Softbank Groupの連結決算:通年の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1996年 | (1月 米国Yahooと共同でヤフー株式会社設立) | – | – |
1997年 | 5134億円 | 279億円 [5.4%] | 103億円 [2.0%] |
1998年 | 5282億円 (1月 東証一部上場) | 121億円 [2.3%] | 375億円 [7.1%] |
1999年 | 4232億円 | 84億円 [2.0%] | 84億円 [2.0%] |
2000年 | 3971億円 (アリババに20億円出資) | 164億円 [4.1%] | 366億円 [9.2%] |
2001年 | 4053億円 (ITバブル崩壊) (9月 YahooBB ADSL提供開始) | -239億円 [-5.9%] | -888億円 [-21.9%] |
2002年 | 4069億円 | -920億円 [-22.6%] | -1000億円 [-24.6%] |
2003年 | 5174億円 | -549億円 [-10.6%] | -1071億円 [-20.7%] |
2004年 | 8370億円 (7月 日本テレコム買収) (11月 プロ野球団買収) | -254億円 [-3.0%] | -599億円 [-7.2%] |
2005年 | 1兆1087億円 | 623億円 [5.6%] | 576億円 [5.2%] |
2006年 | 2兆5442億円 (3月 ボーダフォン買収) | 2711億円 [10.7%] | 288億円 [1.1%] |
2007年 | 2兆7762億円 (6月 米国で世界初のスマホiPhone登場) | 3243億円 [11.7%] | 1086億円 [3.9%] |
2008年 | 2兆6730億円 (7月 国内初のiPhone販売開始) | 3591億円 [13.4%] | 432億円 [1.6%] |
2009年 | 2兆7634億円 | 4659億円 [16.9%] | 967億円 [3.5%] |
2010年 | 3兆46億円 | 6292億円 [20.9%] | 1897億円 [6.3%] |
2011年 | 3兆2025億円 | 6753億円 [21.1%] | 3138億円 [9.8%] |
2012年 | 3兆3784億円 (10月 イーアクセス買収) | 7450億円 [22.1%] | 2894億円 [8.6%] |
2013年 | 6兆6667億円 (7月 米国スプリント買収) | 1兆854億円 [16.3%] | 5270億円 [7.9%] |
2014年 | 8兆5041億円 (9月 アリババNY上場) (8月 Y!mobileサービスを開始) | 9187億円 [10.8%] | 6684億円 [7.9%] |
2015年 | 9兆1535億円 | 9995億円 [10.9%] | 4742億円 [5.2%] |
2016年 | 8兆9010億円 (9月 英ARM買収完了) | 1兆260億円 [11.5%] | 1兆4263億円 [16.0%] |
2017年 | 9兆1588億円 | 1兆3038億円 [14.2%] | 1兆390億円 [11.3%] |
2018年 | 9兆6022億円 | 2兆3539億円 [24.5%] | 1兆4112億円 [14.7%] |
2019年 | 6兆1850億円 (10月 Zホールディングス設立) (11月 LINEと経営統合へ) | -1兆3646億円 [-22.1%] | -9616億円 [-15.5%] |
2020年 | 5兆6281億円 (4月 米スプリントとTモバイル合併) | 4兆9880億円 [88.6%] | |
2021年 | 6兆2215億円 (3月 格安プランLINEMO開始) | -1兆7080億円 [-27.5%] | |
2022年 | 6兆5704億円 (9月 ARMナスダック上場) | -9701億円 [-14.8%] | |
2023年 | 6兆7565億円 | -2276億円 [-3.4%] |
出所:ソフトバンク、ソフトバンクグループ。
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平均利益率
ソフトバンクグループの1997年から2019年までの営業利益率の平均が7.0%。
会社の動向
- ソフトバンクは1981年に設立。孫正義がシャープに自動翻訳機を売却して得た1億円をもとに、パソコン用ソフトの卸売業としてスタート。ソフトバンクとは「ソフトの銀行」のような意味。
- 1996年の米Yahooとの提携、2000年頃までのITバブルで日本一の億万長者となり話題に。そして、通信業界は王者NTTの対抗馬が求められていたが、ソフトバンクはそのチャンスをつかんでいく。
- 2000年に中国アリババへの出資した20億円が、2014年には約4000倍の約8兆円に大化け。孫正義はこの時のドーパミンが忘れられず、特に2010年代からリスクのある投資を繰り返すようになっていった。
- 2001年から展開した「YahooBB ADSL」は家電量販店などで積極展開。テレビCMなどのイメージキャラクターは当時旬の広末涼子さん。
- 2006年、英ボーダフォン買収により、携帯キャリア市場に参入。何もかも幸運が転がり込んで来たような時期だった。
