Applied Materialsの連結決算:通年の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1990年 | 5.67億ドル | – | 0.34億ドル [6.0%] |
1991年 | 6.38億ドル | – | 0.26億ドル [4.1%] |
1992年 | 7.51億ドル | 0.68億ドル [9.1%] | 0.39億ドル [5.2%] |
1993年 | 10.80億ドル | 1.60億ドル [14.8%] | 0.99億ドル [9.2%] |
1994年 | 16.59億ドル | 3.39億ドル [20.4%] | 2.20億ドル [13.3%] |
1995年 | 30.61億ドル | 6.94億ドル [22.7%] | 4.54億ドル [14.8%] |
1996年 | 41.44億ドル | 9.04億ドル [21.8%] | 5.99億ドル [14.5%] |
1997年 | 43.15億ドル | 6.90億ドル [16.0%] | 5.32億ドル [12.3%] |
1998年 | 43.30億ドル | 3.88億ドル [9.0%] | 2.77億ドル [6.4%] |
1999年 | 50.96億ドル | 9.32億ドル [18.3%] | 7.47億ドル [14.7%] |
2000年 | 95.64億ドル | 27.47億ドル [28.7%] | 20.63億ドル [21.6%] |
2001年 | 73.43億ドル | 9.30億ドル [12.7%] | 5.08億ドル [6.9%] |
2002年 | 50.62億ドル | 2.10億ドル [4.1%] | 2.69億ドル [5.3%] |
2003年 | 44.77億ドル | -3.14億ドル [-7.0%] | -1.49億ドル [-3.3%] |
2004年 | 80.13億ドル | 17.64億ドル [22.0%] | 13.51億ドル [16.9%] |
2005年 | 69.92億ドル | 14.48億ドル [20.7%] | 12.10億ドル [17.3%] |
2006年 | 91.67億ドル | 20.21億ドル [22.0%] | 15.16億ドル [16.5%] |
2007年 | 97.35億ドル | 23.72億ドル [24.4%] | 17.10億ドル [17.6%] |
2008年 | 81.29億ドル | 13.55億ドル [16.7%] | 9.60億ドル [11.8%] |
2009年 | 50.13億ドル | -3.93億ドル [-7.8%] | -3.05億ドル [-6.1%] |
2010年 | 95.00億ドル | 13.75億ドル [14.5%] | 9.38億ドル [9.9%] |
2011年 | 105.17億ドル | 23.98億ドル [22.8%] | 19.26億ドル [18.3%] |
2012年 | 87.19億ドル | 4.11億ドル [4.7%] | 1.09億ドル [1.3%] |
2013年 | 75.09億ドル | 4.32億ドル [5.7%] | 2.56億ドル [3.4%] |
2014年 | 90.71億ドル | 15.19億ドル [16.7%] | 10.72億ドル [11.8%] |
2015年 | 96.59億ドル | 16.92億ドル [17.5%] | 13.77億ドル [14.3%] |
2016年 | 108.24億ドル | 20.64億ドル [19.1%] | 17.20億ドル [15.9%] |
2017年 | 145.37億ドル | 38.68億ドル [26.6%] | 35.19億ドル [24.2%] |
2018年 | 172.53億ドル | 47.96億ドル [27.8%] | 30.38億ドル [17.6%] |
2019年 | 146.08億ドル | 33.50億ドル [22.9%] | 27.06億ドル [18.5%] |
2020年 | 172.02億ドル | 43.65億ドル [25.3%] | 36.19億ドル [21.0%] |
2021年 | 230.63億ドル | 68.89億ドル [29.9%] | 58.88億ドル [25.5%] |
2022年 | 257.85億ドル | 77.88億ドル [30.2%] | 65.25億ドル [25.3%] |
2023年 | 265.17億ドル | 46.54億ドル [17.6%] | 68.56億ドル [25.9%] |
2024年 | 271.76億ドル | 78.67億ドル [28.9%] | 71.77憶ドル [26.4%] |
出所:Applied Materials。本決算期は10月末。
