adidasの連結決算:通年の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1995年 | 17.90億ユーロ (フランクフルト証取上場) | 1.29億ユーロ [7.2%] | 1.25億ユーロ [7.0%] |
1996年 | 24.08億ユーロ | 1.92億ユーロ [8.0%] | 1.61億ユーロ [6.7%] |
1997年 | 34.25億ユーロ | 3.16億ユーロ [9.2%] | 2.17億ユーロ [6.9%] |
1998年 | 50.65億ユーロ | 4.16億ユーロ [8.2%] | 2.05億ユーロ [4.0%] |
1999年 | 53.54億ユーロ | 4.82億ユーロ [9.0%] | 2.28億ユーロ [4.3%] |
2000年 | 58.35億ユーロ | 4.37億ユーロ [7.5%] | 1.82億ユーロ [3.1%] |
2001年 | 61.12億ユーロ | 4.75億ユーロ [7.8%] | 2.08億ユーロ [3.4%] |
2002年 | 65.23億ユーロ | 4.76億ユーロ [7.3%] | 2.29億ユーロ [3.5%] |
2003年 | 62.67億ユーロ | 4.90億ユーロ [7.8%] | 2.60億ユーロ [4.1%] |
2004年 | 58.60億ユーロ | 5.84億ユーロ [10.0%] | 3.14億ユーロ [5.4%] |
2005年 | 66.36億ユーロ | 7.07億ユーロ [10.7%] | 3.83億ユーロ [5.8%] |
2006年 | 100.84億ユーロ (リーボック買収) | 8.84億ユーロ [8.8%] | 4.83億ユーロ [4.8%] |
2007年 | 102.99億ユーロ | 9.49億ユーロ [9.2%] | 5.51億ユーロ [5.4%] |
2008年 | 107.99億ユーロ | 10.70億ユーロ [9.9%] | 6.42億ユーロ [5.9%] |
2009年 | 103.81億ユーロ | 5.08億ユーロ [4.9%] | 2.45億ユーロ [2.4%] |
2010年 | 119.90億ユーロ | 8.94億ユーロ [7.4%] | 5.67億ユーロ [4.7%] |
2011年 | 133.44億ユーロ | 10.11億ユーロ [7.6%] | 6.71億ユーロ [5.0%] |
2012年 | 148.83億ユーロ | 11.85億ユーロ [8.0%] | 7.91億ユーロ [5.3%] |
2013年 | 144.92億ユーロ | 12.54億ユーロ [8.7%] | 8.39億ユーロ [5.8%] |
2014年 | 145.34億ユーロ | 9.61億ユーロ [6.6%] | 5.68億ユーロ [3.9%] |
2015年 | 169.15億ユーロ | 10.94億ユーロ [6.5%] | 6.68億ユーロ [3.9%] |
2016年 | 184.83億ユーロ | 15.82億ユーロ [8.6%] | 10.17億ユーロ [5.5%] |
2017年 | 212.18億ユーロ | 20.70億ユーロ [9.8%] | 11.73億ユーロ [5.5%] |
2018年 | 219.15億ユーロ | 23.68億ユーロ [10.8%] | 17.02億ユーロ [7.8%] |
2019年 | 236.40億ユーロ | 26.60億ユーロ [11.3%] | 19.76億ユーロ [8.4%] |
2020年 | 184.35億ユーロ | 7.46億ユーロ [4.0%] | 4.32億ユーロ [2.3%] |
2021年 | 212.34億ユーロ (リーボック売却) | 19.86億ユーロ [9.4%] | 21.16億ユーロ [10.0%] |
2022年 | 225.11億ユーロ | 6.69億ユーロ [3.0%] | 6.12億ユーロ [2.7%] |
2023年 | 214.27億ユーロ | 2.68億ユーロ [1.3%] | -0.75億ユーロ [-0.4%] |
出所:adidas。本決算期は12月末。ユーロ(€)誕生(1999年1月)以前のユーロ建てデータは、アディダス公表のドイツマルクから換算したデータ。
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平均利益率
