CAPCOMの連結決算:通年の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1997年 | 582億円 | 104億円 [17.9%] | -47億円 [-8.1%] |
1998年 | 383億円 | 36億円 [9.4%] | 15億円 [3.9%] |
1999年 | 515億円 | 90億円 [17.5%] | 97億円 [18.8%] |
2000年 | 490億円 (3月 ソニーPS2発売) | 71億円 [14.5%] | 60億円 [12.2%] |
2001年 | 627億円 | 97億円 [15.5%] | 49億円 [7.8%] |
2002年 | 620億円 | 66億円 [10.6%] | -195億円 [-31.5%] |
2003年 | 526億円 | 14億円 [2.7%] | -91億円 [-17.3%] |
2004年 | 658億円 (12月 ニンテンドーDS発売) | 77億円 [11.7%] | 36億円 [5.5%] |
2005年 | 702億円 | 65億円 [9.4%] | 69億円 [9.8%] |
2006年 | 745億円 (11月 ソニーPS3発売) (12月 任天堂Wii発売) | 96億円 [12.9%] | 58億円 [7.8%] |
2007年 | 830億円 | 131億円 [15.8%] | 78億円 [9.4%] |
2008年 | 918億円 | 146億円 [15.9%] | 80億円 [8.7%] |
2009年 | 668億円 | 55億円 [8.4%] | 21億円 [3.1%] |
2010年 | 977億円 | 142億円 [14.6%] | 77億円 [7.9%] |
2011年 | 820億円 | 123億円 [15.0%] | 67億円 [8.2%] |
2012年 | 940億円 | 101億円 [10.8%] | 29億円 [3.1%] |
2013年 | 1022億円 (11月 ソニーPS4発売) | 102億円 [10.1%] | 34億円 [3.3%] |
2014年 | 642億円 | 105億円 [16.5%] | 66億円 [10.3%] |
2015年 | 770億円 | 120億円 [15.6%] | 77億円 [10.0%] |
2016年 | 871億円 | 136億円 [15.7%] | 88億円 [10.1%] |
2017年 | 945億円 (3月 Nintendo Switch発売) | 160億円 [17.0%] | 109億円 [11.5%] |
2018年 | 1000億円 | 181億円 [18.1%] | 125億円 [12.5%] |
2019年 | 815億円 | 228億円 [28.0%] | 159億円 [19.5%] |
2020年 | 953億円 (11月 ソニーPS5発売) | 345億円 [36.3%] | 249億円 [26.1%] |
2021年 | 1100億円 | 429億円 [39.0%] | 325億円 [29.5%] |
2022年 | 1259億円 | 508億円 [40.3%] | 367億円 [29.2%] |
2023年 | 1524億円 | 570億円 [37.5%] | 433億円 [28.4%] |
出所:カプコン。決算期は3月末。
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平均利益率
カプコンの1997年から2023年までの営業利益率の平均が17.7%。
比較として、スクウェア・エニックスの2003年から2023年までの営業利益率の平均が12.7%。
比較として、スクウェア・エニックスの2003年から2023年までの営業利益率の平均が12.7%。
会社の動向
- カプコンの設立は1979年。IRM社として設立した事がルーツ。ゲーム事業を手掛ける大阪の会社で、ソフトは主に格闘/バトルアクションゲームが中心。
- 1987年、アーケードゲーム版の初代「ストリートファイター」をリリース。
- 1991年、続編「ストリートファイター2」をリリース。その後、スーパーファミコンに移植され世界的に大ヒット。国内販売本数約288万本、世界累計販売本数630万本。これがきっかけでカプコンは世界的なゲーム会社として成長していく。
- スーファミまでの時代で「スト2」のほか「魔界村シリーズ」や「ロックマン」などでもヒット作を連発し、財務的にも安定へ。
- 開発ソフトの中核は「モンスターハンター」「バイオハザード」「デビルメイクライ」「ドラゴンズドグマ」など。「ストリートファイター」「ロックマン」などに代わってカプコンの屋台骨に。
- カプコンは海外ファンが多いのが強み。外国人からは、任天堂と共に日本を代表するゲームソフト会社として認識される。
- 2020年から営業利益率が30%超え。業界トップクラス。
- 近年の高利益率の理由は、販売ソフトがパッケージ店頭販売からダウンロード/デジタル販売に移り、販売までのコストを下げる事ができた事や、デジタル化によって過去作品のダウンロード本数の売上が増加した事などが主な理由。
- 競合の業績推移
- 任天堂
- スクエア・エニックス
- サイバーエージェント
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CAPCOMの財政・経営状況
年度 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
2000年 | 1134億円 [256億円] |
