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マイクロソフトの業績推移:売上・営業利益率・純利益・財務状況

Microsoftの連結決算:通年の売上推移

マイクロソフトの業績推移:売上高・営業利益・利益率・純利益の推移
決算期 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
1992年
6月期
27.59億ドル 7.08億ドル
[25.7%]
1993年
6月期
37.53億ドル 9.53億ドル
[25.4%]
1994年
6月期
46.49億ドル 17.26億ドル
[37.1%]
11.46億ドル
[24.7%]
1995年
6月期
59.37億ドル
(Windows95発売)
20.38億ドル
[34.3%]
14.53億ドル
[24.5%]
1996年
6月期
86.71億ドル 30.78億ドル
[35.5%]
21.95億ドル
[25.3%]
1997年
6月期
113.58億ドル 51.30億ドル
[45.2%]
34.54億ドル
[30.4%]
1998年
6月期
152.62億ドル
(Windows98発売)
65.85億ドル
[43.1%]
44.90億ドル
[29.4%]
1999年
6月期
197.47億ドル 100.10億ドル
[50.7%]
77.85億ドル
[39.4%]
2000年
6月期
229.56億ドル 110.06億ドル
[47.9%]
94.21億ドル
[41.0%]
2001年
6月期
252.96億ドル
(WindowsXP発売)
117.20億ドル
[46.3%]
73.46億ドル
[29.0%]
2002年
6月期
283.65億ドル 119.10億ドル
[42.0%]
78.29億ドル
[27.6%]
2003年
6月期
321.87億ドル 132.17億ドル
[41.1%]
99.93億ドル
[31.0%]
2004年
6月期
368.35億ドル 90.34億ドル
[24.5%]
81.68億ドル
[22.2%]
2005年
6月期
397.88億ドル 145.61億ドル
[36.6%]
122.54億ドル
[30.8%]
2006年
6月期
442.82億ドル
(WindowsVISTA発売)
164.72億ドル
[37.2%]
125.99億ドル
[28.5%]
2007年
6月期
511.22億ドル 185.24億ドル
[36.2%]
140.64億ドル
[27.5%]
2008年
6月期
604.20億ドル 224.92億ドル
[37.2%]
176.81億ドル
[29.2%]
2009年
6月期
584.37億ドル
(Windows7発売)
203.64億ドル
[34.8%]
145.69億ドル
[24.9%]
2010年
6月期
624.84億ドル
(クラウドAZURE開始)
240.98億ドル
[38.6%]
187.60億ドル
[30.0%]
2011年
6月期
699.43億ドル 271.61億ドル
[38.8%]
231.50億ドル
[33.1%]
2012年
6月期
737.23億ドル
(Windows8発売)
217.63億ドル
[29.5%]
169.78億ドル
[23.0%]
2013年
6月期
778.49億ドル 267.64億ドル
[34.4%]
218.63億ドル
[28.1%]
2014年
6月期
868.33億ドル 277.59億ドル
[32.0%]
220.74億ドル
[25.4%]
2015年
6月期
935.80億ドル
(Windows10発売)
181.61億ドル
[19.4%]
121.93億ドル
[13.0%]
2016年
6月期
911.54億ドル 260.78億ドル
[28.6%]
205.39億ドル
[22.5%]
2017年
6月期
965.71億ドル 290.25億ドル
[30.1%]
254.89億ドル
[26.4%]
2018年
6月期
1103.60億ドル 350.58億ドル
[31.8%]
165.71億ドル
[15.0%]
2019年
6月期
1258.43億ドル 429.59億ドル
[34.1%]
392.40億ドル
[31.2%]
2020年
6月期
1430.15億ドル 529.59億ドル
[37.0%]
442.81億ドル
[31.0%]
2021年
6月期
1680.88億ドル 699.16億ドル
[41.6%]
612.71億ドル
[36.5%]
2022年
6月期
1982.70億ドル 833.83億ドル
[42.1%]
727.38億ドル
[36.7%]
2023年
6月期
2119.15億ドル 885.23億ドル
[41.8%]
723.61億ドル
[34.1%]
2024年
6月期
2451.22億ドル 1094.33億ドル
[44.6%]
881.36億ドル
[36.0%]
出所:Microsoft。本決算期は6月末。
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利益率の平均

マイクロソフトの1994年から2022年までの営業利益率の平均が36.8%。ライバルとの比較として、アップルの1992年から2022年までの営業利益率の平均が14.7%。

