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信越化学工業の業績推移:売上高・営業利益率・ウェハーシェア

ShinEtsuの連結決算:通年の売上推移

信越化学工業の業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
1998年 6427億円 863億円
[13.4%]
433億円
[6.7%]
1999年 6788億円 874億円
[12.9%]
482億円
[7.1%]
2000年 8074億円 1126億円
[13.9%]
645億円
[8.0%]
2001年 7750億円 1147億円
[14.8%]
685億円
[8.8%]
2002年 7975億円 1221億円
[15.3%]
730億円
[9.2%]
2003年 8328億円 1256億円
[15.1%]
748億円
[9.0%]
2004年 9674億円 1517億円
[15.7%]
931億円
[9.6%]
2005年 1兆1279億円 1853億円
[16.4%]
1150億円
[10.2%]
2006年 1兆3046億円 2410億円
[18.5%]
1540億円
[11.8%]
2007年 1兆3763億円 2871億円
[20.9%]
1835億円
[13.3%]
2008年 1兆2008億円 2329億円
[19.4%]
1547億円
[12.9%]
2009年 9168億円 1172億円
[12.8%]
838億円
[9.1%]
2010年 1兆582億円 1492億円
[14.1%]
1001億円
[9.5%]
2011年 1兆477億円 1496億円
[14.3%]
1006億円
[9.6%]
2012年 1兆254億円 1570億円
[15.3%]
1057億円
[10.3%]
2013年 1兆1658億円 1738億円
[14.9%]
1136億円
[9.7%]
2014年 1兆2555億円 1853億円
[14.8%]
1286億円
[10.2%]
2015年 1兆2798億円 2085億円
[16.3%]
1488億円
[11.6%]
2016年 1兆2374億円 2386億円
[19.3%]
1759億円
[14.2%]
2017年 1兆4414億円 3368億円
[23.4%]
2662億円
[18.5%]
2018年 1兆5940億円 4037億円
[25.3%]
3091億円
[19.4%]
2019年 1兆5435億円 4060億円
[26.3%]
3140億円
[20.3%]
2020年 1兆4969億円 3922億円
[26.2%]
2937億円
[19.6%]
2021年 2兆744億円 6763億円
[32.6%]
5001億円
[24.1%]
2022年 2兆8088億円 9982億円
[35.5%]
7082億円
[25.2%]
2023年 2兆4149億円 7010億円
[29.0%]
5201億円
[21.5%]
出所:信越化学工業。本決算期は3月末。
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平均利益率

信越化学工業の1998年から2023年までの営業利益率の平均が19.1%。

会社の動向

  • 信越化学工業は1926年設立の化学メーカー。主力事業は、ポリ塩化ビニル、シリコンウエハー、シリコーン樹脂、セルロースなど。
  • 1957年、米国ダウコーニング社とシリコーン樹脂の製造に関する特許実施権を獲得。金属のシリコンではなく、樹脂のシリコーン。
  • 1957年、独シーメンス社と半導体材料である高純度シリコン製造に関する特許実施権を獲得。樹脂のシリコーンではなく、金属のシリコンで主に半導体向け。
  • 1973年、塩化ビニル事業で米国ロビンテック社との合弁「シンテック社」を設立し、アメリカ市場進出。1979年、塩ビ相場の暴落を受けてロビンテックが撤退を発表したため、信越化学はシンテックを完全子会社化(1979年)。そして、この塩化ビニル事業が現在の信越化学の利益の中核となる。
  • 塩化ビニルは、住宅/インフラ関連の必需品。シリコンウエハーも半導体製造の必需品。共に成長し続けると信じ、不況期でも積極投資。それが現在の高シェアにつながっている。
  • 中核の塩化ビニル事業は、1990年から2010年まで社長を務めた金川千尋氏の経営判断が良かったとされる。
  • 現在、塩化ビニルやシリコンウエハーなど世界トップシェアの製品を多く手掛け、国内外で高収益で安定的な企業として認識されている。株価も好調。
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ShinEtsuの財政・経営状況

信越化学工業の財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2005年 1兆6712億円
[3738億円]
4633億円
[838億円]
1兆1736億円
[70.2%]
2010年 1兆7841億円
[3022億円]
3147億円
[142億円]
1兆4694億円
[80.0%]
2015年 2兆5100億円
[4876億円]
4296億円
[131億円]
2兆804億円
[80.8%]
2020年 3兆3806億円
[8015億円]
4939億円
[277億円]
2兆8866億円
[83.2%]
2021年 4兆534億円
[1兆89億円]
6242億円
[304億円]
3兆4292億円
[81.8%]
2022年 4兆7303億円
[1兆2473億円]
7041億円
[298億円]
4兆262億円
[82.1%]
  • 信越化学工業の財務問題はなし。日本企業の中でも財政の健全性はトップクラス。
  • 2024年3月時点の信越の株式時価総額は13兆2900億円。なお、シリコンウエハーで競合のSUMCOは8306億円。(SUMCOはウェハ専業)

