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楽天の業績推移:売上高・営業利益率・財務・有利子負債の推移

RAKUTENの連結決算:通年の売上推移

楽天の業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2000年 32億円 10億円
[31.3%]
-95億円
[-296.9%]
2001年 68億円 16億円
[23.5%]
-42億円
[-61.8%]
2002年 99億円 26億円
[26.3%]
-33億円
[-33.3%]
2003年 181億円 48億円
[26.5%]
-526億円
[-290.6%]
2004年 456億円 151億円
[33.1%]
-143億円
[-31.4%]
2005年 1298億円 349億円
[26.9%]
194億円
[14.9%]
2006年 2033億円 291億円
[14.3%]
27億円
[1.3%]
2007年 2139億円 1.2億円
[0.1%]
369億円
[17.3%]
2008年 2499億円 472億円
[18.9%]
-550億円
[-22.0%]
2009年 2983億円 566億円
[19.0%]
536億円
[18.0%]
2010年 3461億円 638億円
[18.3%]
350億円
[10.1%]
2011年 3799億円 708億円
[18.6%]
-23億円
[-0.6%]
2012年 4435億円 723億円
[16.3%]
194億円
[4.4%]
2013年 5186億円 902億円
[17.4%]
429億円
[8.3%]
2014年 5986億円 1064億円
[17.8%]
706億円
[11.8%]
2015年 7136億円 947億円
[13.3%]
444億円
[6.2%]
2016年 7819億円 780億円
[10.0%]
380億円
[4.9%]
2017年 9445億円
(12月 携帯キャリア参入発表)
1493億円
[15.8%]
1106億円
[11.7%]
2018年 1兆1015億円
(4月 1.7GHz周波数帯を獲得)
1704億円
[15.5%]
1423億円
[12.9%]
2019年 1兆2639億円
(10月 自社回線によるサービスを限定的に開始)
727億円
[5.8%]
-319億円
[-2.5%]
2020年 1兆4555億円
(4月 正式サービスRakuten UN-LIMIT開始)
-938億円
[-6.4%]
-1142億円
[-7.8%]
2021年 1兆6818億円
(4月 iPhone取扱い開始)
-1947億円
[-11.6%]
-1338億円
[-8.0%]
2022年 1兆9279億円 -3639億円
[-18.9%]
-3729億円
[-19.3%]
2023年 2兆713億円
(6月 Rakuten最強プラン提供開始)
(10月 700MHz帯プラチナバンド獲得)
-2128億円
[-10.3%]
-3394億円
[-16.4%]
出所:楽天。本決算は12月。
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平均利益率

楽天の2000年から2022年までの営業利益率の平均が14.4%。

会社の動向

  • 楽天の設立は、1997年2月。株式会社「エム・ディー・エム」としてスタート。
  • 1997年5月、楽天市場を開設。なお、ネット通販で競合のAmazonは、米国での事業開始年は1995年で、日本では2000年にネット通販事業に参入。
  • Amazonは事業開始年から8年で営業利益が黒字化したが、楽天の場合はAmazonとは違って倉庫/在庫を持たない通販事業であるため、営業利益の黒字化は早かった。
  • 通販事業以外の事業は、金融関連と楽天モバイル。金融は、楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天ペイ、保険事業など。
  • 楽天モバイルは2019年10月から自社回線のもとで限定的にサービス開始し、正式サービスは2020年4月から。当初は電波がつながりにくかったが、2023年6月以降はau回線を無制限に利用できるようになり「つながりにくい問題」はほとんどなくなった。
  • 楽天ポイントを活かした「楽天経済圏」の強化を急ぐ。ライバルはAmazonとソフトバンクのPayPay。
  • 2023年度は営業損失が縮小。携帯基地局の設備投資費用が減った事や携帯電話の収益性が上がった事が要因。
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RAKUTENの財政・経営状況

