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ファナックのロゴ

ファナックの業績推移:売上高・営業利益率・純利益の推移

FANUCの連結決算:通年の売上推移

ファナックの業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
1998年 2260億円 714億円
[31.6%]
431億円
[19.1%]
1999年 2090億円 636億円
[30.4%]
393億円
[18.8%]
2000年 2640億円 879億円
[33.3%]
472億円
[17.9%]
2001年 2164億円 523億円
[24.2%]
320億円
[14.8%]
2002年 2142億円 600億円
[28.0%]
395億円
[18.4%]
2003年 2648億円 859億円
[32.4%]
573億円
[21.6%]
2004年 3303億円 1202億円
[36.4%]
758億円
[22.9%]
2005年 3811億円 1406億円
[36.9%]
904億円
[23.7%]
2006年 4196億円 1629億円
[38.8%]
1068億円
[25.5%]
2007年 4684億円 1896億円
[40.5%]
1270億円
[27.1%]
2008年 3883億円 1344億円
[34.6%]
972億円
[25.0%]
2009年 2534億円 550億円
[21.7%]
375億円
[14.8%]
2010年 4462億円 1897億円
[42.5%]
1201億円
[26.9%]
2011年 5384億円 2218億円
[41.2%]
1388億円
[25.8%]
2012年 4983億円 1848億円
[37.1%]
1204億円
[24.2%]
2013年 4509億円 1641億円
[36.4%]
1109億円
[24.6%]
2014年 7297億円 2978億円
[40.8%]
2075億円
[28.4%]
2015年 6234億円 2155億円
[34.6%]
1597億円
[25.6%]
2016年 5369億円 1532億円
[28.5%]
1276億円
[23.8%]
2017年 7265億円 2296億円
[31.6%]
1819億円
[25.0%]
2018年 6355億円 1632億円
[25.7%]
1541億円
[24.2%]
2019年 5082億円 883億円
[17.4%]
733億円
[14.4%]
2020年 5512億円 1125億円
[20.4%]
940億円
[17.0%]
2021年 7330億円 1832億円
[25.0%]
1552億円
[21.2%]
2022年 8520億円 1914億円
[22.5%]
1706億円
[20.0%]
2023年 7952億円 1419億円
[17.8%]
1331億円
[16.7%]
出所:FANUC。本決算期は3月末。
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平均利益率

ファナックの1998年から2023年までの営業利益率の平均が31.2%。
比較として、安川電機の1997年から2023年までの営業利益率の平均が6.2%。

会社の動向

  • ファナックは、工場の自動化設備、産業ロボットなどに強みをもつ日本企業。1972年設立。イメージカラーの黄色ベースに赤のロゴが目印。
  • 「ファナックの森」といわれる山梨県本社工場で技術流出を防ぎながら、ほとんどの製品を集中生産。これが長年の高利益率の大きな理由。
  • 制御装置、サーボモータ、センサなどの中核部品を内製化しているところも高利益率に直結。
  • メンテナンス、保守サービスにも注力。全ての製品の「生涯保守」を宣言。これが顧客から選ばれる理由の一つ。
  • 長い実績と共に顧客との信頼関係を築いており、また、顧客メーカー側もファナックの装置を使い慣れている事も大きい。
  • ファナックの平均年収は1248万円(2021年度)。社員の年収が良い事も従業員の士気と技術流出阻止につながっている。
  • 利益率は低下傾向。一方、中核部品の外販を始めた競合の安川電機の利益率は上昇傾向。中国メーカーの台頭を含め、世界的に競争が激化。
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FANUCの財政・経営状況

ファナックの財務状況の推移:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2005年 9034億円
[4713億円]
1290億円
[なし]
7744億円
[85.7%]
2010年 1兆130億円
[5834億円]
1186億円
[なし]
8944億円
[87.9%]
2015年 1兆5128億円
[8316億円]
1769億円
[なし]
1兆3359億円
[87.8%]
2020年 1兆6251億円
[5779億円]
1896億円
[なし]
1兆4355億円
[87.7%]
2021年 1兆7839億円
[5746億円]
2341億円
[なし]
1兆5498億円
[86.1%]
2022年 1兆8735億円
[4770億円]
2459億円
[なし]
1兆6276億円
[86.9%]
出所:FANUC
  • ファナックの財務は、日本企業の中でもトップレベルで安定。
  • 現金/現金同等物も豊富で有利子負債もない無借金経営を継続。「絶対に借金しない」という哲学が実質的に存在するのかもしれない。

FANUCの社員数(連結)と開発投資について

ファナックの連結従業員数、平均年収、設備投資額、研究開発額の推移
年度 従業員数(連結) 平均年収 設備投資費 研究開発費
2005年 4560人 949万円 123億円 160億円
2010年 5060人 1077万円 98億円 155億円
2015年 6327人 1571万円 1133億円 345億円
2020年 8256人 1098万円 186億円 469億円
2023年 9970人 1238万円 524億円 498億円
出所:FANUC
  • 売上規模に対して研究開発費が高いが、それがファナックの成長の源。他社と比較して知的財産(特許)の競争力が高い理由も研究開発を大切にしてきた結果。
  • 全従業員の約3割が研究開発に携わっているとされる。
  • 2015年度の設備投資額が高いが、新工場建設や研究所の拡張が要因。
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国内/外国への収益割合

