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【100均業界】大手4社の売上推移
年度 | DAISO (ダイソー) |
Seria (セリア) |
Can Do (キャンドゥ) |
Watts (ワッツ) |
---|---|---|---|---|
売上高/営業利益(億円) [営業利益率(%)] {店舗数} |
||||
2000年 | 1434/ [-] {1500店舗} |
138/6.4(※) [4.6%] {-} |
207/7.6 [3.7%] {-} |
73/2.6 [3.6%] {-} |
2001年 | 2020/ [-] {2000店舗} |
325/8.0 [2.5%] {-} |
297/10 [3.4%] {-} |
94/2.9 [3.1%] {-} |
2002年 | 2422/ [-] {2400店舗} |
376/13 [3.5%] {-} |
413/14 [3.4%] {-} |
111/3.3 [3.0%] {-} |
2003年 | 2812/ [-] {2400店舗} |
426/13 [3.1%] {-} |
520/21 [4.0%] {-} |
82/3.0(※) [3.7%] {-} |
2004年 | 3000/ [-] {2400店舗} |
501/16 [3.2%] {763店舗} |
621/20 [3.2%] {713店舗} |
140/5.3 [3.8%] {-} |
2005年 | 3100/ [-] {2450店舗} |
564/24 [4.3%] {812店舗} |
658/27 [4.1%] {758店舗} |
162/5.0 [3.1%] {313店舗} |
2006年 | 3200/ [-] {2500店舗} |
593/29 [4.9%] {838店舗} |
665/19 [2.9%] {823店舗} |
190/6.2 [3.2%] {355店舗} |
2007年 | 3300/ [-] {2550店舗} |
632/22 [3.6%] {891店舗} |
664/8.1 [1.2%] {817店舗} |
256/8.0 [3.1%] {731店舗} |
2008年 | 3350/ [-] {2650店舗} |
683/15 [2.2%] {939店舗} |
632/3.2 [0.5%] {808店舗} |
331/10 [3.0%] {756店舗} |
2009年 | 3380/ [-] {2950店舗} |
762/33 [4.3%] {999店舗} |
628/8.0 [1.3%] {820店舗} |
330/11 [3.3%] {790店舗} |
2010年 | 3414/ [-] {3000店舗} |
833/50 [6.0%] {1052店舗} |
624/10 [1.6%] {843店舗} |
346/13 [3.8%] {822店舗} |
2011年 | 3412/ [-] {3207店舗} |
936/77 [8.2%] {1067店舗} |
630/23 [3.7%] {808店舗} |
381/18 [4.7%] {829店舗} |
2012年 | 3519/ [-] {3338店舗} |
982/83 [8.5%] {1104店舗} |
626/21 [3.4%] {827店舗} |
407/20 [4.9%] {822店舗} |
2013年 | 3763/ [-] {3450店舗} |
1093/101 [9.2%] {1173店舗} |
627/14 [2.2%] {854店舗} |
417/20 [4.8%] {901店舗} |
2014年 | 3882/ [-] {3640店舗} |
1183/105 [8.9%] {1248店舗} |
634/17 [2.7%] {888店舗} |
435/17 [3.9%] {959店舗} |
2015年 | 3950/ [-] {4300店舗} |
1309/120 [9.2%] {1323店舗} |
652/13 [2.0%] {927店舗} |
444/12 [2.7%] {1008店舗} |
2016年 | 4200/ [-] {4500店舗} |
1453/151 [10.4%] {1424店舗} |
680/23 [3.4%] {967店舗} |
461/12 [2.6%] {1028店舗} |
2017年 | 4548/ [-] {4950店舗} |
1591/164 [10.3%] {1506店舗} |
688/20 [2.9%] {994店舗} |
474/12 [2.5%] {1087店舗} |
2018年 | 4757/ [-] {5250店舗} |
