2021年度のグローバル家電メーカーの業績
順位 | 企業 | 売上高(円換算) | 営業利益 [営業利益率(%)] |
---|---|---|---|
1位 | 美的集団 (中国) | 6兆8246億円 | 4957億円 [7.3%] |
2位 | サムスン (韓国) | 5兆5830億円 | 3650億円 [6.5%] |
3位 | ハイアール (中国) | 4兆5421億円 | 2685億円 [5.9%] |
4位 | LGエレクトロニクス (韓国) | 4兆4329億円 | 3300億円 [7.4%] |
5位 | パナソニック (日本) | 3兆6476億円 | 1136億円 [3.1%] |
6位 | ダイキン (日本) | 3兆1091億円 | 3163億円 [10.2%] |
7位 | ワールプール (米国) | 2兆8580億円 | 3051億円 [10.7%] |
8位 | ソニー (日本) | 2兆3392億円 | 2129億円 [9.1%] |
9位 | 三菱電機 (日本) | 1兆6730億円 | 926億円 [5.5%] |
10位 | エレクトロラックス (スウェーデン) | 1兆6332億円 | 884億円 [5.4%] |
11位 | ハイセンス (中国) | 1兆2160億円 | 500億円 [4.1%] |
12位 | グループセブ (フランス) | 1兆1283億円 | 1001億円 [8.9%] |
13位 | アイリスオーヤマ (日本) | 8100億円 | 515億円 [6.4%] |
14位 | フィリップス (オランダ) | 4774億円 | 819億円 [17.2%] |
15位 | デロンギ (イタリア) | 4510億円 | 671億円 [14.9%] |
16位 | シャープ (台湾/日本) | 4461億円 | 482億円 [10.8%] |
17位 | 日立 (日本) | 3966億円 | 250億円 [6.3%] |
18位 | アイロボット (アメリカ) | 2034億円 | -1.30億円 [-0.1%] |
19位 | 東芝ライフ (中国/日本) | 1433億円 | 54億円 [3.8%] |
20位 | 山善 (日本) | 1048億円 | 58億円 [5.5%] |
21位 | 象印 (日本) | 776億円 | 63億円 [8.1%] |
22位 | バルミューダ (日本) | 183億円 | 15億円 [8.2%] |
出所:各メーカーの決算報告より、1ドル=130円、1ユーロ=140円、1スウェーデンクローナ=13円、1人民元=20円、1ウォン=0.1円で換算。LGエレクトロニクスは、白物家電部門とテレビ部門を合計した数値。アイリスオーヤマは経常利益の成績。デロンギの営業利益はEBITDAのデータ。
2021年度の概要として、ステイホーム特需(コロナ巣篭り需要)により、世界的に家電の売上が良く、全体的に多くのメーカーの業績は好調だった。
- 1位の中国の美的グループは、「Midea」のロゴで白物家電世界トップ。中国国内だけではなく、ヨーロッパや南米、アジアで販売強化。中国では保守的な世論が強くなっており、自国メーカーを優先して購入している影響ありそう。なお、日本では2016年に東芝の家電事業を傘下に収め、東芝ブランドで販売。出資比率は「美的80.1%」「東芝19.9%」。
- 2位の韓国サムスン電子は、大まかに全体の60%ほどがテレビなどの売上で、残りの40%程度が生活家電の販売。テレビは中国メーカーの追い上げで伸び悩み、エアコンなど空調においても苦戦ぎみ。
- 3位の中国ハイアールは、日本では旧三洋電機の家電事業を買収し「アクア」ブランドで展開。2016年にGEの家電部門も買収。今のところ安売りなので利益率が低いが、手掛ける多くの製品でシェアが伸びている。
- 4位の韓国LG電子は、冷蔵庫や洗濯機などで販売好調。特に北米向けの大型冷蔵庫に強み。
- 5位のパナソニックは、日本の政界家電メーカー売上トップ。持株会社に移行し、家電事業の改革も決行。利益率を高める事に奮闘。
- 6位のダイキンは、全世界中に渡ってシェアを確保し、株価も好調。2012年の米国グッドマン買収でアメリカ市場で波に乗る。
- 7位の米国ワールプールは、冷蔵庫や料理家電に強み。ほとんどが北米での売上。
- 8位のソニーは、テレビ、カメラ、スマホの売上部門。大型テレビは、韓国サムスンと韓国LG電子に次いで世界3位のシェア。カメラはミラーレスが好調。スマホは停滞ぎみ。
- 9位の三菱電機は、冷蔵庫、エアコンに強み。インバーターなど中核部品を内製化している事が強み。
- 10位のエレクトロラックスはスウェーデンの会社。白物家電や調理家電でヨーロッパで存在感あり。
