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サムスンの半導体部門

サムスン半導体事業の業績推移:売上高・営業利益率・シェア

Samsung「半導体事業」の売上推移

サムスン電子「半導体部門」の業績推移:売上高・営業利益・利益率・メモリ比率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
メモリ(DRAM/NAND)だけの売上高
[全体売上比率(%)]
2003年 14.19兆ウォン
(1兆4190億円)
3.69兆ウォン
(3690億円)
[26.0%]
2004年 21.72兆ウォン 7.77兆ウォン
[35.7%]
2005年 20.33兆ウォン 5.41兆ウォン
[26.6%]
2006年 22.83兆ウォン 5.13兆ウォン
[22.5%]
2007年 22.33兆ウォン 2.35兆ウォン
[10.5%]
2008年 22.35兆ウォン -0.002兆ウォン
[-0.009%]
2009年 26.81兆ウォン
(競合の独キマンダ倒産)
2.60兆ウォン
[9.7%]
2010年 37.64兆ウォン 10.11兆ウォン
[26.9%]
25.83兆ウォン
[68.6%]
2011年 36.99兆ウォン 7.34兆ウォン
[19.8%]
22.70兆ウォン
[61.4%]
2012年 34.89兆ウォン
(2月 競合エルピーダ破綻)
4.17兆ウォン
[11.9%]
20.86兆ウォン
[59.8%]
2013年 37.44兆ウォン 6.89兆ウォン
[18.2%]
23.71兆ウォン
[63.3%]
2014年 39.73兆ウォン 8.78兆ウォン
[22.0%]
29.32兆ウォン
[73.8%]
2015年 47.59兆ウォン 12.79兆ウォン
[26.8%]
34.29兆ウォン
[72.1%]
2016年 51.16兆ウォン 13.60兆ウォン
[26.5%]
37.86兆ウォン
[74.0%]
2017年 74.26兆ウォン 35.20兆ウォン
[47.4%]
60.30兆ウォン
[81.2%]
2018年 86.29兆ウォン 44.57兆ウォン
[51.6%]
72.38兆ウォン
[83.9%]
2019年 64.94兆ウォン 14.02兆ウォン
[21.5%]
50.22兆ウォン
[77.3%]
2020年 72.86兆ウォン 18.81兆ウォン
[25.8%]
55.54兆ウォン
[76.2%]
2021年 95.39兆ウォン 29.19兆ウォン
[30.6%]
72.60兆ウォン
[76.1%]
2022年 98.46兆ウォン 23.82兆ウォン
[24.2%]
68.53兆ウォン
[69.6%]
2023年 66.59兆ウォン -14.88兆ウォン
[-22.3%]
44.13兆ウォン
[66.3%]
出所:Samsung。()内の日本円表記は1ウォン=0.1円で換算。
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平均利益率

サムスン「半導体部門」の2003年から2022年までの営業利益率の平均が24.2%。
競合との比較として、SKハイニックスの2005年から2022年までの営業利益率の平均が18.2%。マイクロンの1990年から2022年までの営業利益率の平均が8.6%。

