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NVIDIA(エヌビディア)

NVIDIA(エヌビディア)の業績推移:売上・営業利益率・財務状況

NVIDIAの連結決算:通年の売上推移

NVIDIA(エヌビディア) の業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
決算期 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2003年
1月期
19.09億ドル 1.44億ドル
[7.5%]
0.91億ドル
[4.8%]
2004年
1月期
18.23億ドル 0.50億ドル
[2.7%]
0.49億ドル
[2.7%]
2005年
1月期
20.10億ドル 0.95億ドル
[4.7%]
0.89億ドル
[4.4%]
2006年
1月期
23.76億ドル 3.37億ドル
[14.2%]
3.01億ドル
[12.7%]
2007年
1月期
30.68億ドル 4.53億ドル
[14.8%]
4.48億ドル
[14.6%]
2008年
1月期
40.97億ドル 8.36億ドル
[20.4%]
7.97億ドル
[19.5%]
2009年
1月期
34.24億ドル -0.70億ドル
[-2.0%]
-0.30億ドル
[-0.9%]
2010年
1月期
33.26億ドル -0.98億ドル
[-2.9%]
-0.67億ドル
[-2.0%]
2011年
1月期
35.43億ドル 2.55億ドル
[7.2%]
2.53億ドル
[7.1%]
2012年
1月期
39.98億ドル 6.48億ドル
[16.2%]
5.81億ドル
[14.5%]
2013年
1月期
42.80億ドル 6.48億ドル
[15.1%]
5.63億ドル
[13.2%]
2014年
1月期
41.30億ドル 4.96億ドル
[12.0%]
4.40億ドル
[10.7%]
2015年
1月期
46.82億ドル 7.59億ドル
[16.2%]
6.31億ドル
[13.5%]
2016年
1月期
50.10億ドル 7.47億ドル
[14.9%]
6.14億ドル
[12.3%]
2017年
1月期
69.10億ドル 19.34億ドル
[27.9%]
16.65億ドル
[24.1%]
2018年
1月期
97.14億ドル 32.10億ドル
[33.0%]
30.47億ドル
[31.4%]
2019年
1月期
117.16億ドル 38.04億ドル
[32.4%]
41.41億ドル
[35.3%]
2020年
1月期
109.18億ドル 28.46億ドル
[26.0%]
27.96億ドル
[25.6%]
2021年
1月期
166.75億ドル 45.32億ドル
[27.1%]
43.32億ドル
[25.9%]
2022年
1月期
269.14億ドル 100.41億ドル
[37.3%]
97.52億ドル
[36.2%]
2023年
1月期
269.74億ドル 42.24億ドル
[15.7%]
43.68億ドル
[16.2%]
2024年
1月期
609.22億ドル 329.72億ドル
[54.1%]
297.60億ドル
[48.8%]
出所:Nvidia。本決算期は1月末。
エヌビディアの2003年から2024年までの営業利益率の平均が17.9%。比較として、インテルの1995年から2022年までの営業利益率の平均が26.3%。AMDの1995年から2022年までの営業利益率の平均が0.4%。
  • エヌビディアの設立は1993年。半導体製造工場をもたないファブレスメーカー。中核製品はGPU(画像/映像を高速処理する半導体)。
  • 半導体製品の製造委託先は主に台湾TSMC。製造部門を持たないため、工場を保有するインテルなどよりは市況変化による業績悪化の影響を受けにくい。
  • 世界の情報がデータセンター(クラウド)に集まるようになり、あらゆるデータを解析するためにエヌビディアのGPUがデータセンターで不可欠なものとなっている。
  • 「生成AI」の開発において、世界的にエヌビディアのGPUをもとに開発が進んでいる。一人勝ち状態。
  • 2017年に発売されたNintendo Switch搭載の半導体もエヌビディア「Tegraプロセッサ」を採用。
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NVIDIAの財政・経営状況

