SQUARE ENIX ホールディングスの連結決算:通年の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
2003年 | 632億円 (4月 スクウェア社とエニックス社の合併で発足) | 193億円 [30.5%] | 109億円 [17.2%] |
2004年 | 738億円 (11月 ドラクエ8発売) | 264億円 [35.8%] | 149億円 [20.2%] |
2005年 | 1244億円 (8月 タイトーを買収) | 154億円 [12.4%] | 170億円 [13.7%] |
2006年 | 1634億円 (3月 FF12発売) | 259億円 [15.9%] | 116億円 [7.1%] |
2007年 | 1475億円 | 215億円 [14.6%] | 91億円 [6.2%] |
2008年 | 1356億円 (10月 持株会社へ移行) | 122億円 [9.0%] | 63億円 [4.6%] |
2009年 | 1922億円 (7月 ドラクエ9発売) (12月 FF13発売) | 282億円 [9.0%] | 95億円 [4.9%] |
2010年 | 1252億円 | 73億円 [5.8%] | -120億円 [-9.6%] |
2011年 | 1278億円 | 107億円 [8.4%] | 60億円 [4.7%] |
2012年 | 1478億円 (8月 ドラクエ10発売) | -60億円 [-4.1%] | -137億円 [-9.3%] |
2013年 | 1550億円 (8月 FF14発売) | 105億円 [6.8%] | 65億円 [4.2%] |
2014年 | 1678億円 | 164億円 [9.8%] | 98億円 [5.8%] |
2015年 | 2141億円 | 260億円 [12.2%] | 198億円 [9.2%] |
2016年 | 2568億円 (11月 FF15発売) | 312億円 [12.2%] | 200億円 [7.8%] |
2017年 | 2503億円 (7月 ドラクエ11発売) | 381億円 [15.2%] | 258億円 [10.3%] |
2018年 | 2710億円 | 245億円 [9.1%] | 184億円 [6.8%] |
2019年 | 2605億円 (9月 位置情報ゲーム「ドラクエウォーク」リリース) | 327億円 [12.6%] | 213億円 [8.2%] |
2020年 | 3325億円 | 472億円 [14.2%] | 269億円 [8.1%] |
2021年 | 3652億円 | 592億円 [16.2%] | 510億円 [14.0%] |
2022年 | 3432億円 | 443億円 [12.9%] | 492億円 [14.3%] |
2023年 | 3563億円 (6月 FF16発売) | 325億円 [9.1%] | 149億円 [4.2%] |
出所:スクウェア・エニックス・ホールディングス。本決算期は3月末。FFは代表シリーズソフト「ファイナルファンタジー」の略。
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平均利益率
スクウェア・エニックスの2003年から2023年までの営業利益率の平均が12.7%。
比較として、カプコンの1997年から2023年までの営業利益率の平均が17.7%。
比較として、カプコンの1997年から2023年までの営業利益率の平均が17.7%。
会社の動向
- スクウェア・エニックスは、スクウェア社(1966年設立)とエニックス社(1975年設立)が2003年に合併して誕生したゲーム会社。2008年に持株会社へ移行。
- 代表作はスクウェア社由来の「FF/ファイナルファンタジー」と、エニックス社由来の「ドラゴンクエスト」。その2つのIPへの依存度が高い。他の長期的な価値を生み出すゲームIP開発を急ぐが成果が出ていない。株主から不安視される問題。
- 2024年3月、ドラクエのキャラクターデザインを手掛けていた鳥山明氏が死亡。今後リリースされるドラクエにも影響アリ。
- 2023年度内にゲーム制作の開発中止のための約221億円の特別損失を計上すると発表。開発費が高騰するHD/ハイデフィニションゲームの「選択と集中」を判断。今後、発売タイトルを減らし「数より質重視」へ舵を切る。
- 中核のゲーム事業において、開発費用に対する収益性のバランスが悪化しており、利益率改善のために外部委託を減らし、厳選した新作タイトルにリソースを集中する方針。
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SQUARE ENIXの財政・経営状況
年度 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
2005年 | 2133億円 [752億円] |
912億円 [500億円] |
1209億円 [56.7%] |
2010年 | 2063億円 [1097億円] |
711億円 [363億円] |
1351億円 [64.7%] |
2015年 | 2327億円 [1153億円] |
639億円 [97億円] |
1683億円 [72.2%] |
2020年 | 3361億円 [1440億円] |
928億円 [なし] |
2432億円 [73.1%] |
2021年 | 3809億円 [1606億円] |
964億円 [なし] |
