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大塚ホールディングスの業績推移:売上高・営業利益率・財務状況

大塚HDの連結決算:通年の売上推移

大塚ホールディングスの業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2008年 9559億円
(持株会社へ移行)
915億円
[9.6%]
471億円
[4.9%]
2009年 1兆843億円 985億円
[9.1%]
674億円
[6.2%]
2010年 1兆902億円 1175億円
[10.8%]
824億円
[7.6%]
2011年 1兆1546億円 1487億円
[12.9%]
922億円
[8.0%]
2012年 1兆2181億円 1697億円
[13.9%]
1224億円
[10.0%]
2013年 1兆4528億円 1987億円
[13.7%]
1510億円
[10.4%]
2014年 1兆2243億円
(本決算期変更で9か月間の成績)
1965億円
[16.1%]
1431億円
[11.7%]
2015年 1兆4274億円 1489億円
[10.4%]
1020億円
[7.1%]
2016年 1兆1955億円 1011億円
[8.5%]
926億円
[7.7%]
2017年 1兆2400億円 1042億円
[8.4%]
1125億円
[9.1%]
2018年 1兆2920億円 1083億円
[8.4%]
925億円
[7.2%]
2019年 1兆3962億円 1766億円
[12.6%]
1272億円
[9.1%]
2020年 1兆4228億円 1986億円
[14.0%]
1481億円
[10.4%]
2021年 1兆4983億円 1545億円
[10.3%]
1255億円
[8.4%]
2022年 1兆7380億円 1503億円
[8.6%]
1340億円
[7.7%]
2023年 2兆185億円 1396億円
[6.9%]
1216億円
[6.0%]
出所:大塚ホールディングス。本決算は12月末。
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平均利益率

大塚ホールディングスの2008年から2022年までの営業利益率の平均は11.2%。

会社の動向

  • 1921年に「大塚製薬工場」として徳島県鳴門市で創業。1950年に「大塚化学」を設立。1963年に「大鵬薬品」を設立。1964年に「大塚製薬」を設立。
  • 2008年、持株会社への移行により、大塚製薬の株式移転のもとで大塚ホールディングス設立。大塚製薬、大塚製薬工場(製品の生産)、大鵬薬品、大塚食品、大塚化学などを完全子会社として横並びで保有する形へ。
  • 医療分野では、精神疾患など中枢神経系の治療薬に強み。また、抗がん剤の創薬にも実績。その他、循環器、感染症、眼科、皮膚病などの様々な疾患の開発に注力中。
  • 大塚製薬/大鵬薬品の利益の柱となる医薬品は、抗精神薬「エビリファイ」、抗精神薬「レキサルティ」、経口水利尿薬「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」、抗結核剤「デルティバ」など。
  • ポカリスエット、オロナミンC、カロリーメイト、チオビタドリンクなども大塚グループ商品。ポカリは世界展開に挑戦。また、ニキビ治療薬として有名な「オロナインH軟膏」なども大塚製薬の製品。
  • 2022年度の売上高1兆7380億円のうち、医療関連の売上高は1兆1379億円。全体比率65.5%。
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大塚HDの財政・経営状況

大塚ホールディングスの財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2010年 1兆5896億円
[3873億円]
4264億円
[924億円]
1兆1632億円
[72.4%]
2015年 2兆5753億円
[4606億円]
8479億円
[3148億円]
1兆7274億円
[67.1%]
2020年 2兆6278億円
[3569億円]
7444億円
[2261億円]
1兆8834億円
[71.7%]
2021年 2兆8209億円
[4107億円]
7757億円
[2125億円]
2兆452億円
[72.5%]
2022年 3兆1027億円
[4716億円]
8402億円
[1942億円]
2兆2625億円
[72.9%]
2023年 3兆3612億円
[5133億円]
9249億円
[2141億円]
2兆4363億円
[72.5%]
  • 現金/現金同等物が有利子負債を上回る実質無借金経営。大塚HDの財務問題はなし。
  • 大塚HDの2023年11月時点の株式時価総額は約3兆1000億円。比較として、武田薬品は6兆6700億円、第一三共は7兆7600億円、アステラスが3兆2200億円、エーザイが2兆3100億円。

連結社員数と研究開発投資について

大塚ホールディングスの連結従業員数、平均年収、設備投資費、研究開発費の推移
年度 従業員数(連結) 平均年収 設備投資費 研究開発費
2010年 25188人 1197万円 442億円 1645億円
2015年 30638人 1116万円 5239億円 2010億円
2020年 33151人 992万円 1228億円 2168億円
2022年 33482人 1040万円 1393億円 2752億円
  • 2022年度の大塚グループ内の連結従業員数が33482人。比較として、武田薬品は49095人、第一三共は17435人、アステラス数は14484人、エーザイは11076人。
  • 2015年に急増した設備投資費(5232億円)は、2014年に買収した米国アバニア社関連によるものが大きい。(のれん等無形固定資産への投資を含む)
  • 医薬品の製造の他、健康食品、一般食品、飲料などを手掛けるため、国内競合よりも設備投資費が多い傾向。
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日本と世界の製薬会社の研究開発費を比較

