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NVIDIA(エヌビディア)

NVIDIA(エヌビディア)の業績推移:売上・営業利益率・財務状況

NVIDIAの連結決算:通年の売上推移

NVIDIA(エヌビディア) の業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
決算期 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2003年 19.09億ドル 1.44億ドル
[7.5%]
0.91億ドル
[4.8%]
2004年 18.23億ドル 0.50億ドル
[2.7%]
0.49億ドル
[2.7%]
2005年 20.10億ドル 0.95億ドル
[4.7%]
0.89億ドル
[4.4%]
2006年 23.76億ドル 3.37億ドル
[14.2%]
3.01億ドル
[12.7%]
2007年 30.68億ドル 4.53億ドル
[14.8%]
4.48億ドル
[14.6%]
2008年 40.97億ドル 8.36億ドル
[20.4%]
7.97億ドル
[19.5%]
2009年 34.24億ドル -0.70億ドル
[-2.0%]
-0.30億ドル
[-0.9%]
2010年 33.26億ドル -0.98億ドル
[-2.9%]
-0.67億ドル
[-2.0%]
2011年 35.43億ドル 2.55億ドル
[7.2%]
2.53億ドル
[7.1%]
2012年 39.98億ドル 6.48億ドル
[16.2%]
5.81億ドル
[14.5%]
2013年 42.80億ドル 6.48億ドル
[15.1%]
5.63億ドル
[13.2%]
2014年 41.30億ドル 4.96億ドル
[12.0%]
4.40億ドル
[10.7%]
2015年 46.82億ドル 7.59億ドル
[16.2%]
6.31億ドル
[13.5%]
2016年 50.10億ドル 7.47億ドル
[14.9%]
6.14億ドル
[12.3%]
2017年 69.10億ドル 19.34億ドル
[27.9%]
16.65億ドル
[24.1%]
2018年 97.14億ドル 32.10億ドル
[33.0%]
30.47億ドル
[31.4%]
2019年 117.16億ドル 38.04億ドル
[32.4%]
41.41億ドル
[35.3%]
2020年 109.18億ドル 28.46億ドル
[26.0%]
27.96億ドル
[25.6%]
2021年 166.75億ドル 45.32億ドル
[27.1%]
43.32億ドル
[25.9%]
2022年 269.14億ドル 100.41億ドル
[37.3%]
97.52億ドル
[36.2%]
2023年 269.74億ドル 42.24億ドル
[15.7%]
43.68億ドル
[16.2%]
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • エヌビディアの設立は1993年。半導体製造工場をもたないファブレスメーカー。中核製品はGPU(画像や映像を高速処理する半導体)
  • 半導体製品の製造委託先は主に台湾TSMC。製造部門を持たないため、工場を保有するインテルなどよりは市況変化による業績悪化の影響を受けにくい。
  • 2017年頃から売上高が増加傾向。営業利益率も30%前後に到達。これは、中核製品のGPUがデータセンター向けで活躍するようになった事が背景にある。また、2017年から発売されたNintendo Switch搭載の半導体(Tegraプロセッサ)においても、NVIDIAの売上アップに貢献。
  • 2003年から2023年までのエヌビディアの営業利益率の平均が16.2%。比較として、インテルの1995年から2022年までの営業利益率の平均が26.3%。AMDの1995年から2022年までの営業利益率の平均が0.4%。
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NVIDIAの財政・経営状況

エヌビディアの財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率・有利子負債の推移
決算期 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2005年 16.63億ドル
[6.70億ドル]
4.42億ドル
[86万ドル]
12.21億ドル
[73.4%]
2010年 35.86億ドル
[17.28億ドル]
9.21億ドル
[0.24億ドル]
26.65億ドル
[74.3%]
2015年 72.01億ドル
[46.23億ドル]
27.83億ドル
[13.84億ドル]
44.18億ドル
[61.4%]
2020年 173.15億ドル
[108.97億ドル]
51.11億ドル
[19.91億ドル]
122.04億ドル
[70.5%]
2021年 287.91億ドル
[115.61億ドル]
118.98億ドル
[75.97億ドル]
168.93億ドル
[58.7%]
2022年 441.87億ドル
[212.08億ドル]
175.75億ドル
[113.87億ドル]
266.12億ドル
[60.2%]
2023年 411.82億ドル
[132.96億ドル]
190.81億ドル
[118.55億ドル]
221.01億ドル
[53.7%]
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • 現金/手元資金が有利子負債を上回る実質的な無借金経営。エヌビディアの財務問題ナシ。
  • 2023年4月時点で、世界の半導体メーカーの中で株式時価総額トップ(6610億ドル)の存在。競合のインテル(1330億ドル)やAMD(1476億ドル)よりも遥かに上。

社員数の推移

NVIDIAの従業員数の推移
2010年 2015年 2020年 2023年
5706人 9228人 13775人 26196人
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • 近年の従業員の増加が著しいが、これはエンジニアの採用を増やしただけではなく、営業に力を入れるようになった事もある。
  • なお、競合のインテルやAMDなどにおいても、ここ近年は従業員の増加ぺースが加速。
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事業ポートフォリオの販売高と売上割合