1704/167 [9.8%] {1592店舗} |
707/18 [2.5%] {1008店舗} |
494/9.8 [2.0%] {1161店舗} |
2019年 | 4584/ [-] {5542店舗} |
1814/176 [9.7%] {1679店舗} |
712/11 [1.5%] {1050店舗} |
513/7.2 [1.4%] {1192店舗} |
2020年 | 5262/ [-] {5892店舗} |
2006/212 [10.6%] {1787店舗} |
730/15 [2.1%] {1065店舗} |
527/17 [3.2%] {1240店舗} |
2021年 | 5493/ [-] {6338店舗} |
2080/209 [10.1%] {1876店舗} |
731/9.6 [1.3%] {1180店舗} |
507/16 [3.2%] {1364店舗} |
2022年 | 5891/ [-] {6451店舗} |
2123/154 [7.9%] {1961店舗} |
931/5.3(※) [0.6%] {1245店舗} |
583/9.9 [1.7%] {1641店舗} |
2023年 | 6249/ [-] {} |
2232/151 [6.8%] {2023店舗} |
803/2.4 [0.3%] {1258店舗} |
593/6.2 [1.0%] {1769店舗} |
2024年 | 2363/168 [7.1%] {2072店舗} |
833/8.4 [1.0%] {1340店舗} |
612/12 [2.0%] {1812店舗} |
出所:ダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツ。単位は億円。本決算期は、ダイソーが3月末、セリアが3月末、キャンドゥが2月末、ワッツが8月末。ダイソーの店舗数は海外店舗を含む。2000年度のセリアは決算期変更で6か月間成績。2003年度のワッツは決算期変更で8か月間成績。2022年度のキャンドゥは本決算期変更により15か月間の成績。4社とも本決算期時点の成績。
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各社の平均利益率
- ダイソーは営業利益を公表しておらず。(非上場企業)
- セリアの2000年から2023年までの営業利益率の平均が6.7%。
- キャンドゥの2000年から2023年までの営業利益率の平均が2.4%。
- ワッツの2000年から2023年までの営業利益率の平均が3.1%。
業界の動向
- 2022年2月時点の100円ショップ業界における売上高トップはダイソーで、売上シェアは62%(出所:大創産業)
- 海外展開が最も進んでいるのもダイソーで、海外店舗数は2296店舗、出店国の数は26か国(2022年2月時点)。
- セリアは海外展開なし(2023年時点)。キャンドゥの海外事業はフランチャイズ展開。ワッツは「KOMONOYA」ブランドで海外展開を加速。
- 製品を安く仕入れるために大きな規模が必要。ダイソーは知名度やスケールメリットで優位性あり。ダイソーは100均の代名詞のように言う人も多い。
- 100均業界2位のセリアは、営業利益率が10%越えする年度もあるが、その利益率は例として自動車メーカーや大手電機メーカーなどの利益率よりも高い。
- ダイソーは、市場シェアやクオリティ重視である事から、セリアよりも利益率が低い可能性がある。
- 100円ショップは、コロナ期間中でも特に業績を落とす事がなかった。完全に国民生活に根付いている事がわかる統計。
- 2021年10月、小売り王者イオンが100均業界3位のキャンドゥ買収を発表。キャンドゥはイオン傘下となり、やや業界に緊張感が走る。
- 2023年度に「100円ショップ市場」は1兆円を突破。国民1人当たり年間8300円ほどを消費している計算になる。
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100円ショップ4社の財政・経営状況
企業 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
ダイソー | データなし | ||
セリア (2023年3月期) |
1268億円 [561億円] |
294億円 [19億円] |
974億円 [76.8%] |
キャンドゥ (2023年2月期) |
282億円 [30億円] |
161億円 [8億円] |
120億円 [42.9%] |
ワッツ (2023年8月期) |
254億円 [56億円] |
135億円 [28億円] |
119億円 [46.9%] |