会社の動向

  • 1977年、旧サムスン電子工業(1969年設立)が国策企業「韓国半導体」を買収し、半導体事業に参入。初期の事業はDRAMで、設計は米国マイクロン、製造技術は1980年代初頭にシャープから供与を受け、さらに日本人エンジニアのもとで量産技術を習得していく。
  • 1986年から1996年までの日米半導体協定により、日本のDRAMメーカーは減産に迫られたが、その漁夫の利を得たのがサムスン。1992年にDRAMで世界トップシェアとなり、シャープから製造技術を導入してから10年ほどでDRAMトップになってしまう。
  • 1992年は、東芝がセカンドソースとしてサムスンにNANDフラッシュメモリの技術供をした年。これでサムスンは現在の主力であるDRAMとNANDメモリの2種類が揃う。
  • 2007年にサムスンはモバイル向けの巨額設備投資を実行した事で、その年の韓国の対日貿易赤字は約3兆1000億円の最大レベルに。翌年のリーマンショックにより、サムスンの生産過剰と市況悪化が重なり、各DRAMメーカーは財務的に大ダメージを受ける。
  • 2009年にドイツDRAM企業キマンダ倒産。2012年に日本のエルピーダメモリ倒産。その結果、DRAM市場が3社に寡占化し、競争原理が低下したことで、2013年以降は高利益率をキープ。
  • 2017年から2018年の高利益率(47.4%~51.6%)は、5G関連やクラウドシェア争いなどにより、Amazon、マイクロソフト、Google、アップル、フェイスブックを中心としたデータセンター投資が急増した事が要因。(メモリ需要急増)
  • 赤字の年について、韓国が1997年~1998年に経済破綻するまでの数年間はサムスン半導体も赤字。2008年はリーマンショックが原因で赤字。2023年はインフレ不況で赤字。
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サムスン電子のメモリ半導体の世界シェア

【2022年10-12月期】サムスンと世界の「DRAM」「NANDフラッシュメモリ」の市場シェア
企業 DRAM NANDフラッシュメモリ
サムスン電子(韓国) 45.2% 33.8%
SKハイニックス(韓国) 27.6% 17.1%
マイクロン(米国) 23.1% 10.7%
キオクシア(日本) 19.1%
WD(米国) 16.1%
ナンヤ(台湾) 2.1%
Winbond(台湾) 0.8%
出所:台湾トレンドフォース
  • サムスンは、DRAMとNANDメモリ共にシェアが高いため、2017年~2018年のようなメモリ市況が良い時は爆発的に利益が出る。一方で、不況の時は多量の在庫を抱えやすい。
  • サムスンは、DRAMは韓国内で生産しているが、NANDメモリの場合は全体の40%前後を中国で生産。韓国SKハイニックスは、DRAMもNANDメモリも共に3割前後を中国で生産。
  • 日本のキオクシアは米国WD(ウエスタンデジタル)と協業のもとで日本国内(三重県+岩手県)で全量生産。日本政府からの補助金が出るようになり、シェア拡大に動く。
  • 米国マイクロンは、日本のエルピーダメモリを買収して日本国内でDRAMを生産。増産向けの新工場は広島市に決定。
  • 今後、台湾のナンヤ・テクノロジーが最先端DRAMに参入し、市場シェアが上昇してくる見通し。

サムスンの半導体受託製造の世界シェア

サムスンと世界のファウンドリーの市場シェア推移(2013年以降)
企業 2013年 2020年 2022年
TSMC(台湾) 46% 54% 58.5%
サムスン(韓国) 9% 17% 15.5%
UMC(台湾) 9% 7% 6.3%
GlobalFoundries(米) 10% 7% 6.2%
SMIC(中国) 5% 5% 4.7%
PSMC(台湾) 1% 1% 1.2%
Tower(イスラエル) 1.2%
VIS(台湾) 1% 1% 0.9%
DB Hitek(韓国) 0.9%
出所:トレンドフォース。売上高ベースのシェア&ランキング。
  • 年々、台湾TSMCのシェアが拡大。2022年度は58.5%のシェアだが、最先端ロジックICの受託生産に限定すると、ほぼ独走状態。
  • 韓国メディアによると、5nmプロセスの良品率は、TSMCが80~90%でサムスンが50%、4nmプロセスの良品率がTSMCが70%でサムスンが35%とされる。(2023年時点)
  • TSMCと比較して製造良品率の格差が20%以上になってしまうと、理論的にはサムスンのファウンドリービジネスは厳しくなる。
  • サムスンはTSMCと比較して歩留り(製造良品率)が悪い事から、クアルコムやNVIDIAなどの顧客から信頼を勝ち取れていない。また、韓国は儒教思想(序列意識)が強烈であるため、顧客との信頼関係の構築が上手くいかないのかもしれない。
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サムスンのイメージセンサー世界シェア