- 2013年、米モバイル大手「スプリント」を216億ドルで買収。しかし、単独展開が難しく、2020年に独TモバイルUSとの合併後に経営から撤退。
- 2019年、韓国NAVERが手掛ける「LINE」「LINEペイ」などを手に入れるため、Zホールディングスを設立し、LINE事業と共にYahoo事業、PayPay事業などをNAVERとシェアする形へ。なお、Zホールディングスは2023年10月に「LINEヤフー」として再出発。
- 2020年のコロナショックで財務悪化し、2016年に買収した英ARMをNVIDIAに売却しようとしていたが断念。その後、2023年9月、英ARMの株式90%以上を残してナスダック上場。
- 傘下ARMの業績推移
- ARMの業績推移
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Softbank Groupの財政・経営状況
年度 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
2000年 | 1兆1461億円 [1591億円] |
6624億円 [4134億円] |
4243億円 [37.0%] |
2005年 | 1兆8084億円 [4467億円] |
1兆5656億円 [9053億円] |
2428億円 [13.4%] |
2010年 | 4兆6557億円 [8472億円] |
3兆7761億円 [2兆2761億円] |
8796億円 [18.9%] |
2015年 | 20兆7072億円 [2兆5696億円] |
17兆2019億円 [11兆9224億円] |
3兆5053億円 [16.9%] |
2020年 | 45兆7505億円 [4兆6627億円] |
33兆7949億円 [18兆5130億円] |
11兆9556億円 [26.1%] |
2021年 | 47兆5447億円 [5兆1690億円] |
23兆4554億円 [21兆4574億円] |
11兆7078億円 [24.6%] |
2022年 | 43兆9364億円 [6兆9252億円] |
33兆2872億円 [19兆4782億円] |
10兆6492億円 [24.2%] |
2023年 | 46兆7242億円 [6兆1868億円] |
33兆4870億円 [20兆5675億円] |
13兆2371億円 [28.3%] |
出所:ソフトバンクグループ
- 2022年時点で、有利子負債が純資産を遥かに上回る状況。世界各国はインフレによる金利高となっているが、日本まで金利が上がってくるとソフトバンクの経営はきつくなる。
- 財務問題が起これば、何か事業を売却する必要があるが、ARM、携帯事業、ブロードバンド事業などは安全保障の面で軽々しく売却はできない。
- また、韓国NAVERと出資シェアしているメディア事業(Yahoo/LINE)や金融(PayPay/クレカ)などにおいても、簡単に売却していいような話しではない。特にYahooを韓国企業に売却するのは許されない。世論誘導/情報操作されたり、YahooがKポップ情報だらけになってしまう可能性アリ。
連結社員数と研究開発投資について
年度 | 従業員数(連結) | 平均年収 | 設備投資費 | 研究開発費 |
---|---|---|---|---|
2005年 | 14182人 | 911万円 | 1489億円 | 37億円 |
2010年 | 21799人 | 1005万円 | 4206億円 | 9億円 |
2015年 | 63591人 | 1164万円 | 1兆1131億円 | 89億円 |
2020年 | 58786人 | 1405万円 | 8830億円 | 1781億円 |
2022年 | 63339人 | 1339万円 | 7991億円 | 3194億円 |
- 2022年度の設備投資費用は95.3%が携帯電話の基地局関連。
- 2022年度の研究開発費(3194億円)のうち、ARM事業の研究開発費が2078億円。全体比65.1%。
上場企業
- ソフトバンクグループ……単独投資会社や2017年設立のソフトバンク・ビジョンファンドなども含む全体。
- ソフトバンク……投資部門を除いた中核会社。モバイル、ブロードバンド、Yahoo/LINE、金融(PayPayなど)、ホークス球団など。
- LINEヤフー(旧Zホールディングス)……Yahoo、LINE事業、金融。
- ARM……2016年に買収したイギリスの半導体設計メーカー。米ナスダック上場。
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セグメント別の収益構造
年度 | モバイル/売上高 | ブロードバンド/売上高 | スマホ販売/売上高 |
---|---|---|---|
2014年 | 1兆9226億円 | 1297億円 | 6902億円 |
2015年 | 1兆9533億円 | 1770億円 | 7396億円 |
2016年 | 1兆8866億円 | 2689億円 | 7706億円 |
2017年 | 1兆5890億円 | 3163億円 | 7065億円 |
2018年 | 1兆6286億円 | 3610億円 | 6907億円 |
2019年 | 1兆6767億円 | 3838億円 | 5588億円 |
2020年 | 1兆6774億円 | 3996億円 | 5623億円 |