Nvidiaの用途別の半導体売上高と全体比
種類 2017年/売上高
[売上比率(%)]
2020年/売上高
[売上比率(%)]
2023年/売上高
[売上比率(%)]
データセンター 8.30億ドル
[12.0%]
29.83億ドル
[27.3%]
150.05億ドル
[55.6%]
ゲーム向け 40.60億ドル
[58.8%]
55.18億ドル
[50.5%]
90.67億ドル
[33.6%]
開発者向け 8.35億ドル
[12.1%]
12.12億ドル
[11.1%]
15.44億ドル
[5.7%]
自動車向け 4.87億ドル
[7.0%]
7.00億ドル
[6.4%]
9.03億ドル
[3.3%]
OEM・その他 6.98億ドル
[10.1%]
5.05億ドル
[4.6%]
4.55億ドル
[1.7%]
出所:Nvidia
  • エヌビディアの半導体売上高のほとんどが「データセンター向け」と「ゲーム向け」。その2つで総売上の約9割を占める。
  • 2023年1月期から「データセンター向け半導体」の売上が「ゲーム向け」を逆転し、大きく上回る。近年、データセンターでAI(人工知能)利用が急拡大し、大手クラウドサービス会社がAIに必要なエヌビディア製GPUを含めた設備投資を急いでいる。
  • 2017年と2023年を比較すると、データセンター向け売上は18.1倍に急増。(8.30億ドル→150.05億ドル)
  • 近年はパソコンやスマートフォンの販売台数が停滞している事で、成長分野はサーバー/データセンターとなるが、そこでエヌビディアの存在感が大きくなっている事が投資家からの評価に直結。株価は半導体メーカー世界トップ。
  • 他に期待値が高いのは「自動運転車向けの半導体」だが、その自動車向けの売上拡大は、まだまだ先だと思われる。もしかすると、自動運転車はあまり普及しないのかもしれない。
  • 「OEM・その他」に、仮想通貨(暗号資産)向けマイニングチップの売上が含まれるが、売上比率は2%未満と少ない。暗号資産業界が不安定である事や、マイニングにも電気代がかかるため、この分野の将来性は未知数。

売上地域の額と割合

Nvidiaの国別・地域別の売上高と比率
国/地域 2017年/売上高
[売上比率(%)]
2020年/売上高
[売上比率(%)]
2023年/売上高
[売上比率(%)]
アメリカ 9.04億ドル
[13.1%]
8.86億ドル
[8.1%]
82.92億ドル
[30.7%]
台湾 25.46億ドル
[36.8%]
30.25億ドル
[27.7%]
69.86億ドル
[25.9%]
中国
(香港含む)
13.05億ドル
[18.9%]
27.31億ドル
[25.0%]
57.85億ドル
[21.4%]
その他 21.55億ドル
[31.2%]
42.76億ドル
[39.2%]
59.11億ドル
[21.9%]
出所:Nvidia。1月期決算のデータ。
  • アメリカ向けは、Amazon AWS、マイクロソフト、Google、METAなどが保有するデータセンター向け半導体の売上が中心。
  • 台湾向けは、パソコンメーカーやフォックスコンなどの製造受託メーカーへの売上が中心。
  • 中国は、アリババ、ファーウェイ、レノボなどへの売上が中心。
  • 2022年9月、アメリカ政府は中国やロシアに対し「軍事転用される可能性がある」として、エヌビディアの半導体の輸出規制を実行。株価は大幅下落。今後、エヌビディアは米中対立に巻き込まれ、中国への売上が低迷していく可能性あり。
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NVIDIAの強み

  • 世界中に点在するデータセンターは、世界消費電力の2~3%を占める。そのため、巨大なデータセンターを保有する会社は少しでも良い半導体を使用し、爆発的な消費電力を少しでも抑えたい事情がある。エヌビディアの半導体GPUは、その問題を改善する存在。
  • エヌビディアが得意とするGPUは、元々はゲーム等のグラフィック処理を強化する目的で使用されていたが、そもそもが汎用的な数値計算にも強い事から、データセンターにおける計算処理の高速化を目的として使用されるようになった。
  • データセンターでAI(人工知能)利用が近年急拡大。AI開発に必要なGPUにおいて、エヌビディアのGPUが標準的な存在になっている。つまり、主導権をとってしまったという事。
  • 将来的に自動運転車が普及するとされるが、その分野においても人工知能に強いエヌビディアのGPUが注目。世界中の自動車メーカーや部品メーカーはエヌビディアと提携しており、クルマ自動化の中核を担う存在となる。

任天堂向けのTegraプロセッサ

Nvidiaは、GPUとARM系CPUを統合した「Tegraプロセッサ」をNintendo Switch(2017年発売)に供給。Tegraは、高度な画像処理とコンピューティングを1チップに収めた省電力プロセッサ。

2018年には「Tegra」のみで15億3000万ドルの売上。内訳は9億7200ドルがSwitch向け、5億5800万ドルが自動車関連。

なお、Tegraはスママートフォン用SoCとしての採用を目指していたが2015年に撤退。クアルコムやメディアテックが占有する市場に入り込む事ができなかった。

データセンター向け製品をさらに強化

2021年、エヌビディアは、ARMベースのデータセンター向けCPU「Grace」を発表。Graceは、高性能、優れた電力効率性を実現したCPUで、すでに評価されているNVIDIAサーバーGPUと相性が良い設計とされる。

インテルの「Xeon」、AMDの「EPYC」がライバルとなる市場に参入したという事だが、エヌビディアのこういった動向を一番恐れているのがインテルに違いない。

インテルは製造工場を保有するため、製品で負けてしまうと工場が不良資産となってしまう。どうなることやら。

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