サムスンと世界のイメージセンサー市場シェアの推移(2014年以降)
企業 2014年 2018年 2022年
ソニー 40.2% 50.1% 42%
サムスン 15.2% 20.5% 19%
オムニビジョン 15.7% 11.5% 11%
オンセミ 5.2% 5.6% 6%
出所:2014年はテクノシステムリサーチ、2018年はIHSマークイット、2022年はYole Group。2014年のオンセミのシェアは、買収前のアプティナイメージング社のデータ。
  • 市場規模が最も大きいスマートフォン用のイメージセンサーだけの市場シェア(2021年度)で言えば、ソニー(45%)、サムスン(26%)、オムニビジョン(11%)となっている。(出所:ストラテジー・アナリティクス)
  • 2022年夏頃からのインフレ不況によりスマホ市況が悪化。それにより、サムスンはイメージセンサーを大幅減産。韓国メディアによると、従来の月間ウエハ生産量3~4万枚に対し、市況悪化により2022年後半から月産数千枚程度に減らしているとの報道あり。
  • 一方のソニーは、インフレ不況においてもほとんど減産していない。月産12~13万枚ウエハレベルの製造をキープ。
  • 2022年度は、サムスンが業績を落としている中、ソニーは増収増益。2021年度と比較して売上高が30.2%増加し、利益率も上昇。
  • 2020年のアメリカ政府によるファーウェイ制裁により、ソニーは一時的にシェアを落としたが、結局はサムスンよりも技術や知的財産などが上回るため、新たに顧客網を構築し、再びシェアが回復している。
  • ソニーは、アップル、シャオミ、OPPO、VIVOなどの大手スマホメーカー向けにカスタマイズされた特定のイメージセンサーを供給するため、市況の悪化によって業績を落とすリスクが低い。
  • ソニーは、このままの勢いでCMOSイメージセンサー世界シェア60%を目指す意向。
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サムスン半導体の問題点

  • スマートフォンに必要なDRAM容量が4~6GBで十分となり、スペックの成長が見込めない。また、スマホの世界販売台数が世界的に減少を続けており、DRAM需要が停滞する可能性あり。
  • 成長分野とされるデータセンター向けにおいて、クラウド成長率が鈍化しており、予想よりも設備投資需要、つまり半導体需要は低い可能性がある。AI向けサーバーも需要は未知数。
  • 台湾ナンヤテクノロジーが最先端DRAMに参入。2025年からEUV露光装置を使用して量産開始予定。顧客は価格競争を促したいため、ナンヤを育てるように働く。
  • 新参の中国DRAMメーカーCXMTは、アメリカ政府から制裁を受けるが、生産可能な限りの製品を投入していく見込み。すでにCXMT製の汎用DDR4が普通に市場に出回るようになっている。
  • NANDメモリ市場は成長の伸びしろが見込まれるが、競合企業が多く、DRAMのような高利益率は期待できない。
  • サムスンが世界シェア2位のイメージセンサー分野は、ソニーの知的財産に阻まれて、利益を出す事が難しい。また、ソニーは大手スマホメーカーと開発プランを共有し、信頼関係を構築しているため、サムスンがそこに割って入り込むのは難しい。
  • ファウンドリー(半導体受託製造)事業では、ダントツトップシェアのTSMCと比較して、製造良品率や製造規模に大きな格差あり。また、TSMCは顧客との開発を共にしてきた信頼関係の歴史があるため、サムスンがそこに入り込んでシェアを拡大するには、いろいろと厳しい。
  • 米国インテルも半導体受託製造ビジネスに注力する意向。また、日本のラピダスも最先端分野の受託製造に参入。競争プレーヤーが増えた事で、サムスンはファウンドリービジネスにおける将来性も変わった。
  • アメリカ、EU、日本など先進各国が積極的に半導体産業に補助金を出すようになった。韓国勢が他国の勢いが低かった事により成長できた時代は終わってしまった。
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