エヌビディアの財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率・有利子負債の推移
決算期 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2005年 16.63億ドル
[6.70億ドル]
4.42億ドル
[86万ドル]
12.21億ドル
[73.4%]
2010年 35.86億ドル
[17.28億ドル]
9.21億ドル
[0.24億ドル]
26.65億ドル
[74.3%]
2015年 72.01億ドル
[46.23億ドル]
27.83億ドル
[13.84億ドル]
44.18億ドル
[61.4%]
2020年 173.15億ドル
[108.97億ドル]
51.11億ドル
[19.91億ドル]
122.04億ドル
[70.5%]
2021年 287.91億ドル
[115.61億ドル]
118.98億ドル
[75.97億ドル]
168.93億ドル
[58.7%]
2022年 441.87億ドル
[212.08億ドル]
175.75億ドル
[113.87億ドル]
266.12億ドル
[60.2%]
2023年 411.82億ドル
[132.96億ドル]
190.81億ドル
[118.55億ドル]
221.01億ドル
[53.7%]
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • 現金/手元資金が有利子負債を上回る実質的な無借金経営。エヌビディアの財務問題ナシ。
  • 2023年4月時点で、世界の半導体メーカーの中で株式時価総額トップ(6610億ドル)の存在。競合のインテル(1330億ドル)やAMD(1476億ドル)よりも遥かに上。

全社員数とR&Dの推移

エヌビディアの全従業員数、研究開発費の推移
年度 従業員数(連結) 研究開発費
2010年 5706人 9.08億ドル
2015年 9228人 13.60億ドル
2020年 13775人 28.29億ドル
2023年 26196人 73.39億ドル
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • 近年の従業員の増加が著しい。データセンター向け半導体の開発に向けたエンジニアを増員。また、営業にも力を入れる。
  • なお、競合のインテルやAMDなどにおいても、ここ近年は従業員の増加ぺースが加速。
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セグメント別の販売高と売上比率

Nvidiaの用途別の半導体売上高と全体比
種類 2017年/売上高
[売上比率(%)]
2020年/売上高
[売上比率(%)]
2023年/売上高
[売上比率(%)]
データセンター 8.30億ドル
[12.0%]
29.83億ドル
[27.3%]
150.05億ドル
[55.6%]
ゲーム向け 40.60億ドル
[58.8%]
55.18億ドル
[50.5%]
90.67億ドル
[33.6%]
開発者向け 8.35億ドル
[12.1%]
12.12億ドル
[11.1%]
15.44億ドル
[5.7%]
自動車向け 4.87億ドル
[7.0%]
7.00億ドル
[6.4%]
9.03億ドル
[3.3%]
OEM・その他 6.98億ドル
[10.1%]
5.05億ドル
[4.6%]
4.55億ドル
[1.7%]
出所:Nvidia
  • エヌビディアの半導体売上高のほとんどが「データセンター向け」と「ゲーム向け」。その2つで総売上の約9割を占める。
  • 2023年1月期から「データセンター向け半導体」の売上が「ゲーム向け」を逆転し、大きく上回る。近年、データセンターでAI(人工知能)利用が急拡大し、大手クラウドサービス会社がAIに必要なエヌビディア製GPUを含めた設備投資を急いでいる。
  • 2017年と2023年を比較すると、データセンター向け売上は18.1倍に急増。(8.30億ドル→150.05億ドル)
  • 近年はパソコンやスマートフォンの販売台数が停滞している事で、成長分野はサーバー/データセンターとなるが、そこでエヌビディアの存在感が大きくなっている事が投資家からの評価に直結。株式時価総額は半導体メーカー世界トップ。
  • 他に期待値が高いのは「自動運転車向けの半導体」だが、その自動車向けの売上拡大は、まだまだ先だと思われる。もしかすると、自動運転車はあまり普及しないのかもしれない。
  • 「OEM・その他」に、仮想通貨(暗号資産)向けマイニングチップの売上が含まれるが、売上比率は2%未満と少ない。暗号資産業界が不安定である事や、マイニングにも電気代がかかるため、この分野の将来性は未知数。