ファナックの海外売上比率:地域/国別の売上比率の推移(2005年以降)
年度 日本 米州 欧州 アジア その他
2005年 36.5% 20.9% 14.9% 27.2% 0.5%
2010年 24.8% 13.3% 11.2% 50.3% 0.5%
2015年 19.1% 22.9% 15.1% 42.4% 0.5%
2020年 15.0% 21.9% 15.5% 46.9% 0.7%
2023年 13.2% 28.6% 21.2% 35.7% 1.3%
出所:FANUC。米州とは北米/中米/南米を合わせた地域の事。
  • 2010年代の成長はアジア市場が牽引。販売先は特に中国の製造メーカーや台湾EMS企業。中核の自動車の他に、スマートフォン関連の機械装置の販売が好調だった。
  • 今後はEV向け設備投資の成長を見込む。特に中国は電気自動車シフトの勢いが強く、中国自動車メーカーのファナックへの引き合いは強い。
  • スマートフォンやパソコンの成長が頭打ちであり、それらへの設備投資が低迷する可能性あり。
  • ライバルのKUKA(ドイツ)やABB(スイス)など、たくさんの産業ロボットメーカーがあるヨーロッパで売上とシェアが増えている事が強み。

収益構造:セグメント別の成績

ファナックの売上内訳:部門別の売上と収益比率の推移(2005年以降)
年度 FA
[全体比率(%)]
ロボット
[全体比率(%)]
ロボットマシン
[全体比率(%)]
サービス
[全体比率(%)]
2005年 2099億円
[55.1%]
1082億円
[28.4%]
629億円
[16.5%]
2010年 2476億円
[55.5%]
779億円
[17.5%]
1205億円
[27.0%]
2015年 1702億円
[27.3%]
1882億円
[30.2%]
1830億円
[29.4%]
819億円
[13.1%]
2020年 1492億円
[27.1%]
2100億円
[38.1%]
1145億円
[20.8%]
775億円
[14.1%]
2023年 1803億円
[22.7%]
3809億円
[47.9%]
1033億円
[13.0%]
1305億円
[16.4%]
出所:FANUC
  • ファナックの売上の約4割が自動車向け。ほかには、スマートフォンやパソコン、半導体、物流関連の装置。
  • 産業用ロボットの世界シェア18.5%で市場首位。特に、自動車工場向け多関節ロボットに強み。
  • 工作機械用CNC装置(コンピューター数値制御装置)の世界シェア約5割で首位。日本国内となるとシェア7割。
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ライバルとの業績比較

産業ロボット世界4大メーカーとの業績比較
メーカー 2012年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
2021年/売上高
[営業利益/利益率(%)]
ファナック 4983億円
[1848億円/37.1%]
7330億円
[1832億円/25.0%]
安川電機 3103億円
[130億円/4.2%]
4790億円
[528億円/11.0%]
ABB(スイス)
(ロボット部門)
94.04億ドル
[17.35億ドル/18.4%]
32.97億ドル
[3.54億ドル/10.7%]
KUKA(ドイツ)
(ロボット部門)
17.38億ユーロ
[1.09億ユーロ/6.2%]
10.20億ユーロ
[0.61億ユーロ/6.0%]
出所:各メーカーの決算報告より。2012年のABBはセグメントが違う事に注意。
  • ファナックは競合と比較して利益率が圧倒的に高い。多くの製品で、他社よりも高い生産性、高品質、高性能、豊富な特許をもつという事。おもてなしの保守サービスも忘れがたい。
  • 北九州に本社をおく安川電機も、独自の制御装置をもち、サーボモータ、インバータなどの中核部品を内製化しているが、それでもファナックほどの利益率は出せていない。
  • スイスABBのロボットは、自動車生産向けが多い。国別では中国向けのボリュームが大きく、中国では産業ロボットでトップシェアとされる。
  • ドイツのKUKAは、ドイツの自動車メーカー向けの自動ロボットが中核。フォルクスワーゲンとの提携を強化し、自動運転車や電気自動車向けの開発を急ぐ。
  • なお、KUKAは2016年に中国の家電メーカー「美的集団」に買収されており、今後は中国の製造業が強みをもつ製品(スマートフォン、パソコン、家電など)向けの産業ロボットにも注力していく模様。なお、美的集団は2016年に東芝の家電事業も買収。
  • 日本の産業ロボットメーカーは他にも、不二越、三菱電機、川崎重工業、オムロン、ヤマハ、デンソーウェーブ、芝浦機械、ダイヘン、FUJI、パナソニックなど多数。そして、部品を手掛けるメーカーも多数。ロボット産業の生態系が頑丈なのが日本の強み。
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