ソニーフィナンシャルG/生命･損保･銀行の業績･利益率の推移

SONYの金融事業「ソニーフィナンシャルグループ」の売上推移

• 1979年、米国プルデンシャル生命保険との合弁会社が、現在のソニー生命保険のルーツ。アメリカの金融業界の巨大さに影響を受けた創業者、盛田昭夫氏の提案で金融業に参入。
• 1987年、プルデンシャルと合弁解消し、1991年に「ソニー生命」に改称。1996年にソニーの完全子会社となる。
• ソニー損保は1998年設立。ソニー銀行は2001年に設立。
• ソニーフィナンシャルグループの業績のほとんどが「ソニー生命」がもたらす。2022年度のソニーFGにおける経常収益と経常利益のうち、それぞれ89.1%、76.9%がソニー生命によるもの。一方、ソニー損保やソニー銀行の収益規模はわりと小さい。
• 2023年5月、将来的にソニーFGをソニー本体から分離する可能性があると発表。

ソニーFGの財政･経営状況

• 顧客から預かった返済義務があるお金は負債科目であるため、金融業は一般に自己資本比率が低くなる。
• 2022年度のソニーフィナンシャルグループの総資産20兆197億円のうち、ソニー生命の総資産は15兆2317億円で、全体からの割合は76.1%。

中核のソニー生命の業績推移

• 保険料収入の一部を、証券投資、貸し付け、不動産投資などで運用。そのため、経常収益(全体の収入)と保険料収入(保険のみの収入)に開きがある。
• 保険契約件数も順調に伸びる。前年比較で契約件数が減少した年がない。

ソニー損保の成績

• 損害保険分野は、東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保の大手4社で日本国内9割のシェアを握る。
• ソニー損保のほとんどが「ダイレクト型(ネット型)自動車保険」による収益。代理店を通す事なく、ネットですべて完結するため保険料が安い。
• 近年、多発する台風や集中豪雨による洪水･河川氾濫により、車の浸水･故障件数が増加すると、保険金の支払い負担が多くなる。損害保険会社は、わりとこのダメージが大きい模様。
• 自動車保険の加入者は、親子間で同じ会社を選ぶ傾向がある。ソニー損保のようなダイレクト型自動車保険会社は、ネットを使いこなす若い世代の新規加入をコツコツ増やしていくしかない。
• ソニー損保は、テレビCMなどを活用し、継続的に新規加入者を呼び込む戦略。

ソニー銀行の業績推移

• ソニー銀行は、外貨サービスに強みをもつ。外貨預金、FX(外国為替証拠金取引)、外貨建て投資信託、外貨送金などが充実。
• ソニーブランドが好きな人や、資産運用を考える都市圏のビジネスマン世代に人気。