売上地域の額と割合

Nvidiaの国別・地域別の売上高と比率
国/地域 2017年/売上高
[売上比率(%)]
2020年/売上高
[売上比率(%)]
2023年/売上高
[売上比率(%)]
アメリカ 9.04億ドル
[13.1%]
8.86億ドル
[8.1%]
82.92億ドル
[30.7%]
台湾 25.46億ドル
[36.8%]
30.25億ドル
[27.7%]
69.86億ドル
[25.9%]
中国
(香港含む)
13.05億ドル
[18.9%]
27.31億ドル
[25.0%]
57.85億ドル
[21.4%]
その他 21.55億ドル
[31.2%]
42.76億ドル
[39.2%]
59.11億ドル
[21.9%]
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • アメリカ向けは、Amazon AWS、マイクロソフト、Google、METAなどが保有するデータセンター向け半導体の売上が中心。
  • 台湾向けは、パソコンメーカーやフォックスコンなどの製造受託メーカーへの売上が中心。
  • 中国は、アリババ、ファーウェイ、レノボなどへの売上が中心。
  • 2022年9月、アメリカ政府は中国やロシアに対し「軍事転用される可能性がある」として、エヌビディアの半導体の輸出規制を実行。株価は大幅下落。今後、エヌビディアは米中対立に巻き込まれ、中国への売上が低迷していく可能性あり。
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NVIDIAの強み

  • 世界中に点在するデータセンターは、世界消費電力の2~3%を占める。そのため、巨大なデータセンターを保有する会社は少しでも良い半導体を使用し、爆発的な消費電力を少しでも抑えたい事情がある。エヌビディアの半導体GPUは、その問題を改善する存在。
  • エヌビディアが得意とするGPUは、元々はゲーム等のグラフィック処理を強化する目的で使用されていたが、そもそもが汎用的な数値計算にも強い事から、データセンターにおける計算処理の高速化を目的として使用されるようになった。
  • データセンターでAI(人工知能)利用が近年急拡大。AI開発に必要なGPUにおいて、エヌビディアのGPUが標準的な存在になっている。つまり、主導権をとってしまったという事。
  • 他社よりもGPUの開発が早く、さらに開発者が使いやすくなるソフトウェアを提供。これが、エヌビディアを中心としてAI開発が行われる理由の一つ。
  • 将来的に自動運転車が普及するとされるが、その分野においても人工知能に強いエヌビディアのGPUが注目。世界中の自動車メーカーや部品メーカーはエヌビディアと提携しており、クルマ自動化の中核を担う存在となる。

任天堂向けのTegraプロセッサ

Nvidiaは、GPUとARM系CPUを統合した「Tegraプロセッサ」をNintendo Switch(2017年発売)に供給。Tegraは、高度な画像処理とコンピューティングを1チップに収めた省電力プロセッサ。

2018年には「Tegra」のみで15億3000万ドルの売上。内訳は9億7200ドルがSwitch向け、5億5800万ドルが自動車関連。

なお、Tegraはスママートフォン用SoCとしての採用を目指していたが2015年に撤退。クアルコムやメディアテックが占有する市場に入り込む事ができなかった。

データセンター向け製品をさらに強化

2021年、エヌビディアは、ARMベースのデータセンター向けCPU「Grace」を発表。Graceは、高性能、優れた電力効率性を実現したCPUで、すでに評価されているNVIDIAの「サーバーGPU」と相性が良い設計とされる。

インテルの「Xeon」、AMDの「EPYC」がライバルとなる市場に参入したという事だが、エヌビディアのこういった動向を一番恐れているのがインテルに違いない。

インテルは製造工場を保有するため、製品で負けてしまうと工場が不良資産となってしまう。どうなることやら。

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