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LGディスプレイの業績推移:売上・営業利益率・純利益・財務状況

LG Displayの連結決算:通年の売上推移

LGディスプレイの業績推移:売上高・営業利益率・純利益の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2000年 2兆3620億ウォン 6770億ウォン
[28.7%]
5430億ウォン
[23.0%]
2001年 2兆3380億ウォン -2660億ウォン
[-11.4%]
-2950億ウォン
[-12.6%]
2002年 3兆5670億ウォン 2990億ウォン
[8.4%]
3480億ウォン
[9.7%]
2003年 6兆980億ウォン 1兆1220億ウォン
[18.4%]
1兆70億ウォン
[16.5%]
2004年 8兆3250億ウォン 1兆7600億ウォン
[21.1%]
1兆7040億ウォン
[20.5%]
2005年 10兆760億ウォン 4780億ウォン
[4.7%]
5420億ウォン
[5.4%]
2006年 10兆6240億ウォン -8820億ウォン
[-8.3%]
-6930億ウォン
[-6.5%]
2007年 14兆3520億ウォン 1兆4780億ウォン
[10.3%]
1兆3440億ウォン
[9.4%]
2008年 16兆2740億ウォン 1兆2340億ウォン
[7.6%]
9050億ウォン
[5.6%]
2009年 20兆380億ウォン 6950億ウォン
[3.4%]
1兆1180億ウォン
[5.6%]
2010年 25兆5115億ウォン 1兆3104億ウォン
[5.1%]
1兆1563億ウォン
[4.5%]
2011年 24兆2912億ウォン -9243億ウォン
[-3.8%]
-7712億ウォン
[-3.2%]
2012年 29兆4296億ウォン 9123億ウォン
[3.1%]
2332億ウォン
[0.8%]
2013年 27兆330億ウォン 1兆1633億ウォン
[4.3%]
4261億ウォン
[1.6%]
2014年 26兆4555億ウォン 1兆3572億ウォン
[5.1%]
9042億ウォン
[3.4%]
2015年 28兆3838億ウォン 1兆4906億ウォン
[5.3%]
9665億ウォン
[3.4%]
2016年 26兆5040億ウォン 1兆2896億ウォン
[4.9%]
9067億ウォン
[3.4%]
2017年 27兆7902億ウォン 2兆4616億ウォン
[8.9%]
1兆9370億ウォン
[7.0%]
2018年 24兆3365億ウォン -929億ウォン
[-0.4%]
-1794億ウォン
[-0.7%]
2019年 23兆4755億ウォン -1兆3594億ウォン
[-5.8%]
-2兆8720億ウォン
[-12.2%]
2020年 24兆2301億ウォン -291億ウォン
[-0.1%]
-706億ウォン
[-0.3%]
2021年 29兆8780億ウォン 2兆2289億ウォン
[7.5%]
1兆3323億ウォン
[4.5%]
2022年 26兆1518億ウォン -2兆850億ウォン
[-8.0%]
-3兆716億ウォン
[-11.7%]
LGディスプレイの2000年から2022年までの営業利益率の平均が4.7%。比較として、サムスンディスプレイの2003年から2022年までの営業利益率の平均が9.7%。シャープ液晶パネル部門の2009年から2022年までの営業利益率の平均が-1.9%
  • LGディスプレイは、韓国の財閥LGグループのディスプレイメーカー。LGエレクトロニクスが株式38%をもつ株式上場企業。
  • オランダのフィリップスとの合弁により、LGはブラウン管テレビや液晶パネルの技術を獲得していく。その後、フィリップスの撤退により、合弁をLGが引き継ぐ。
  • 2009年から2017年まで、液晶パネルの出荷量首位だったが、2018年から中国BOEに逆転される。
  • 2018年から赤字を出しているが、中国や台湾メーカーとの価格競争が激しくなっている事が要因。
  • 2021年は、コロナ巣篭り需要により、世界的にテレビやパソコンの需要が急増。それにより、業績が一時的に改善。
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LG Displayの財政・経営状況