連結社員数と研究開発投資について

信越化学工業の連結従業員数、平均年収、設備投資費、研究開発費の推移
年度 従業員数(連結) 平均年収 設備投資費 研究開発費
2005年 18888人 797万円 1198億円 320億円
2010年 16302人 820万円 1138億円 373億円
2015年 18407人 842万円 1347億円 531億円
2020年 24069人 848万円 2288億円 512億円
2022年 25717人 876万円 3180億円 672億円
  • 2022年度の信越化学の平均年収が876万円。業績のわりには低いが、世論が動いている事から今後上がってくるはず。
  • 2022年度の設備投資費の内訳は、生活環境基盤材料事業は、塩化ビニル樹脂一貫製造設備の新設などで1000億円、シリコンウエハーなどの電子材料事業に1688億円、機能材料事業に398億円、加工・商事・技術サービス事業に114億円。
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収益構造・セグメント別の成績

信越化学工業の売上内訳:部門別の業績推移
部門 2020年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2021年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2022年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
生活環境
基盤材料
4858億円
[996億円/20.5%]
8571億円
[3177億円/37.1%]
1兆3080億円
[5413億円/41.4%]
電子材料 5956億円
[2060億円/34.6%]
7089億円
[2447億円/34.5%]
8756億円
[3014億円/34.4%]
機能材料 3142億円
[707億円/22.5%]
3956億円
[947億円/23.9%]
4933億円
[1306億円/26.5%]
加工・商事
技術サービス
1010億円
[163億円/16.1%]
1126億円
[209億円/18.6%]
1316億円
[263億円/20.0%]
  • 生活環境基盤材料……主力の塩化ビニル事業。1973年にアメリカで設立した「シンテック」の売上が好調。かつてはシリコンウエハーが社内で最も利益率が高かったが、近年は塩ビ事業が利益率トップに。
  • 電子材料事業……シリコンウエハー、フォトレジスト、フォトマスクブランクスなどの売上。どれも好調。
  • 機能材料事業……シリコーン、セルロースなどの材料。
  • 加工・商事・技術サービス……半導体ウエハー関連容器、自動車用入力デバイス、食品包装用塩ビラッピングフィルム、建設材料など。

国内と外国への売上比率

信越化学工業の海外売上比率:国別/地域別の売上高と全体比の推移
国/地域 2020年/売上高
[全体比(%)]
2021年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
日本 3897億円
[26%]
4673億円
[23%]
5387億円
[19%]
海外全体 1兆1071億円
[74%]
1兆6071億円
[77%]
2兆2700億円
[81%]
アメリカ 3432億円
[23%]
6130億円
[30%]
9798億円
[35%]
アジア
オセアニア
5121億円
[34%]
6302億円
[30%]
8051億円
[29%]
欧州 1526億円
[10%]
2067億円
[10%]
2777億円
[10%]
その他 990億円
[7%]
1570億円
[8%]
2072億円
[7%]
  • 日本向けの売上高を維持しながら、海外売上比率が上昇。グローバル企業の理想的な形。
  • 早い段階から成長力が高いアメリカやアジア各国で製造拠点を設置。海外拠点の収益性が確実なものになっているため、業績悪化の心配が少ない。
  • 特に、人口が拡大し続けるアメリカ市場において、塩化ビニル事業(シンテック社)で成功している事が大きい。
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信越化学の世界シェアトップクラス製品

  • 塩化ビニル樹脂……世界シェア1位。なお、他の日本勢ではAGCやカネカも世界的に存在感アリ。
  • シリコンウェハー……世界シェア1位。なお、2位はSUMCO(日本)。
  • フォトマスクブランクス……世界シェア1位。
  • フォトレジスト……世界シェア2位。なお、1位はJSR(日本)。
  • シリコーン樹脂……世界シェア4位、国内1位。
  • 合成石英……世界シェア1位。
  • 合成性フェロモン……世界シェア1位。
  • メチルセルロース……世界シェア2位、国内首位。

出所:信越化学2016年資料より。

半導体「シリコンウエハー」業界シェア

シリコンウェハーの市場シェアを比較
年度 信越化学工業
(日本)
SUMCO
(日本)
グローバルウェハーズ
(台湾)
シルトロニック
(ドイツ)
SKシルトロン
(韓国)
2018年 30% 27% 17% 15% 11%
2020年 33% 25% 17% 13% 12%
出所:2018年-2020年はシルトロニック社(ドイツ)の決算報告より売上高基準の成績。
  • ウエハー業界トップの信越化学工業は、最先端向けで絶対的存在。TSMC、インテル、サムスンなどは、信越のウエハーを採用しないと歩留り(良品率)が上がらない。
  • 信越は世界で最も品質が良いウエハーを供給できるため、顧客との商談も有利に進む。また、顧客とは長期契約のもとで販売する事から、値崩れしにくい。ウエハー事業の利益率は、業界5社の中で最も安定。
  • 多結晶シリコンをもとに単結晶シリコンを製造する核心過程を完全ブラックボックス化。技術が他者に漏れる事がないとされる。中国や韓国への技術流出は絶対にないと信じたい。
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