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ソニーの映画/アニメ事業の業績推移:売上高・営業利益率の推移

ソニーピクチャーズ(映画事業)の売上推移

ソニーの映画事業の業績推移:売上高・営業利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
1997年 6431億円 355億円
[5.5%]
1998年 5457億円 429億円
[7.9%]
1999年 4920億円 386億円
[7.8%]
2000年 5552億円 43億円
[0.8%]
2001年 6358億円 313億円
[4.9%]
2002年 8028億円 590億円
[7.3%]
2003年 7564億円 352億円
[4.7%]
2004年 7337億円 639億円
[8.7%]
2005年 7459億円 274億円
[3.7%]
2006年 9663億円 427億円
[4.4%]
2007年 8579億円 540億円
[6.3%]
2008年 7175億円 299億円
[4.2%]
2009年 7052億円 428億円
[6.1%]
2010年 6000億円 387億円
[6.5%]
2011年 6577億円 341億円
[5.2%]
2012年 7327億円 478億円
[6.5%]
2013年 8296億円 516億円
[6.2%]
2014年 8787億円 585億円
[6.7%]
2015年 9381億円 385億円
[4.1%]
2016年 9031億円 -805億円
[-8.9%]
2017年 1兆111億円 411億円
[4.1%]
2018年 9869億円 546億円
[5.5%]
2019年 1兆119億円 682億円
[6.7%]
2020年 7530億円 799億円
[10.6%]
2021年 1兆2389億円
(8月 アニメ配信「クランチロール」買収完了)
2174億円
[17.5%]
2022年 1兆3694億円 1193億円
[8.7%]
2023年 1兆4931億円 1177億円
[7.9%]
出所:SONY
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平均利益率

ソニーの映画事業の1997年から2022年までの営業利益率の平均が5.8%。

会社の動向

  • 1989年に米国コロンビア・ピクチャーズ(映画会社)を49億ドルで買収。1991年にソニー・ピクチャーズ・エンタテイメントに変更し、映画事業をグローバル展開。
  • 2016年の営業赤字(-805億円)は1989年に買収したコロンビア・ピクチャーズの営業権の減損(1121億円)計上によるもの。
  • 2020年の売上低下は、コロナ蔓延による影響。世界的に映画館向けの収入が大幅減少。しかし営業利益率10.6%の黒字を確保。動画配信サービス向けの売上で補った形。
  • 映画著作権を多く保有し、コロナ問題が起こっても「ネットフリックス」「Amazonプライム」などのWeb動画配信向けの収益でカバーできるのがソニーの強み。今後も優良な版権の確保を進める。
  • 近年は、特にアニメ関連に注力中。企画、制作、配給、動画配信などを強化し、それに付随した音楽やゲーム関連へのシナジー効果を促す。
  • 2021年8月、ソニーはアメリカのアニメ配信サービス「クランチロール(Crunchyroll)」を約1300億円で買収。
  • 2022年8月、アニメグッズ販売の米国大手ライトスタッフ(Right Stuf)をソニーが買収。アニメキャラクターグッズの販売も強化。
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ソニーを含むビッグ5の業績を比較

アメリカ映画会社「ビッグ5」の2021年~2022年度の業績を比較
映画会社 2021年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2022年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
ソニー 1兆2389億円
[2174億円/17.5%]
1兆3694億円
[1193億円/8.7%]
ワーナーブラザーズ 121.91億ドル
[20.12億ドル/16.5%]
138.00億ドル
ユニバーサル 94.48億ドル
[8.83億ドル/9.3%]
116.23億ドル
[9.42億ドル/8.1%]
ウォルト・ディズニー 73.45億ドル
[5.66億ドル/7.7%]
81.47億ドル
[-2.02億ドル/-2.5%]
パラマウント 30.70億ドル
[3.67億ドル/12.0%]
37.06億ドル
[2.72億ドル/7.3%]
出所:各企業の決算報告。
  • アメリカの映画会社は、再編により「ビッグ5」といわれる大手5社を中心とした業界に集約。ソニーを含むビッグ5で、北米映画市場の約8割を占めるとされる。
  • ソニーピクチャーズの有名作品は「スパイダーマン」「メン・イン・ブラック」「007」「ゴーストバスターズ」など。
  • ワーナーブラザーズは「スーパーマン」「バットマン」「マトリックス」「ハリーポッター」などの有名シリーズをもつ。
  • ユニバーサル・ピクチャーズの有名代表作は「E.T」「ジェラシックパーク」「ワイルド・スピード」など。「スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の配給もユニバーサル。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のマリオエリアも成功。
  • ウォルト・ディズニーは、2019年に20世紀フォックスを買収し、映画著作権の規模拡大。「白雪姫」「眠れる森の美女」「101匹わんちゃん」などのアニメーションの他、「パイレーツ・オブ・カリビアン」「スターウォーズ」などをもつ。また、単独で動画配信サービス「ディズニープラス」も手掛ける。
  • パラマウントの代表作は「ミッション・インポッシブル」「インディージョーンズ」「ゴッド・ファーザー」「ローマの休日」など。ビッグ5のうち売上規模が小さいが、アメリカで2番目に古い映画会社だけあって有名遺産も多い。