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平均利益率
アプライド・マテリアルズ(AMAT)の1992年から2022年までの営業利益率の平均が17.2%。比較として、東京エレクトロンの1999年から2021年までの営業利益率の平均が12.6%。
会社の動向
- アプライド・マテリアルズは、1967年設立のアメリカ半導体製造装置メーカー。略称「AMAT(読み:エーマット)」。
- AMATは、半導体製造装置業界で長い実績がある。そして多くの製品ラインナップを持っているため、顧客との商談も有利に進む。
- 2013年に東京エレクトロンとの経営統合を発表したが、結局はアメリカ政府の介入によって破断。その時期は微細化の進展が悲観されていた時期で、大手2社の統合が必要と考えられていた。
- 半導体の技術進展が止まってしまうと、AMATのような製造装置メーカーの成長も止まってしまう可能性に注意。
- 世界の半導体装置メーカーの業績推移
- ASML
- ラムリサーチ
- 東京エレクトロン
- SCREEN
- アドバンテスト
- KLAコーポレーション
- テラダイン
- DISCO
- サムスン/SEMES
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Applied Materialsの財政・経営状況
年度 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
1990年 | 5.58億ドル | 2.58億ドル [0.53億ドル] |
3.00億ドル [53.8%] |
1995年 | 29.65億ドル | 11.81億ドル [2.79億ドル] |
17.84億ドル [60.2%] |
2000年 | 105.45億ドル [16.47億ドル] |
34.41億ドル [5.84億ドル] |
71.04億ドル [67.4%] |
2005年 | 112.69億ドル [9.90億ドル] |
23.40億ドル [4.07億ドル] |
89.29億ドル [79.2%] |
2010年 | 109.43億ドル [25.85億ドル] |
34.07億ドル [2.05億ドル] |
75.36億ドル [68.9%] |
2015年 | 153.08億ドル [49.65億ドル] |
76.95億ドル [33.42億ドル] |
76.13億ドル [49.7%] |
2020年 | 223.53億ドル [57.38億ドル] |
117.75億ドル [54.48億ドル] |
105.78億ドル [47.3%] |
2021年 | 258.25億ドル [54.59億ドル] |
135.78億ドル [54.52億ドル] |
122.47億ドル [47.4%] |
2022年 | 267.26億ドル [25.81億ドル] |
145.32億ドル [54.57億ドル] |
121.94億ドル [45.6%] |
- 長年に渡る安定した業績により、フリーキャッシュフロー(会社が自由に使えるお金)を積極的に株主還元してきた実績がある。また、同時に自社株買いによる株主還元の実績も多い。
- AMATは、株主を優先するため会社にはお金は残らないが、今のところ業績が良いので資金調達に関連した問題はない。
AMATの全社員数とR&Dの推移
年度 | 従業員数(連結) | 設備投資費 | 研究開発費 |
---|---|---|---|
2010年 | 14300人 | – | 11.43億ドル |
2015年 | 15500人 | – | 14.51億ドル |
2020年 | 24000人 | – | 22.34億ドル |
2023年 | 34000人 | – | 31.02億ドル |
- 2020年度のAMATの従業員数は24000人。比較として、ラムリサーチは11300人。東京エレクトロンは14479人。
- 最先端工場向けの技術サポートや装置メンテナンス業務などへの社員が増えている。
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事業ポートフォリオ
半導体製造装置/売上高 [全体比(%)] |
サービス/売上高 [全体比(%)] |
ディスプレイ製造装置/売上高 [全体比(%)] |
---|---|---|
187.97億ドル [72.9%] |
55.43億ドル [21.5%] |
13.31億ドル [5.2%] |
- 「サービス」の売上高は、半導体メーカーへの技術サポートや装置メンテナンスによる収益。
- AMATは、東京エレクトロンと同じようにディスプレイ関連の製造装置も手掛ける。しかし、両社ともその分野への売上は少ない。
半導体製造装置の収益構造:売上の内訳