アディダスの1995年から2023年までの営業利益率の平均が7.9%。
比較として、ナイキの1979年から2023年までの営業利益率の平均が12.9%。プーマの1993年から2023年までの営業利益率の平均が9.2%。
比較として、ナイキの1979年から2023年までの営業利益率の平均が12.9%。プーマの1993年から2023年までの営業利益率の平均が9.2%。
- adidas/アディダスの設立は1949年。アドルフ・ダスラーによって創業。なお、兄のルドルフ・ダスラーはプーマ社の創業者。
- 1951年、フィンランドのスポーツブランド「カルフ」から約1600ユーロで「3本線」のロゴを購入。
- 1970年、日本市場の販売代理店としてデサント(日本)と提携。
- 1995年、フランクフルト証券取引所に上場。現在ではドイツを代表する会社としてドイツDAX40銘柄の一つ。なお、競合のプーマ社も2021年からDAX40に加わる。
- 1998年、デサントとの提携終了により、日本法人「アディダスジャパン」設立し、単独攻略。なお、デサントはこれによって売上高の4割を失う事になる。
- 1999年、サッカー日本代表のオフィシャルサプライヤーとなり、代表ユニホームを提供開始。
- 2006年、Reebok/リーボックを約31億ユーロで買収。アディダスグループに加える。
- 2021年、リーボックを約21億ユーロでブランド管理会社「ABG」に売却。リーボックの低迷や相乗効果が低かった事が原因。
- 2022年から営業利益率が悪化。コロナ明けの時期で、問題の本質がわかりにくかった。
- 2023年は売上高の減少、利益率悪化(1.3%)と共に30年ぶりの最終赤字。中国市場の低迷、世界的な金利高による消費低迷、中核のスニーカー/運動シューズにおいて、新興メーカーのオン(スイス)やホカ(フランス)などが台頭している事が要因。日本のアシックスも好調。アディダスのシューズ市場シェアは低下傾向。
- アディダスのほか、ナイキやプーマなどにおいてもシューズ/スニーカー分野の市場シェアが低下。アディダスはメジャーすぎて普遍的な存在となり、消費者から飽きられている可能性あり。
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adidasの財政・経営状況
年度 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
2000年 | 40.18億ユーロ [1.04億ユーロ] |
32.03億ユーロ [18.96億ユーロ] |
8.15億ユーロ [20.3%] |
2005年 | 57.50億ユーロ [15.85億ユーロ] |
30.66億ユーロ [10.35億ユーロ] |
26.84億ユーロ [46.7%] |
2010年 | 106.18億ユーロ [13.89億ユーロ] |
60.02億ユーロ [16.10億ユーロ] |
46.16億ユーロ [43.5%] |
2015年 | 133.43億ユーロ [13.70億ユーロ] |
76.77億ユーロ [18.29億ユーロ] |
56.66億ユーロ [42.5%] |
2020年 | 210.53億ユーロ [39.94億ユーロ] |
143.62億ユーロ [58.90億ユーロ] |
66.91億ユーロ [31.8%] |
2021年 | 221.37億ユーロ [38.28億ユーロ] |
143.00億ユーロ [75.96億ユーロ] |
78.37億ユーロ [35.4%] |
2022年 | 202.96億ユーロ [7.98億ユーロ] |
149.45億ユーロ [64.59億ユーロ] |
53.51億ユーロ [26.4%] |
2023年 | 180.20億ユーロ [14.65億ユーロ] |
130.95億ユーロ [55.63億ユーロ] |
49.25億ユーロ [27.3%] |
出所:adidas
- 近年、アディダスの業績成長が低迷している事から資産規模をスリム化。競争激化により、今後も資産規模が縮小していく可能性あり。
- 2024年7月時点のアディダスの株式時価総額は417億ユーロ。比較として、ナイキは1124億ドル、プーマは67億ユーロ、アシックスは約2兆円。
adidasの連結社員数