- セリア、キャンドゥ、ワッツ、その3社の財務問題はなし。現金/現金同等物が有利子負債を遥かに上回る実質無借金経営という状態。
- 株式非上場のダイソーにおいても財務問題なし。健全経営。
- 2024年1月時点の株式時価総額の比較では、セリアは1992億円、キャンドゥは454億円、ワッツは80億円。
- 2022年2月のロシア-ウクライナ戦争により、世界的に物価が急上昇。それによって物流コストが上昇し、100円ショップ企業も利益率が悪化すると予想され、株価が低迷ぎみ。
- 国内/海外の人件費が上昇する中、「100円」の維持ができるのか、将来的なビジネスに不安あり。
全従業員数と開発投資
企業 | 従業員数 [平均臨時雇用者数] |
平均年収 | 設備投資費 | 研究開発費 |
---|---|---|---|---|
ダイソー (2023年2月時点) |
677人 [23977人] |
472万円 | – | – |
セリア (2023年3月時点) |
550人 [12045人] |
562万円 | 65億円 | 特になし |
キャンドゥ (2023年2月時点) |
592人 [3487人] |
420万円 | 12億円 | 特になし |
ワッツ (2023年8月時点) |
469人 [3024人] |
484万円 | 7.8億円 | 特になし |
- 4社とも正規従業員数が400人台から600人台と少なく、アルバイト(平均臨時雇用者数)の比率がとてつもなく高い。
- 2023年をもとにした全雇用者数(従業員+平均臨時雇用者数)におけるアルバイト比率は、ダイソーが97.3%、セリアが95.6%、キャンドゥが85.5%、ワッツが86.6%。
- 100円ショップ企業の中でセリアが最も平均年収が高い。百均業界でダイソーよりもセリアの利益率が高いのでは?といわれる根拠か。
- 設備投資費は、4社とも出店費用によるもの。
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100円ショップが利益を出す事ができる理由
- 100円ショップの市場規模が1兆円(2023年度)と大きい。さらにダイソー、セリア、キャンドゥ、ワッツ、共に大きな規模をもっており、大量に製品を購入するため、製造側も大量に安く製品を供給してくれる。
- 価格が「100円」に決まっているため、それ以下の値下げ競争に巻き込まれない。また、販売における宣伝広告費を必要としない。
- 全雇用者における正規社員が少なく、アルバイト比率が高い。市況の変化に柔軟に対応できる。徹底した人件費抑制。
- 販売や在庫補充などの仕事難易度も低い事から、アルバイト店員の教育期間が短い。アルバイト店員の入れ替わりが激しくても現場に問題が起こりにくい。
- 扱う製品は、消費期限がある製品の割合が極めて低い。食品においても長期保管できる商品が多く、食品廃棄率がほとんどない。
- 100均ショップは薄利多売の業界。取扱い製品が莫大なわりに利益が少ないため、新参企業が誕生しにくい。つまり、競争も限定的。
- 一説によると、そもそも製品が安いため、スーパーなどよりも万引きの被害に合いにくいという説がある。捕まるリスクをとってまで100円商品を万引きするという発想になりにくいという事か。なお、実際にそれを裏付けるデータはナシ。
ダイソーは韓国事業の売却で大儲け
2001年、ダイソー(大創産業)は、約4億円を出資して韓国企業「アソンHMP」と合弁企業「アソン大創」を設立し、韓国へ事業展開。2022年度の株主構成は、アソンHMPが50.02%、大創産業が34.21%だった。
韓国でも「ダイソー」の店名のもとで、1000ウォン、3000ウォン、5000ウォンといった均一価格の小売店を展開。2022年度には全国に1450店舗を持ち、売上高は1兆5000億ウォン(1500億円)ほどだった。
しかし、2023年12月、大創産業は合弁企業「アソン大創」の保有株式(34.21%)をすべて「アソンHMP」に売却。その規模は約5000億ウォン(500億円)とされる。つまり、4億円の出資が22年後に500億円に大化けした事に。
今後は単独展開になるアソンHMPが海外市場でライバルになる可能性もあるが、大創保有株を買収する事で財務が悪化しているため、しばらくは財務改善に努めなければならない。
韓国は極端に低下した出生率「0.72」(2023年度)で、将来的な内需維持に不安を抱え、他にも不動産バブルや、異常に高い家計負債の問題があり、将来的に深刻な経済危機が予想されている。つまり、大創産業の売りのタイミングは最高だったという事か。
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