企業 | ロジック/その他 | DRAM | NANDフラッシュメモリ |
---|---|---|---|
AMAT | 66% | 19% | 15% |
東京エレクトロン | 47% | 19% | 34% |
出所:Applied Materials。東京エレクトロンは2021年度のデータ。
- アプライドマテリアルズは、特に最先端ロジック半導体向けの売上比率が高い。
- 最先端の製造装置は技術難易度が高く、競合が限られるため、メーカーにとって収益性が良い。
AMATが強みをもつ製造装置
出所:JBpress/湯之上隆。(一部ポジテン編集)
- アプライドマテリアルズがシェアをもつ半導体製造装置は、CVD装置/PVD装置、ドライエッチング装置、イオン注入装置、CMP装置、パーティクル検査装置、欠陥検査装置、マスク検査装置、計測装置(測長SEM)など。
- 特にCVD装置/PVD装置などに強み。またドライエッチング装置、計測/検査装置などは市場規模が大きい事から、AMATの売上高にも貢献。
- 手掛ける装置の中で市場規模が大きいのが、ドライエッチング装置の約190億ドル、パーティクル検査装置が約70億ドル、CVD装置の約49億ドル。(すべて2021年度)。
- 露光装置など一部を除いて「AMATはほとんどの製造装置をカバー」「半導体製造装置のデパート」と言われたりするが、実際はシェアをとれていない分野も多い。洗浄装置などがそれに該当。
- なお、アメリカ企業は市場規模が大きい分野に注力する傾向があるが、一方、日本メーカーは市場規模が小さい分野でも、忍耐強く開発を続けるのが強み。
地域別/国別の成績
国/地域 | 2012年/売上高 [全体比(%)] |
2017年/売上高 [全体比(%)] |
2022年/売上高 [全体比(%)] |
---|---|---|---|
アメリカ | 19.95億ドル [25%] |
14.74億ドル [10%] |
31.04億ドル [12%] |
欧州 | 8.17億ドル [10%] |
8.16億ドル [6%] |
16.73億ドル [7%] |
日本 | 6.00億ドル [7%] |
15.18億ドル [10%] |
20.21億ドル [8%] |
台湾 | 21.55億ドル [27%] |
32.91億ドル [23%] |
62.62億ドル [24%] |
中国 | 4.03億ドル [5%] |
27.46% [19%] |
72.54億ドル [28%] |
韓国 | 17.84億ドル [22%] |
40.52億ドル [28%] |
43.95億ドル [17%] |
東南アジア | 2.83億ドル [4%] |
6.40億ドル [4%] |
10.84億ドル [4%] |
- 2022年度で、AMATの売上高が最も多い国は中国。成長率が最も高く、2012年と2022年を比較すると中国向け売上は18倍に成長。
- 台湾向けは、主にTSMCやUMCなどのファウンドリーが中心。アプライドマテリアルズにとってTSMCは超大口顧客。メーカー別で言えば、TSMCへの売上が最も多い。
- アメリカはインテル向けが中心。なお、アメリカ政府が半導体製造メーカーを米国内に呼び込もうとしているため、今後はアメリカ向けの売上が増える事になる。
- 日本への売上は、キオクシア、ルネサス、ソニー、マイクロン(広島工場)などが中心。
- 韓国向けは、サムスンとSKハイニックスへの売上。特に、サムスンは最先端プロセスサイズのファウンドリー事業拡大に向けた設備投資が活発なので、比例してAMATの装置売上も多くなる。
- 東南アジアは、シンガポールがほとんど。製造受託のグローバルファウンドリーズ(米国)や、メモリ企業のマイクロン(米国)のNANDフラッシュメモリ工場がある。
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売上ランキング
出所:VLSI Research/Tech Insights
- アプライド・マテリアルズは、半導体製造装置業界で売上高トップを守り続ける存在。しかし、最先端ステッパー(露光装置)に強みをもつASML(蘭)の追い上げにより、トップが入れ替わる可能性あり。
- ランキング15社中、アメリカ企業はAMATを含め4社ランクイン。なお、日本企業は7社ランクイン。
- EUV露光装置を除けば、日本企業が手掛ける装置だけで半導体製造のほとんどをカバーできる。
- なお、AMATの製造装置は、日本企業の部品が多く使用されている。半導体製造装置の構成部品や、素材・材料市場などを含めると、この分野は日本企業が世界を席巻していたりする。
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