楽天の財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率・有利子負債の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2000年 403億円
[319億円]
19億円
[なし]
383億円
[95.2%]
2005年 1兆6577億円
[707億円]
1兆5724億円
[6985億円]
766億円
[4.6%]
2010年 1兆9495億円
[1007億円]
1兆7003億円
[3683億円]
2492億円
[12.2%]
2015年 4兆2700億円
[5010億円]
3兆6059億円
[6492億円]
6640億円
[15.6%]
2016年 4兆6046億円
[5482億円]
3兆9221億円
[7111億円]
6824億円
[14.8%]
2017年 6兆1842億円
[7008億円]
5兆5008億円
[1兆157億円]
6834億円
[11.1%]
2018年 7兆3450億円
[9902億円]
6兆5687億円
[1兆2341億円]
7762億円
[10.6%]
2019年 9兆1656億円
[1兆4785億円]
8兆4284億円
[1兆7270億円]
7372億円
[8.0%]
2020年 12兆5244億円
[3兆213億円]
11兆8954億円
[2兆4875億円]
6290億円
[5.0%]
2021年 16兆8312億円
[4兆4103億円]
15兆7139億円
[3兆4029億円]
1兆1173億円
[6.6%]
2022年 20兆4373億円
[4兆6944億円]
19兆5662億円
[4兆9127億円]
8711億円
[4.3%]
2023年 22兆6255億円
[5兆1276億円]
21兆5378億円
[4兆7951億円]
1兆877億円
[4.8%]
出所:楽天
  • 金融事業を手掛けるため、全体的に自己資本比率が低くなる。例えば、楽天銀行の預金は、返済する必要があるため負債項目となる。
  • 自己資本が低く、さらに自己資本に対して有利子負債が多いのが問題。そして、まだまだ楽天モバイルにおいて、携帯基地局への設備投資費が必要なのが悩ましい。
  • 2022年11月、利回り10%を超えるドル建て社債を発行。無担保社債なので高い金利を付ける必要性があったが、業界では楽天の資金繰りを不安視される事になった。

RAKUTENの連結社員数と研究開発投資について

楽天の全従業員数、平均年収、設備投資費、研究開発費の推移
年度 従業員数(連結) 平均年収 設備投資費 研究開発費
2005年 3709人 606万円 84億円 なし
2010年 7119人 674万円 219億円 3.6億円
2015年 12981人 672万円 547億円 84億円
2016年 14134人 689万円 539億円 100億円
2017年 14845人 708万円 850億円 98億円
2018年 17214人 720万円 1002億円 95億円
2019年 20053人 756万円 3626億円 91億円
2020年 23841人 745万円 5063億円 105億円
2021年 28261人 774万円 6109億円 173億円
2022年 32079人 797万円 5882億円 142億円
2023年 30830人 794万円 3858億円 143億円
出所:楽天(有価証券報告書)
  • 楽天は2018年4月に1.7GHz周波数帯を獲得し、2019年10月から携帯キャリアサービスを開始。設備投資費用は2019年度から爆発的に増加。これが経営の圧迫となっている。
  • とはいえ、設備投資費は2021年の6109億円をピークとして低下傾向。
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収益構造:セグメント別の成績

楽天の売上内訳:部門別の業績推移
年度 インターネットサービス
(主にネット通販事業)
フィンテック
(カード・銀行・証券・保険等)
楽天モバイル
売上高
[営業利益/利益率(%)]
2018年 6767億円
[1077億円/15.9%]
4245億円
[679億円/16.0%]
899億円
[-137億円/-15.2%]
2019年 7433億円
[1072億円/14.4%]
4864億円
[693億円/14.2%]
1691億円
[-765億円/-45.2%]
2020年 8201億円
[401億円/4.9%]
5762億円
[813億円/14.1%]
1725億円
[-2273億円/-131.8%]
2021年 9992億円
[1034億円/10.3%]
6190億円
[891億円/14.4%]
2275億円
[-4212億円/-185.1%]
2022年 1兆859億円
[782億円/7.2%]
6634億円
[987億円/14.9%]
3687億円
[-4928億円/-133.7%]
2023年 1兆2123億円
[768億円/6.3%]
7251億円
[1229億円/16.9%]
3645億円
[-3375億円/-92.6%]
出所:楽天
  • 2022年度の楽天のEコマース事業の売上高は1兆859億円で、Eコマース流通総額は5.6兆円ほど。一方、Amazonの日本売上高が243.96億ドルで、Amazonマーケットプレイスを含めると、Eコマース流通総額は楽天と同じレベルだとされる。なお、三木谷社長は楽天が上と断言。
  • 通販事業では、Amazonよりも楽天のほうが利益率が高い。アマゾンは倉庫と在庫をもつため利益率が悪い。
  • フィンテック事業(クレジットカード、銀行、証券など)の高利益率が強み。
  • 楽天モバイルの単年度黒字の達成は2026年度の見通しとしている。