2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 |
---|---|---|---|
13362人 | 15935人 | 42541人 | 55555人 |
2020年 | 2023年 | ||
62285人 | 59030人 |
出所:adidas
- 2023年の全従業員59030人のうち、男性が49%、女性が51%。管理職においては、男性が60%、女性が40%。全社員の平均年齢は33歳。日本の一般的な会社と比較すると社員の年齢は若い。
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収益構造・セグメント別の成績
年度 | シューズ・ソックス等 | アパレル | 運動装備品・その他 |
---|---|---|---|
売上高 [全体比(%)] |
|||
2005年 | 29.78億ユーロ [44.9%] |
27.98億ユーロ [42.2%] |
8.60億ユーロ [13.0%] |
2010年 | 53.89億ユーロ [44.9%] |
53.80億ユーロ [44.9%] |
12.21億ユーロ [10.2%] |
2015年 | 83.60億ユーロ [49.4%] |
69.70億ユーロ [41.2%] |
15.85億ユーロ [9.4%] |
2020年 | 101.29億ユーロ [54.9%] |
73.15億ユーロ [39.7%] |
9.91億ユーロ [5.4%] |
2023年 | 121.39億ユーロ [56.7%] |
78.06億ユーロ [36.4%] |
14.83億ユーロ [6.9%] |
出所:adidas。本決算期は12月末。
- 2023年度のadidasシューズ部門の売上が121.39億ユーロ。比較として、ナイキが331.35億ドル、プーマが45.83億ユーロ。
- 中核のシューズ部門は成長を維持しているが、高価格帯の売り上げが低迷。なお、このシューズセグメントの売上減少が明確になれば、株価は大幅減少する事になる。
- 2023年度のシューズの生産地は、ベトナム36%、インドネシア32%、中国14%、その他16%。(アディダス決算報告より)
- 2023年度のアパレル部門の売上高は78.06億ユーロ。サッカーユニホームなどの売上も含む。比較として、ナイキは138.43億ドル、プーマ社は27.63億ユーロの売上。
- アパレル分野において、アディダスはスポーツウェアだけではなく、カジュアルウェアとしても人気。
- 2023年度のアパレルの生産地は、カンボジア23%、ベトナム20%、中国15%、その他42%。
adidasの国/地域別の売上比率
国/地域 | 2010年/売上高 [全体比(%)] |
2020年/売上高 [全体比(%)] |
2023年/売上高 [全体比(%)] |
---|---|---|---|
欧州/中東 アフリカ |
49.28億ユーロ [41.1%] |
64.08億ユーロ [34.8%] |
82.35億ユーロ [38.4%] |
北米 | 28.05億ユーロ [23.4%] |
45.19億ユーロ [24.5%] |
52.19億ユーロ [27.2%] |
中国 | 10.00億ユーロ [8.3%] |
43.42億ユーロ [23.6%] |
31.90億ユーロ [14.9%] |
アジア | 19.72億ユーロ [16.4%] |
20.83億ユーロ [11.3%] |
22.54億ユーロ [10.5%] |
中南米 | 12.85億ユーロ [10.7%] |
10.35億ユーロ [5.6%] |
22.91億ユーロ [10.7%] |
出所:adidas。本決算期は12月末。2010年の「欧州/アフリカ」は、ヨーロッパのみの成績。
- 欧州、北米などは売上成長が続く。
- 注力拠点の中国市場は成長低迷。中国ではナショナリズムの高まりや、中国メーカーの商品開発力が向上した事で、消費者が海外ブランド志向ではなくなっている模様。また経済難で失業者が多く、大衆が海外ブランドよりも、安い国産品を購入する傾向がある。
- 経済成長が高いはずのアジア市場においても成長力は低い。
- アディダスジャパン(日本市場)は、売上規模は安定しているが、やや低下傾向。
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