2844億円 [74.4%] |
2022年 | 3996億円 [1909億円] |
823億円 [なし] |
3172億円 [79.1%] |
2023年 | 4108億円 [2231億円] |
937億円 [なし] |
3171億円 [77.2%] |
出所:スクウェア・エニックス
- 有利子負債なしでキャッシュも豊富。スクエニの財務問題はナシ。
- ドラクエ/FFという強力なIP/知的財産を持つことから、業績が極端に悪化する事はないはず。サンリオや任天堂などが注力するキャラクタービジネスでもポテンシャルは高い。
- スクウェア・エニックスの2024年6月時点の株式時価総額は約5800億円。比較として、カプコンは約1兆5500億円。
SQUARE ENIXの連結社員数と研究開発投資について
年度 | 従業員数(連結) | 平均年収 | 設備投資費 | 研究開発費 |
---|---|---|---|---|
2005年 | 3050人 | 617万円 | 91億円 | 11億円 |
2010年 | 3297人 | 2163万円 | 53億円 | 7億円 |
2015年 | 3924人 | 1402万円 | 58億円 | 12億円 |
2020年 | 5550人 | 1469万円 | 73億円 | 40億円 |
2022年 | 4712人 | 1259万円 | 96億円 | 11億円 |
出所:スクウェア・エニックス。2010年度の平均年収は、有価証券報告書の提出会社(少人数)のデータである事に注意。
- 2022年度のスクエニの従業員数は4712人で平均年収は1259万円。比較としてカプコンの全社員数は3332人で、平均年収は766万円。
- 2022年度の研究開発費(ゲーム開発費)は11億円。比較としてカプコンは377億円。スクエニのゲーム開発費用が少ない理由は、外部委託が多いため。
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収益構造・セグメント別の成績
年度 | デジタルエンタテイメント | アミューズメント | 出版事業 |
---|---|---|---|
売上高 [営業利益/利益率(%)] |
|||
2005年 | 667億円 [162億円/24.3%] |
410億円 [-11億円/-2.7%] |
97億円 [28億円/28.9%] |
2010年 | 642億円 [112億円/17.4%] |
450億円 [21億円/4.7%] |
130億円 [32億円/24.6%] |
2015年 | 1589億円 [274億円/17.2%] |
411億円 [39億円/9.5%] |
99億円 [22億円/22.2%] |
2020年 | 2639億円 [503億円/19.1%] |
343億円 [-15億円/-4.4%] |
268億円 [116億円/43.3%] |
2023年 | 2481億円 [245億円/9.9%] |
615億円 [75億円/12.2%] |
310億円 [119億円/38.4%] |
出所:スクウェア・エニックス。2005年のデジタルエンタテイメント部門は、ゲーム事業、オンラインゲーム事業、モバイルコンテンツ事業の合計値として算出。
- デジタルエンタテイメント事業……ゲームソフト、オンラインゲーム、モバイルゲームなど当社の中核部門。2023年度は、6月に販売開始したFF16があまりヒットせず利益率は期待外れだった。
- アミューズメント事業……2005年に買収したタイトー由来のアミューズメント施設「タイトーステーション」の売上や、業務用ゲーム機器の企画や販売が中心。2020年初頭に発生したコロナ問題で売上を大きく落としたが復活。外国人観光客からの収入も増加傾向。
- 出版事業……ゲーム攻略本やゲーム小説などの売上。利益率が高い。
国内と外国への売上比率
年度 | 日本 | 北米 | 欧州 | アジア等 |
---|---|---|---|---|
売上高 [全体比(%)] |
||||
2005年 | 1044億円 [83.9%] |
156億円 [12.5%] |
13億円 [1.0%] |
30億円 [2.4%] |
2010年 | 1046億円 [83.5%] |
106億円 [8.5%] |
87億円 [6.9%] |
12億円 [1.0%] |
2015年 | 1511億円 [70.6%] |
289億円 [13.5%] |
265億円 [12.4%] |
73億円 [3.4%] |
2020年 | 2243億円 [67.5%] |
679億円 [20.4%] |
260億円 [7.8%] |
141億円 [4.2%] |
2023年 | 2264億円 [63.5%] |
810億円 [22.7%] |
320億円 [9.0%] |
168億円 [4.7%] |
出所:スクウェア・エニックス
- スクエニの海外売上比率は、2005年が16.1%、2010年が16.5%、2015年が29.4%。2020年が32.5%、2023年が36.5%。年々上昇傾向。
- 北米/欧米市場で強いのはスクウェア由来のFF/ファイナルファンタジー。FF15は、日本で約100万本、海外で約900万本を販売。
- FFは海外に強いが、一方でエニックス由来のドラクエは日本市場の販売がほとんど。海外ではあまり存在感がない。
- 北米市場など英語圏で、マンガや小説などの出版事業を強化。
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