LGディスプレイの総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2000年 3兆4120億ウォン 1兆5450億ウォン 1兆8670億ウォン
[54.7%]
2005年 13兆6170億ウォン
[1兆5795億ウォン]
6兆430億ウォン
[3兆6025億ウォン]
7兆5740億ウォン
[55.6%]
2010年 23兆8580億ウォン
[3兆1340億ウォン]
12兆7970億ウォン
[4兆6439億ウォン]
11兆610億ウォン
[46.4%]
2015年 22兆5770億ウォン
[2兆5240億ウォン]
9兆8720億ウォン
[4兆2243億ウォン]
12兆7050億ウォン
[56.3%]
2020年 35兆660億ウォン
[4兆2968億ウォン]
22兆3345億ウォン
[14兆3199億ウォン]
12兆7314億ウォン
[36.3%]
2021年 38兆1545億ウォン
[4兆2849億ウォン]
23兆3920億ウォン
[12兆7725億ウォン]
14兆7625億ウォン
[38.7%]
2022年 35兆6860億ウォン
[3兆5473億ウォン]
24兆3668億ウォン
[15兆1116億ウォン]
11兆3192億ウォン
[31.7%]
  • 中国メーカーの台頭により、業績悪化。同時に財務も悪化傾向。

社員数の推移

LGディスプレイの全従業員数の推移
2010年 2015年 2020年 2022年
46705人 49205人 63360人 69656人
  • 2020年度は、全従業員63360人のうち、53336人が製造工場作業員、技術者が7541人、営業職が1432人、管理職が1051人とされる。
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生産用途別の売上高と売上比率

LGディスプレイの目的別パネル販売額(2010年以降)
生産用途 2010年/売上高
[全体比(%)]
2015年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
テレビ向け
ディスプレイ
14.07兆ウォン
[55.2%]
10.85兆ウォン
[38.2%]
6.98兆ウォン
[26.5%]
PC向け
ディスプレイ
9.81兆ウォン
[38.5%]
7.06兆ウォン
[24.9%]
11.20兆ウォン
[42.5%]
モバイル向け
ディスプレイ
1.61兆ウォン
[6.3%]
10.42兆ウォン
[36.7%]
8.15兆ウォン
[30.9%]
  • 意外にも、テレビ向けのディスプレイパネルの売上が減少傾向。
  • LGは、テレビ向けの大型有機EL(OLED)ディスプレイで独占的な存在だが、やはりライバルが価格が安い液晶であり、その液晶は中国、台湾、日本の各メーカーとの競争が激しいため、思うほど売上高が伸びない。
  • なお、LGのOLEDを採用してテレビを販売するメーカーは世界で15社あるという。(日経クロステックより)
  • スマートフォン向けの有機ELパネルを強化中。Appleへのサプライヤーとしてサムスンに代わる存在を目指す。

海外売上比率

LGディスプレイの国・地域別の売上高の推移(2010年以降)
国/地域 2010年/売上高
[全体比]
2015年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
韓国 1.70兆ウォン
[6.7%]
2.61兆ウォン
[9.9%]
0.68兆ウォン
[2.6%]
中国 14.07兆ウォン
[55.2%]
15.77兆ウォン
[59.6%]
17.43兆ウォン
[66.7%]
アジア 2.75兆ウォン
[10.8%]
2.41兆ウォン
[9.1%]
2.80兆ウォン
[10.7%]
北米 2.85兆ウォン
[11.2%]
2.02兆ウォン
[7.7%]
3.08兆ウォン
[11.8%]
ヨーロッパ 4.12兆ウォン
[16.2%]
2.99兆ウォン
[11.3%]
2.38兆ウォン
[9.1%]
  • LGディスプレイの韓国向けの売上がかなり低い。これはテレビやスマートフォンの組み立て生産のほとんどが他国に流れている事が理由。韓国人が利益重視の判断をした結果。
  • 売上高のほとんどが中国向け。中国にはテレビ用の有機ELパネル工場をもつ。また、中国にはスマートフォンやテレビ、パソコンなどの製造・販売を行うメーカーや、受託製造企業(EMSメーカー)の工場がたくさん存在し、そこに外販している。台湾のフォックスコンやペガトロンなどがそれに当たる。
  • LGエレクトロニクスの海外のテレビ工場が、インドネシア(アジア)、メキシコ(北米)、ポーランド(ヨーロッパ)にある事から、それら地域への売上比率もそこそこ高い。
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液晶分野は利益が出にくい

