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電機メーカー業績ランキング2021

【2021年】電機メーカー業績ランキング:売上・利益率を比較

2021年の電機メーカー10社の業績まとめ

【2021年度】日本の大手電機メーカー業績まとめ:売上高ランキング
順位 メーカー
[売上高・収益]
営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
1位 日立
[10兆2646億円]
7382億円
[7.2%]
5834億円
[5.7%]
2位 ソニー
[9兆9215億円]
1兆2023億円
[12.1%]
8822億円
[8.9%]
3位 パナソニック
[7兆3888億円]
3575億円
[4.8%]
2553億円
[3.5%]
4位 三菱電機
[4兆4767億円]
2521億円
[5.6%]
2034億円
[4.5%]
5位 富士通
[3兆5868億円]
2192億円
[6.1%]
1826億円
[5.1%]
6位 キヤノン
[3兆5133億円]
2819億円
[8.0%]
2147億円
[6.1%]
7位 東芝
[3兆3369億円]
1589億円
[4.8%]
1947億円
[5.8%]
8位 ダイキン
[3兆1091億円]
3163億円
[10.2%]
2177億円
[7.0%]
9位 NEC
[3兆141億円]
1710億円
[5.7%]
1672億円
[5.5%]
10位 シャープ
[2兆4955億円]
847億円
[3.4%]
857億円
[3.4%]
出所:それぞれ各メーカーの決算短信より。
  • アベノミクス前と比較すると、どのメーカーも利益率が安定化。ソニーとダイキンは、営業利益率10%超え。
  • 製造業は利益率5%が合格ラインだと言われる中、利益率5%を下回っているのはパナソニック(4.8%)、東芝(4.8%)、シャープ(3.4%)の3社のみ。
  • キヤノンの利益率8.0%は高いが、リーマンショック前の2007年は16.8%の利益率だった。
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アベノミクス前の業績と比較

日本の電機メーカーは、業績不振に陥っていたアベノミクス前と比較してどのくらい回復したか。2012年と2021年度を比較。

大手電機メーカーのアベノミクス前(2012年)の売上高・営業利益率を2021年度と比較
企業 2012年/売上高
[営業利益:営業利益率(%)]
2021年/売上高
[営業利益:営業利益率(%)]
日立 9兆410億円
[4220億円/4.7%]
10兆2646億円
[7382億円/7.2%]
ソニー 6兆7955億円
[2265億円/3.3%]
9兆9215億円
[1兆2023億円/12.1%]
パナソニック 7兆3030億円
[1609億円/2.2%]
7兆3888億円
[3575億円/4.8%]
三菱電機 3兆5671億円
[1520億円/4.3%]
4兆4767億円
[2520億円/5.6%]
富士通 4兆3817億円
[882億円/2.0%]
3兆5868億円
[2192億円/6.1%]
キャノン 3兆4797億円
[3238億円/9.3%]
3兆5133億円
[2819億円/8.0%]
東芝 5兆7222億円
[920億円/1.6%]
3兆3369億円
[1589億円/4.8%]
ダイキン 1兆2909億円
[886億円/6.9%]
3兆1091億円
[3163億円/10.2%]
NEC 3兆716億円
[1146億円/3.7%]
3兆140億円
[1709億円/5.7%]
シャープ 2兆4785億円
[-1462億円/-5.9%]
2兆4955億円
[847億円/3.4%]
出所:それぞれ各メーカーの決算報告書。
  • 大手電機メーカーは、俗に言う「選択と集中」を進め、どの企業も業績が安定化。
  • 2012年と比較して売上高が減っているのは、10社の中で、富士通、東芝、NECの3社のみ。富士通やNECは、モバイルからの撤退やパソコン事業の縮小などが要因。東芝は、財務悪化によるメディカルや家電、メモリ事業などの売却が要因。
  • 10社の中で、キヤノンだけが利益率が低下。アベノミクスによる日経平均株価の上昇と反比例してキヤノンの印刷関連事業やカメラ事業の低迷が続いた。
  • 2021年度のソニーの営業利益率は2012年比較で3.7倍。今後も日本のエレクトロニクスメーカー業績トップ独走が続く見込み。

2012年~2021年までの利益率アップの動向

  • 日立……選択と集中のもとで相乗効果が低く利益率が低い子会社を次々と完全売却、または出資分の一部売却。M&Aを活用しながら海外展開を進める。利益率が高いルマーダ事業(製造や物流のデジタル化事業)の成長がカギ。
  • ソニー……パソコン、ディスプレイ製造、バッテリーなどの製造部門の多くから撤退。そして、元々保有していたゲーム事業、映画事業、音楽事業、金融事業、半導体事業が波にのり、日本の電機メーカートップの利益率へ。
  • パナソニック……9万人ほどの従業員リストラの他に、プラズマテレビや液晶パネル製造の撤退などにより利益率改善。今後は既存事業を伸ばす見込み。三洋電機を買収した2010年頃は「売上高10兆円を目標」としていたが、売上規模ではなく利益率向上を目指す。年間営業利益5000億円が直近の目標。
  • 三菱電機……2012年以降、企業買収や事業売却などの再編の動きが少なかった三菱。既存事業が安定的に成長し、利益率も若干の上昇。2012年(4.3%)→2021年(5.6%)。
  • 富士通……携帯・スマホ事業、半導体事業、パソコン事業などの製造関連を縮小、または撤退。そして、情報通信サービスに注力。その結果、売上規模は減少したが利益率は改善へ。今後は利益率10%を目指す意向。
  • キヤノン……世界的なペーパーレス化・電子化により、昔と比べて利益率は低下傾向。しかし、印刷・オフィス関連事業やカメラ事業、半導体製造装置など、抱える事業の市場シェアが高いため、まだまだ高い利益率を確保。
  • 東芝……医療事業、家電事業、半導体メモリ事業(現キオクシア)などの売却が続き、全体売上高は減少。しかし、まだまだ良い事業をたくさん保有しており、今後はその優秀な既存事業を伸ばす見込み。
  • ダイキン……中核の空調事業が世界的なシェアを確保。知的財産(特許)や技術でも優位性があり、競合が多い中で利益率10%でビジネスができる存在。2012年に米国グッドマンを買収し、成長するアメリカ市場を取り込んだ事が好業績に直結。
  • NEC……ディスプレイ、携帯電話、パソコンなどの製造関連を縮小、または撤退した事で売上高は減少。損失を出すような体質から脱却し、中核の情報通信事業・ネットワーク事業に注力した事で、安定的な利益率を確保へ。
  • シャープ……エレクトロニクス製品の「製造」に強みをもつ台湾EMS(製造受託メーカー)のホンハイ精密工業傘下となり、液晶パネル製造、テレビ製造、家電製造などのスケールメリットが拡大。液晶パネル分野でのライバルの撤退が相次いだ背景もあり、利益率が安定化。
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