた床から3階にバッテリーセルを落とし、3階でバッテリーパックとして最終仕上げ。

そして、穴が開けられた床から2階へバッテリーパックを下ろし、2階で車両組み立て。「床から下ろす」という方法は、できるだけエネルギーを使わないようにする「環境対策」と「生産性向上」のため。

世界的に見ても、4階建ての自動車工場というのは新しい発想。トヨタの「ジャスト・イン・タイム」が業界の標準になったように、テスラの生産方法が業界のスタンダードになる可能性も。

部品の削減

テスラは、車体を一体成型できる巨大ダイキャストマシン(鋳造設備)を使用。通称「ギガプレス」といわれる巨大設備で、イタリアのイドラに製造してもらい、工場投入。以下の画像を参考。

イタリアのイドラのダイキャストマシン

出所:IDRA YouTube

複雑な形状の部品を成型・一体化できるため、多くの部品点数を減らす事が可能となる。

部品コスト削減につながり、さらに組み立て工程や検査工程の削減、つまり雇用削減と生産性向上につながる。多くの自動車メーカーもこの手法について動き出している模様。

しかし、部品パーツが減るので、事故や故障の時の修理が困難になる事が欠点。また、多くの自動車部品会社の仕事が失われてしまう問題もある。

無人搬送車の導入

車両の組立工程において、テスラは伝統的なベルトコンベアを活用したライン生産ではなく、無人搬送車(AGV)の上に車体を乗せて組み立てを行う。画像を参照。

テスラは無人搬送車を導入

出所:トヨタ、テスラ

ベルトコンベアの場合、どこかで不具合が見つかればライン全てを止める必要があった。一方、無人搬送車の場合は欠陥のある車だけを排除すればライン全体を止める必要がない。

また、ベルトコンベアよりも無人搬送車の方が投資コストを抑えられるメリットも。

車はネット販売

テスラは、基本的にネット販売。ディーラーはほとんどないためコストを抑えられる。しかし、顧客に丁寧な対応をする事が自動車への信頼につながるため、テスラの方針は、そのあたりの折り合いをつけるのが難しい。

高い目標

テスラ社長イーロン・マスク氏は、2020年のツイートで「2030年までに年間2000万台を生産する目標」を宣言。

2000万台というのは、世界トップ2のトヨタグループとフォルクスワーゲングループを合計したレベル。

「営業利益や純利益で業界トップになる」という目標ならば現実味があるが、「2030年に2000万台」は実現不可能。株価対策のような気がしてならないが、いずれにせよテンションが高い。

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