会社の動向

  • マイクロソフトは1975年設立。創業者はビル・ゲイツ。
  • 1995年発売のWindows95が世界中でヒット。その後、2001年発表のWindowsXP以降、本格的に世界中でパソコンが普及。Appleのマッキントッシュを抑えてパソコン市場で主導権を握っていく。
  • 2007年にアメリカでApple「iPhone」が世界初登場。マイクロソフトはモバイル分野への進出が遅れた事で、現在もその分野では存在感が薄い。
  • 2010年から参入したクラウド事業「AZURE(アジュール)」の成長により、会社の業績も拡大。なお、競合のAmazonは2006年にクラウド事業「AWS」を設立。先行した事でAWSはクラウド市場トップシェア。
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Microsoftの財政・経営状況

マイクロソフトの財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率・有利子負債の推移
決算期 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[(長期)有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
1995年
6月期
72.10億ドル
[69.40億ドル]
18.77億ドル
[なし]
53.33億ドル
[74.0%]
2000年
6月期
521.50億ドル
[237.98億ドル]
107.82億ドル
[なし]
413.68億ドル
[79.3%]
2005年
6月期
708.15億ドル
[377.51億ドル]
227.00億ドル
[なし]
481.15億ドル
[67.9%]
2010年
6月期
861.13億ドル
[367.88億ドル]
399.38億ドル
[49.39億ドル]
461.75億ドル
[53.6%]
2015年
6月期
1744.72億ドル
[965.26億ドル]
943.89億ドル
[278.08億ドル]
800.83億ドル
[45.4%]
2020年
6月期
3013.11億ドル
[1365.27億ドル]
1830.07億ドル
[595.78億ドル]
1183.04億ドル
[39.3%]
2021年
6月期
3337.79億ドル
[1303.34億ドル]
1917.91億ドル
[500.74億ドル]
1419.88億ドル
[42.5%]
2022年
6月期
3648.40億ドル
[1047.57億ドル]
1982.98億ドル
[470.32億ドル]
1665.42億ドル
[45.7%]
2023年
6月期
4119.76億ドル
[1112.62億ドル]
2057.53億ドル
[419.90億ドル]
2062.23億ドル
[50.1%]
出所:Microsoft
  • 現金/現金同等物が有利子負債を上回る実質無借金経営。財務は安定。
  • 2010年代から総資産が大きく増加しているが、これは2010年に参入したクラウド事業におけるデータセンターへの設備投資が主な要因。共にクラウド事業を抱えるAmazonなどもMS同様に資産急拡大。
  • 2022年度の総資産規模をAmazonと比較すると、マイクロソフトの3648.40億ドルに対し、Amazonが4626.75億ドル。

全社員数、R&Dの推移

マイクロソフトの全従業員数、設備投資費、研究開発費の推移
決算期 従業員数(連結) 設備投資費 研究開発費
2010.6 8万9000人 87.14億ドル
2015.6 11万8000人 120.46億ドル
2020.6 16万3000人 206.00億ドル 192.69億ドル
2023.6 22万1000人 319.00億ドル 271.95億ドル
出所:Microsoft
  • 近年は従業員数の増加ペースが加速。原因としては、企業買収による人員増加、半導体開発でエンジニアを増やしている事、サービス関連に力を入れている事などがあげられる。

企業買収の実績

2016年ビジネス特化型SNSのLinkedIn(リンクトイン)を262億ドルで買収。
2018年ソフトウェア開発におけるソースコードを保存・公開できるサービスのGitHub(ギットハブ)を75億ドルで買収。
2022年ゲームソフト大手のActivisionBlizzard(アクティビジョンブリザード)を687億ドルで買収を発表。同社は「Call of Duty」「Warcraft」「Hearthstone」「Diablo」などの世界的人気ゲームを所有。