- 11位の中国ハイセンスは、特に安価なテレビでグローバル市場で販売を伸ばす。日本でも家電量販店でハイセンスのテレビや冷蔵庫を見かけるようになった。
- 自動掃除ロボット「ルンバ」を手掛けるiRobot(アイロボット)のみが営業赤字。中国メーカーのキャッチアップで販売が伸び悩み、さらに研究開発費にコストがかかっている模様。
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営業利益/利益率ランキング
順位 | 営業利益ランキング | 利益率ランキング |
---|---|---|
メーカー [営業利益(円換算)] |
メーカー [営業利益率(%)] |
|
1位 | 美的集団(中国) [4957億円] |
フィリップス(オランダ) [17.2%] |
2位 | サムスン(韓国) [3650億円] |
デロンギ(イタリア) [14.9%] |
3位 | LG電子(韓国) [3300億円] |
シャープ(台湾/日本) [10.8%] |
4位 | ダイキン(日本) [3163億円] |
ワールプール(米国) [10.7%] |
5位 | ワールプール(米国) [3051億円] |
ダイキン(日本) [10.2%] |
6位 | ハイアール(中国) [2685億円] |
ソニー(日本) [9.1%] |
7位 | ソニー(日本) [2129億円] |
グループセブ(フランス) [8.9%] |
8位 | パナソニック(日本) [1136億円] |
バルミューダ(日本) [8.2%] |
9位 | グループセブ(フランス) [1001億円] |
象印(日本) [8.1%] |
10位 | 三菱電機(日本) [926億円] |
LG電子(韓国) [7.4%] |
11位 | エレクトロラックス(スウェーデン) [884億円] |
美的集団(中国) [7.3%] |
12位 | フィリップス(オランダ) [819億円] |
サムスン(韓国) [6.5%] |
13位 | デロンギ(イタリア) [671億円] |
アイリスオーヤマ(日本) [6.4%] |
14位 | アイリスオーヤマ(日本) [515億円] |
日立(日本) [6.3%] |
15位 | ハイセンス(中国) [500億円] |
ハイアール(中国) [5.9%] |
16位 | シャープ(日本/台湾) [482億円] |
三菱電機(日本) [5.5%] |
17位 | 日立(日本) [250億円] |
山善(日本) [5.5%] |
18位 | 象印(日本) [63億円] |
エレクトロラックス(スウェーデン) [5.4%] |
19位 | 山善(日本) [58億円] |
ハイセンス(中国) [4.1%] |
20位 | 東芝ライフ(中国/日本) [54億円] |
東芝ライフ(中国/日本) [3.8%] |
21位 | バルミューダ(日本) [15億円] |
パナソニック(日本) [3.1%] |
22位 | アイロボット(米国) [-1.30億円] |
アイロボット(米国) [-0.1%] |
出所:各メーカーの決算報告より、1ドル=130円、1ユーロ=140円、1スウェーデンクローナ=13円、1人民元=20円、1ウォン=0.1円で換算。LGエレクトロニクスは、白物家電部門とテレビ部門を合計した数値。アイリスオーヤマは経常利益の成績。デロンギの営業利益はEBITDAのデータ。
- 利益率トップはオランダのフィリップス(利益率17.2%)。特に欧州におけるブランド力の他、製品の他社への委託生産の割合が高い事でリスクを低減。
- 利益率2位のイタリアのデロンギは、得意の調理家電に注力している事が高い利益率(14.9%)の理由。デザインが良く、ヨーロッパではブランド力が高い。
- 利益率3位はシャープ。2021年度は利益率10.8%と高い。液晶パネルの不振のイメージで、全体的に利益率も低いイメージがあったが、生活家電部門においては以前からそこそこの利益を確保していた。台湾ホンハイ傘下となり、製造の相乗効果がもたらされている。
- グループセブ(フランス)の利益率は8.9%。調理家電が中核。傘下にティファールをもつ。
- 象印の利益率は8.1%。魔法瓶から炊飯器、調理器具などに特化し、注力品の生産性を高める事に専念。なお、象印の炊飯器は中国人に人気。
- アイリスオーヤマは、日本では低価格イメージがあるが、それでも利益率6.4%を確保。パナソニックなどと比較して、開発費や人件費がかなり少ない模様。
- パナソニックは、コロナ巣篭り需要時期でも利益率3.1%と低い。家電市場は世界的に競争が激しすぎるため、利益率5%を確保すれば十分とされるが、パナソニックは利益率5%を下回っている。中核の日本市場の販売手法を改革中。
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