楽天の金融事業の詳細

楽天のフィンテック事業(金融セグメント)の売上内訳:売上高・営業利益率の推移(2018年以降)
事業 2018年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2020年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2022年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
楽天カード 1871億円
[331億円/17.7%]
2613億円
[377億円/14.4%]
2956億円
[440億円/14.9%]
楽天銀行 825億円
[257億円/31.2%]
955億円
[281億円/29.4%]
1122億円
[380億円/33.9%]
証券事業 597億円
[212億円/35.5%]
741億円
[166億円/22.4%]
958億円
[187億円/19.5%]
保険事業 629億円
[-1億円/-0.2%]
1064億円
[74億円/7.0%]
997億円
[100億円/10.0%]
楽天ペイ 331億円
[-68億円/-20.5%]
514億円
[-51億円/-9.9%]
その他 186億円
[0億円/0%]
58億円
[-19億円/-32.8%]
85億円
[-70億円/-82.4%]
出所:楽天
  • 楽天カード事業におけるカード発行枚数は2022年12月末で2808万枚。日本で最も利用されるクレジットカードだとされる。楽天市場と共に楽天ポイントを活かした「楽天経済圏」の中核を担う。
  • 楽天銀行は、口座数が2022年12月末に1400万口座に到達。単体預金残高は9兆円を突破。なお、楽天銀行は2023年4月に株式63%を残して東証プライム上場。楽天モバイルの設備投資に向けた資金調達が目的。
  • 楽天証券は、2023年10月に株式取引手数料を無料化すると発表。SBI証券への追随によるもので、収益性の悪化が問題視されるが、ユーザーを囲い込む事になれば、違う形で収益は確保できそう。
  • 楽天ペイは、ソフトバンク「PayPay」に負けないようにインフラ確保に急ぐ。
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楽天モバイルの契約件数の推移を競合と比較

NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯電話契約者数の推移
年度 NTTドコモ au ソフトバンク 楽天モバイル
2000年 3622万件 1099万件 998万件
2005年 5114万件 2544万件 1521万件
2010年 5801万件 3300万件 2541万件
2015年 7096万件 4591万件 3959万件
2020年 8263万件 6040万件 4562万件 433万件
2021年 8475万件 6211万件 4827万件 568万件
2022年 8749万件 6423万件 5129万件 506万件
2023年 8993万人 6780万人 5467万人 650万件
出所:電気通信事業者協会。すべて3月末時点のデータ。ソフトバンクの2000年はJ-Phoneの契約者数、2005年はボーダフォンの契約者数。
2023年3月末時点の携帯キャリアシェアは、NTTドコモ(42.0%)、au/KDDI(30.9%)、ソフトバンク(24.7%)、楽天モバイル(2.4%)。
競合の業績推移 ●NTTドコモ ●au/KDDI ●ソフトバンク
  • 正式サービス開始から1GBまでのデータ使用量は無料だったが、2022年7月から「無料使用」を廃止した事で、多くのユーザーが撤退。2021年と比較して2022年度は62万件の減少となった。
  • 2023年6月、楽天モバイルはau回線を無制限で使用できる「Rakuten最強プラン」を発表。これにより大手3社レベルに電波状況が安定化。契約者数も増加傾向。
  • 2023年10月、つながりやすい周波数帯700MHz帯(俗にいうプラチナバンド)を獲得。楽天モバイルは、それまで1.7MHz帯(4G LTE)のみでサービス展開してきたが、プラチナバンドを得た事で、より広範囲に電波を届ける事が可能に。auローミングがほとんど必要ない時代が来るかもしれない。
  • 三木谷社長によると、楽天モバイルの契約者数における損益分岐点は800万人~1000万人としている。
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