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収益構造:セグメント別の成績

マイクロソフトの売上内訳:事業別の売上高推移
部門 2014年/売上高
[全体比(%)]
2018年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
クラウド 170.55億ドル
[19.6%]
261.29億ドル
[23.7%]
673.21億ドル
[34.0%]
Office関連 243.23億ドル
[28.0%]
283.16億ドル
[25.7%]
448.62億ドル
[22.6%]
Windows 168.56億ドル
[19.4%]
195.18億ドル
[17.7%]
247.61億ドル
[12.5%]
ゲーム
(Xbox)
86.43億ドル
[10.0%]
103.53億ドル
[9.4%]
162.30億ドル
[8.2%]
LinkedIn
(リンクトイン)
52.59億ドル
[4.8%]
138.16億ドル
[7.0%]
検索&広告 40.16億ドル
[4.6%]
70.12億ドル
[6.4%]
115.91億ドル
[5.8%]
企業向け
サービス
47.67億ドル
[5.5%]
58.46億ドル
[5.3%]
74.07億ドル
[3.7%]
デバイス
(Surface PC)
49.56億ドル
[5.7%]
51.34億ドル
[4.7%]
69.91億ドル
[3.5%]
その他 62.17億ドル
[7.2%]
27.93億ドル
[2.5%]
52.91億ドル
[2.7%]
出所:Microsoft
  • MSの成長分野はクラウド事業「AZURE(アジュール)」。売上成長率が高く、利益率も良い。
  • ワード、エクセル、パワーポイントなどのOffice製品は、Microsoft365(クラウド版Office)としても売上も拡大。
  • 基本ソフトとしてのWindowsの売上は、パソコンの市場規模と比例。世界的にパソコンの販売台数は3億台前後で停滞しているため、あまり売上高も伸びない。
  • ゲーム事業は、ゲーム機のXbox、そして傘下のゲームソフト会社の売上。企業買収などによりシェア拡大を目指すが、先行するソニーのゲーム事業に追いつくのは難しい。
  • ビジネス特化型SNSのLinkedIn(リンクトイン)の売上成長が高い。SNSという形で雇用主と求職者を結び付け、課金制にする事で、より適した人材とマッチする事が可能。
  • 検索/広告収入の増加は、検索エンジン「Bing」の使用回数をポイント制にしてユーザーを増やしている事が吉と出る。Microsoft EdgeやXboxのブラウザなどにおいてもデフォルトの検索エンジンがBing。Googleよりも「検索結果が良い」という人もそこそこ多い。

売上の海外比率

マイクロソフトの国内と海外の売上高と全体比の推移
国/地域 2014年/売上高
[全体比(%)]
2018年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
アメリカ 434.74億ドル
[50.1%]
559.26億ドル
[50.7%]
1002.18億ドル
[50.5%]
アメリカ以外 433.59億ドル
[49.9%]
554.34億ドル
[49.3%]
980.52億ドル
[49.5%]
出所:Microsoft
  • MSの売上比率は、アメリカ国内と海外で常に半々。アメリカ以外のすべての国を含めても、アメリカ一国と同じレベル。ソフトウェア産業や情報通信産業がアメリカに集中している事がわかる統計。
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Microsoftのクラウド市場シェア

世界のクラウドシェア推移
企業 2018年 2020年 2022年
Amazon 48% 32% 31%
Microsoft 16% 20% 24%
Google 4% 7% 8%
アリババ(中国) 8% 6% 5%
その他 24% 35% 32%
出所:ガートナー
  • 先行投資でダントツだったアマゾンの「AWS」がクラウド市場シェアを減らす中、「Microsoft Azure」はシェアを拡大。Amazonの顧客がマイクロソフトに移っているケースも多いという。近い将来、逆転の可能性もあり。
  • AZUREで「ChatGPT」の生成AIが使用できる事、生成AIに必要となる膨大なデータを持つ事もMSの強み。
  • また、クラウドサービスの「Microsoft365」や「Office」と簡単に連携できる事や、セキュリティに安心感がある事も強み。

Microsoftの強み

  • パソコン市場では基本ソフトのWindowsは絶対的。WordやExcelなどのOffice製品も絶対的な存在で今後も安定収入が見込める。サブスク収入も成立。
  • クラウド事業において、Amazonと共に2強状態。世界のクラウド市場のシェアを取ってしまったため、そこから利益率30%レベルの安定収益を見込める。しかもクラウド市場はまだまだ拡大傾向。
  • Windowsからの膨大なセキュリティ情報をもつため、クラウド/データセンターにおいてもサイバー攻撃に対する信頼性がある。
  • 保有するクラウド事業において巨大なデータセンターを保有する事から、関連したビジネスを広げていく事が可能。例えば、ゲーム事業との相乗効果や、半導体事業においては、自社開発のArmベース半導体を自社データセンター/サーバーに採用できたりする。
  • MSと資本提携している「ChatGPT(チャットGPT)」が使用できる。MSのクラウドユーザーが増え、それによってAIに必要なデータが増大したため、より良い生成AIを生み出す事ができる。そして、またユーザーが増えるの好循環。
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