液晶パネル業界において中国企業が台頭してきたのが2012年~2014年ごろ。そのあたりからのLGディスプレイの営業利益率を、競合のサムスンディスプレイ、シャープ(ディスプレイ部門)、ジャパンディスプレイと共に確認。

韓国と日本のディスプレイメーカーの営業利益率の推移(2012年以降)
年度 LGディスプレイ サムスンディスプレイ シャープ
(ディスプレイ部門)
ジャパンディスプレイ
2012年 3.1% 9.7% -16.4% 6.1%
2013年 4.3% 10.0% 4.2% 3.6%
2014年 5.1% 2.5% 3.3% 0.7%
2015年 5.3% 8.3% -16.4% 1.1%
2016年 4.9% 8.2% 0.4% 2.1%
2017年 8.9% 15.6% 3.4% -8.6%
2018年 -0.4% 8.0% 2.8% -4.3%
2019年 -5.8% 5.0% 1.3% -7.6%
2020年 -0.1% 7.3% 0.2% -7.7%
2021年 7.5% 14.0% 2.4% -2.9%
2022年 -8.0% 17.3% -8.7% -16.4%
出所:各メーカーの決算書より。
  • 2018年から赤字が続くLGディスプレイは、近年は大型有機ELパネルで利益を出すが、液晶の収益性がとにかく悪い。
  • サムスンディスプレイの液晶事業の収益性は、2020年まで悪化傾向だったが、高シェアで高利益を出すモバイル向け有機ELディスプレイ部門が全体の業績をカバー。
  • シャープとジャパンディスプレイは中国メーカーとの競争が激しい液晶分野で戦っているため利益率が悪い。
  • 中国は、世界の製造工場を中国に集中させたい野望があり、国内のディスプレイメーカーに多額の補助金や優遇措置を出している。
  • 例として、中国のディスプレイメーカートップのBOEは、10年間で約2000億円の補助金を受け、生産工場やその土地を中国地方政府が負担。さらに製造における電気代や水道代も無料だとされる。
  • 韓国や日本企業と比較すると中国メーカーは約7割のコストで製造できるとされ、そのため中国が参入した液晶分野は利益が出にくい。

メーカーごとの収益性改善策

  • LGディスプレイ……液晶パネル生産を縮小。付加価値の高い有機ELパネルにシフト中。2019年に中国でテレビ用有機EL工場を起ち上げ、供給量拡大へ。
  • サムスンディスプレイ……2020年、中国にある大型液晶パネル工場を中国「CSOT」に売却すると発表。液晶パネルから完全撤退。今後はスマートフォンなどのモバイル向け有機ELパネルに注力する見込み。しかし、その分野も中国BOEが急激に追い上げており、将来的な利益率悪化が心配されている。
  • シャープ……大阪の堺工場(SDP)を完全子会社化。サムスンが大型液晶から撤退、LGディスプレイも大型液晶を縮小し、競争原理が弱くなったとしての判断。液晶は市場規模が縮小しているため新参企業がなく、競合も積極的な増産投資を控えているが、シャープはそのスキを狙う模様。
  • ジャパンディスプレイ……数々の工場を閉鎖・売却。スマートフォンは有機ELにシフトしているため、モバイル向け液晶は縮小。今後は需要が安定している自動車向けやノートパソコン向け液晶パネルに注力。
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こんなに多い中国のディスプレイメーカー

韓国のLGディスプレイやサムスンディスプレイは、有機ELに注力しているが、その分野に入り込む中国ディスプレイメーカーはたくさんある。

  • BOE
  • Tianma(天馬微電子)
  • TCL CSOT(TCLグループ)
  • Ever Display Optronics
  • Visionox

上記のメーカーは、有機ELパネル(OLED)に注力しており、韓国勢を追撃する見通し。韓国のディスプレイ産業の将来に暗雲。

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