買収したクランチロールが順調

ソニーピクチャーズによって2021年8月に買収が完了したアニメ専門配信サービス「クランチロール」は、その後も順調に有料会員数が増加。

クランチロールの有料会員数とユーザー数の推移(2017年以降)
年/月 有料会員数 ユーザー数
2017年7月 100万人
2019年3月 200万人
2021年4月 400万人 1億人
2021年8月 500万人
2022年12月 1000万人
2023年7月 1200万人 1億2000万人
  • 全世界で有料会員数2億人以上をもつ「ネットフリックス」と比較すると、クランチロールの有料会員数は少ない。しかし、アニメファンのコアな特徴をもとにした特化性の高いサブスクビジネスはとても魅力的。
  • 実写映画では「主演俳優の不祥事やスキャンダル」が作品にマイナス影響される心配があるが、アニメの場合はその現象は小さい。声優さんのスキャンダルはちらほらあるが、メディア露出が低いため大きく話題になりにくい。つまり、アニメは時代の変化によって作品イメージが変化する現象が起こりにくい。
  • 現在でもドラゴンボール人気が世界的に続いているように、アニメは同じ作品でも長く好まれる傾向がある。長期的に収益性をもたらす事が、ソニーがアニメに注力する理由の一つでもあるはず。
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アニメ・音楽・ゲームとの連動

  • ソニーは、完全子会社にアニメの企画・制作・配給などを手掛ける「アニプレックス」をもつ。また、アニプレックスは、ゲーム制作やキャラクターフィギュアなども手掛ける。
  • アニプレックスの傘下に、アニメ制作会社「クローバーワークス」「A-1 Pictures」を保有。それらもアニプレ完全子会社、つまりソニーの100%関連会社。
  • アニメと連動して、ソニーが保有する音楽事業や、ゲーム事業などと連携できる相乗効果がある。アニソンやプレステ向けゲームなど。
  • ソニーのアニメ関連は、企画、製作、アニメ主題歌(音楽)、配給、動画配信(クランチロール)、フィギュア/グッズ販売、ゲーム(プレステ/スマホアプリ)など、ほとんどのエリアを網羅する。

大ヒットした劇場版「鬼滅の刃」無限列車編もアニプレックスが制作を手掛けた事により、映画館向け収入、ソニーミュージック所属LISAの「炎」のヒット、プレステ向けゲーム(鬼滅の刃:血風剣戟ロワイアル)、フィギア販売、動画配信など、ソニーにとって多くの収益をもたらしている。

アニプレックスの業績推移を東映アニメーションと比較

ソニーのアニメ制作子会社「アニプレックス」の業績推移:売上高・営業利益率を「東映アニメーション」と比較
年度 アニプレックス/売上高
[営業利益/利益率(%)]
東映アニメーション/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2021年 1790億円
[362億円/20.2%]
570億円
[181億円/31.8%]
2022年 1526億円
[296億円/19.4%]
874億円
[286億円/32.7%]
出所:SONY
  • アニプレックスは、ソニーが1995年に設立したSPE・ミュージックパブリッシングがルーツ。2003年にアニプレックスに商号変更。
  • 資本的にはソニー・ミュージックエンタテインメントグループの傘下企業。
  • 業界内では、両社の収益性/利益率は特に高い。上場企業の東映アニメーションは2021年9月頃に、株式時価総額が1兆円越えとなった。
  • アニメ制作会社は、ヒット作があるかどうかで業績が大きく変化する。ソニーは、東映アニメーションが版権をもつドラゴンボールのような長期的に大きな収益性をもたらすコンテンツを確保したい。
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