504億円 [368億円] |
629億円 [55.5%] |
2005年 | 984億円 [406億円] |
590億円 [413億円] |
394億円 [40.1%] |
2010年 | 904億円 [350億円] |
324億円 [83億円] |
580億円 [64.2%] |
2015年 | 1130億円 [284億円] |
378億円 [137億円] |
751億円 [66.5%] |
2020年 | 1637億円 [640億円] |
429億円 [68億円] |
1207億円 [73.8%] |
2021年 | 1873億円 [956億円] |
408億円 [60億円] |
1464億円 [78.2%] |
2022年 | 2173億円 [894億円] |
562億円 [117億円] |
1611億円 [74.1%] |
2023年 | 2434億円 [1090億円] |
483億円 [121億円] |
1950億円 [80.1%] |
出所:カプコン
- 現金/現金同等物が、有利子負債を大きく上回る実質無借金経営。カプコンの財務不安はナシ。
- 2024年6月時点のカプコンの株式時価総額は約1兆5100億円。比較として、スクウェアエニックスは約5650億円。
連結社員数と研究開発投資について
年度 | 従業員数(連結) | 平均年収 | 設備投資費 | 研究開発費 |
---|---|---|---|---|
2000年 | 1150人 | 514万円 | 21億円 | 105億円 |
2005年 | 1212人 | 615万円 | 13億円 | 122億円 |
2010年 | 2089人 | 571万円 | 17億円 | 260億円 |
2015年 | 2839人 | 564万円 | 59億円 | 272億円 |
2020年 | 3152人 | 603万円 | 25億円 | 253億円 |
2022年 | 3332人 | 766万円 | 91億円 | 377億円 |
出所:カプコン
- 2022年度の全従業員数は3332人で、有価証券報告書による平均年収は766万円。比較としてスクウェア・エニックス社は、全社員数4712人で平均年収が1259万円。
- 2022年度のカプコンの研究開発費は377億円。比較として、スクエニは11億円。ゲーム開発において、カプコンは自社開発の割合が多く、スクエニは外部委託が多い事で、研究開発費にも大きな差がある。
- カプコンはゲーム開発の外注比率が高くなっていた時期があったが、クオリティの難しさにより内製化へシフト。
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主力事業の収益構造
年度 | パッケージ販売 | デジタル販売 | モバイルコンテンツ |
---|---|---|---|
売上高 [全体比(%)] |
|||
2010年 | 702億円 [71.9%] |
40億円 [4.1%] |
|
2015年 | 312億円 [40.5%] |
109億円 [14.2%] |
33億円 [4.3%] |
2020年 | 208億円 [21.8%] |
480億円 [50.4%] |
65億円 [6.8%] |
2021年 | 300億円 [27.2%] |
533億円 [48.5%] |
42億円 [3.8%] |
2022年 | 180億円 [14.3%] |
773億円 [61.4%] |
28億円 [2.2%] |
2023年 | 193億円 [12.7%] |
969億円 [63.6%] |
35億円 [2.3%] |
出所:カプコン
- ネット環境が普及にするにつれ、伝統的なパッケージ販売が減少し、デジタル販売が主流に。なお、パッケージ販売においてもAmazonなどのネット通販で購入する人が増えている。
- デジタル販売の拡大は、過去作品の売上が増加している事も要因。
- モバイルコンテンツ(スマホゲーム)は、カプコンは成果が出せていない分野。スマホゲームは「操作性が限られるスマホにおいて、いかにユーザーに継続的な課金をしてもらうか」がポイント。カプコンはこの分野の「ノウハウが乏しい」としている。
CAPCOMのゲーム販売本数の内容
年度 | 海外販売本数 [国内販売本数] |
ダウンロード販売本数 [パッケージ販売本数] |
旧作販売本数 [新作販売本数] |
---|---|---|---|
2020年 | 2435万本 [575万本] |
2315万本 [695万本] |
2050万本 [960万本] |
2021年 | 2710万本 [550万本] |
2460万本 [800万本] |
2400万本 [860万本] |
2022年 | 3350万本 [820万本] |
3730万本 [440万本] |
2930万本 [1240万本] |
2023年 | 3810万本 [779万本] |
4135万本 [454万本] |
3629万本 [959万本] |
出所:カプコン
- 2023年度の海外販売比率は83.0%。国内は17.0%。マーケットが拡大している海外市場で評価されるのがカプコンの強み。
- 2023年度のデジタル販売比率は90.1%。パッケージ販売比率は9.9%。ダウンロード販売が増えている事で、販売コストを下げる事に成功。近年の利益率向上の理由。
- 2023年度の旧作品販売比率は79.1%。新作販売比率が20.9%。開発費がかからないレガシー作品で成功している事も近年の利益率アップの理由。根強いファンが好む豊富なIP/知的財産をもつのがカプコンの強み。
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