2021年 | 1兆6081億円 | 4046億円 | 6309億円 |
2022年 | 1兆5135億円 | 3968億円 | 5798億円 |
2023年 | 1兆5291億円 | 4051億円 | 6354億円 |
出所:ソフトバンクグループ、ソフトバンク
- モバイルの売上高は減少傾向。ユーザーがドコモやau、または格安simに移っているという事か。
- ブロードバンドは「ソフトバンク光」の契約件数の増加により、売上高は増加傾向だったが、頭打ち感はある。
- スマホ販売はiPhoneの買い替えサイクルが伸びている事で、売上高は年々減少傾向。スマホの性能が停滞している事が大きな要因。
LINEヤフー事業の業績
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] |
---|---|---|
2021年 | 1兆5215億円 | 1595億円 [10.5%] |
2022年 | 1兆5617億円 | 1597億円 [10.2%] |
2023年 | 1兆8146億円 | 2081億円 [11.5%] |
出所:ソフトバンクグループ、ソフトバンク
- 2022年度の売上高(1兆5617億円)のうち、メディア事業(主に広告収入)の売上が6339億円、コマース(ネットショッピング)の売上高は8346億円。
- メディア事業は、検索広告、ポータルサイト(Yahoo JAPAN)のディスプレイ広告、LINEの広告収入などがメイン。
- コマース事業は、Yahooショッピング、ヤフオク、アスクル、ZOZOタウンなど。
- YahooとLINE事業は、韓国NAVERと利益をシェアする形。
金融事業の業績
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] |
---|---|---|
2021年 | 675億円 | 144億円 [21.3%] |
2022年 | 1423億円 | -124億円 [-8.7%] |
2023年 | 2328億円 | -50億円 [-2.1%] |
出所:ソフトバンクグループ、ソフトバンク
- 金融事業は、PayPay、PayPayカード、SBペイメントサービス、PayPay証券などが中核。
- 金融は「PayPayブランド」で展開。これも韓国NAVERと利益をシェアする形。
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携帯電話の契約者数の推移
年度 | NTTドコモ | au | ソフトバンク | 楽天モバイル |
---|---|---|---|---|
2000年 | 3622万件 | 1099万件 | 998万件 | – |
2005年 | 5114万件 | 2544万件 | 1521万件 | – |
2010年 | 5801万件 | 3300万件 | 2541万件 | – |
2015年 | 7096万件 | 4591万件 | 3959万件 | – |
2020年 | 8263万件 | 6040万件 | 4562万件 | 433万件 |
2021年 | 8475万件 | 6211万件 | 4827万件 | 563万件 |
2022年 | 8749万件 | 6423万件 | 5129万件 | 506万件 |
2023年 | 8993万人 | 6780万人 | 5467万人 | 650万件 |
出所:電気通信事業者協会。ソフトバンクの成績において、2000年はJ-Phoneの契約者数、2005年はボーダフォンの契約者数。
- 2008年7月、日本国内でiPhoneがソフトバンクから独占販売開始。そこから数年は競合のドコモやauよりも契約者数の伸長率が高かった。
- auは2011年10月にiPhone販売開始。NTTドコモは2013年9月にiPhone販売開始。競合がiPhoneを販売するようになると、ソフトバンクの携帯契約数の成長率が低下していく。
- 2015年から2020年までの携帯契約者の増加数は、NTTドコモが1167万件の増加、auが1449万件の増加、ソフトバンクが603万件の増加。ソフトバンクの成長率が最も悪い。
ブロードバンドの契約件数の推移
年度 | ソフトバンク光 | YahooBB光 with フレッツ | YahooBB ADSL | 合計 |
---|---|---|---|---|
2010年 | – | – | 315.0万件 | 315.0万件 |
2015年 | 171.7万件 | 200.8万件 | 135.4万件 | 507.9万件 |
2020年 | 691.6万件 | 69.2万件 | 53.0万件 | 813.9万件 |
2022年 | 756.6万件 | 57.3万件 | 25.6万件 | 839.5万件 |
出所:ソフトバンク決算短信
- 「YahooBB ADSL」を開始したのが2001年9月。「SoftBank Air」を開始したのが2014年12月。「SoftBank 光」を開始したのが2015年3月。
- 2022年度のソフトバンク光の契約件数が756万件で光回線シェア20.3%。比較として、NTTフレッツ光の契約件数が2348万件で光回線シェア62.9%。
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