大塚ホールディングスと国内/世界の製薬企業の研究開発費の推移(2010年以降)
企業 2010年/研究開発費
[売上比率(%)]
2015年/研究開発費
[売上比率(%)]
2022年/研究開発費
[売上比率(%)]
大塚HD 1645億円
[15.1%]
2010億円
[14.1%]
2752億円
[15.8%]
武田薬品 2889億円
[20.4%]
3459億円
[19.1%]
6333億円
[15.7%]
第一三共 1943億円
[20.1%]
2087億円
[21.2%]
3416億円
[26.7%]
アステラス 2173億円
[22.8%]
2257億円
[16.4%]
2761億円
[18.2%]
エーザイ 1450億円
[18.9%]
1223億円
[22.3%]
1729億円
[23.2%]
中外製薬 547億円
[14.4%]
819億円
[16.4%]
1437億円
[11.4%]
塩野義製薬 509億円
[18.0%]
497億円
[16.0%]
1023億円
[24.0%]
ファイザー
(アメリカ)
94.13億ドル
[13.9%]
76.90億ドル
[15.7%]
114.30億ドル
[11.4%]
ロシュ
(スイス)
90.50億スイスフラン
[19.1%]
93.32億スイスフラン
[19.4%]
140.53億スイスフラン
[22.2%]
メルク
(アメリカ)
111.11億ドル
[24.2%]
67.04億ドル
[17.0%]
135.48億ドル
[22.9%]
ノバルティス
(スイス)
90.70億ドル
[17.6%]
89.35億ドル
[18.1%]
99.96億ドル
[19.8%]
アッヴィ
(アメリカ)
24.95億ドル
[16.0%]
42.85億ドル
[18.7%]
65.10億ドル
[11.2%]
イーライリリー
(アメリカ)
48.84億ドル
[21.2%]
47.96億ドル
[24.0%]
71.90億ドル
[25.2%]
出所:各メーカーの有価証券報告書。
  • 大塚グループの研究開発費は、日本国内で3位~4位クラス。
  • 日本勢では、武田薬品が世界レベルの研究開発費をもつ。

国内製薬メーカーの平均年収の比較

大塚ホールディングスと国内競合企業の平均年収の推移(2010年以降)
企業 2010年 2015年 2020年 2022年
大塚HD 1197万円 1116万円 992万円 1040万円
武田薬品 925万円 960万円 1077万円 1097万円
第一三共 975万円 1092万円 1117万円 1119万円
アステラス 1001万円 1069万円 1051万円 1061万円
エーザイ 1094万円 1093万円 1042万円 1050万円
塩野義製薬 801万円 890万円 903万円 910万円
中外製薬 931万円 935万円 1100万円 1214万円
出所:各メーカーの有価証券報告書の提出会社データ。
  • 大塚グループを含め、日本の製薬メーカーの平均年収は横並び感がある。
  • ロシュ(スイス)傘下の中外製薬は外資系であるためなのか、やや平均年収が高い。外資系なので雇用の流動性が高いかと思いきや、平均勤続年数は16年10か月とわりと長い。
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収益構造・セグメント別の成績

大塚ホールディングスの売上内訳:部門別の業績推移
部門 2010年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2016年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2022年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
医療関連 7212億円
[1344億円/18.6%]
7530億円
[920億円/12.2%]
1兆1379億円
[1519億円/13.3%]
ニュートラシューティカルズ
(健康食品)
2518億円
[179億円/7.1%]
3116億円
[325億円/10.4%]
4370億円
[542億円/12.4%]
消費者関連
(食品/飲料水)
474億円
[-21億円/-4.4%]
355億円
[55億円/15.5%]
359億円
[71億円/19.8%]
その他 1065億円
[44億円/4.1%]
1413億円
[78億円/5.5%]
1692億円
[90億円/5.3%]
出所:大塚ホールディングス。調整額を含まないデータ。
  • 医療関連……大塚製薬の4つのグローバル製品の2022年度の売上高は、持続性抗精神病薬「エビリファイ」が1654億円、抗精神病薬「レキサルティ」が1691億円、V2-受容体拮抗剤「ジンアーク/サムスカ」が2272億円、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」が575億円。それぞれ売上が伸長。
  • ニュートラシューティカルズ……健康食品部門。主にビタミン/ミネラルなどのサプリメント「ネイチャーメイド」ブランドの売上。国内人口が伸びない中でも成長。
  • 消費者関連……食品、飲料など。ポカリスエット、オロナミンC、カロリーメイト、SOYJOY(大豆食品)などの売上。スポーツドリンクとして有名なポカリスエットはアジアを中心に世界展開を目指し、順調に売上を伸ばす。ポカリの成功は投資家からの期待値が高い。

国内と海外の売上比率

大塚ホールディングスの国別/地域別の売上高と全体比の推移
国/地域 2010年/売上高
[全体比(%)]
2016年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
日本 5747億円
[52.7%]
6240億円
[52.2%]
6547億円
[37.7%]
北米 3742億円
[34.3%]
3092億円
[25.9%]
6835億円
[39.3%]
欧州 1413億円
[13.0%]
2623億円
[21.9%]
1732億円
[10.0%]
その他 2266億円
[13.0%]
海外売上
(合計)
5155億円
[47.3%]
5715億円
[47.8%]
1兆833億円
[62.3%]
  • 大塚の決算報告によると、全世界で売上が伸びているとされる。
  • 人口減少、薬価の引き下げ、後発品への移行などが進む日本市場においても、食品、飲料、サプリメント関連の売上が伸びている事で、全体的に売上は成長。
  • アメリカ市場の成長が高い。主に、大塚のグローバル医薬品の売上が伸びている事によるもの。
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