NTT docomoの連結決算:通年の売上推移
年度 | 売上高・収益 [携帯電話の契約者数] | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1997年 | 2兆6261億円 [1798万件] | 3727億円 [14.2%] | 1206億円 [4.6%] |
1998年 | 3兆1184億円 [2390万件] (10月 NTTドコモとして東証上場) | 5085億円 [16.3%] | 2048億円 [6.6%] |
1999年 | 3兆7187億円 [2936万件] (2月 iモード提供開始) | 5458億円 [14.7%] | 2521億円 [6.8%] |
2000年 | 4兆6860億円 [3622万件] | 7772億円 [16.6%] | 3655億円 [7.8%] |
2001年 | 5兆1671億円 [4101万件] (10月 FOMA提供開始) | 1兆9億円 [19.4%] | -1162億円 [-2.2%] |
2002年 | 4兆8091億円 [4415万件] | 1兆567億円 [22.0%] | 2125億円 [4.4%] |
2003年 | 5兆481億円 [4633万件] | 1兆1029億円 [21.8%] | 6500億円 [12.9%] |
2004年 | 4兆8446億円 [4882万件] | 7842億円 [16.2%] | 7476億円 [15.4%] |
2005年 | 4兆7659億円 [5114万件] | 8326億円 [17.5%] | 6105億円 [12.8%] |
2006年 | 4兆7881億円 [5262万件] | 7735億円 [16.2%] | 4573億円 [9.6%] |
2007年 | 4兆7118億円 [5339万件] (6月 米国で世界初のスマホiPhone登場) | 8083億円 [17.2%] | 4912億円 [10.4%] |
2008年 | 4兆4480億円 [5460万件] (7月 ソフトバンクからiPhone販売開始) | 8310億円 [18.7%] | 4719億円 [10.6%] |
2009年 | 4兆2844億円 [5608万件] | 8342億円 [19.5%] | 4978億円 [11.6%] |
2010年 | 4兆2243億円 [5801万件] | 8447億円 [20.0%] | 4905億円 [11.6%] |
2011年 | 4兆2400億円 [6013万件] (10月 auからiPhone販売開始) | 8745億円 [20.6%] | 4639億円 [10.9%] |
2012年 | 4兆4701億円 [6112万件] | 8372億円 [18.7%] | 4910億円 [11.0%] |
2013年 | 4兆4612億円 [6259万件] (9月 ドコモからiPhone販売開始) | 8192億円 [18.4%] | 4647億円 [10.4%] |
2014年 | 4兆3834億円 [6660万件] | 6391億円 [14.6%] | 4101億円 [9.4%] |
2015年 | 4兆5271億円 [7096万件] | 7830億円 [17.3%] | 5484億円 [12.1%] |
2016年 | 4兆5846億円 [7488万件] | 9447億円 [20.6%] | 6525億円 [14.2%] |
2017年 | 4兆7694億円 [7637万件] | 9733億円 [20.4%] | 7445億円 [15.6%] |
2018年 | 4兆8408億円 [7845万件] | 1兆136億円 [20.9%] | 6646億円 [13.7%] |
2019年 | 4兆6513億円 [8033万件] | 8547億円 [18.4%] | 5915億円 [12.7%] |
2020年 | 5兆8809億円 [8263万件] (12月 ドコモはNTTの完全子会社へ) | 1兆600億円 [18.0%] | 7496億円 [12.7%] |
2021年 | 5兆8702億円 [8475万件] (3月 低料金プランahamo開始) | 1兆725億円 [18.3%] | 7521億円 [12.8%] |
2022年 | 6兆590億円 [8750万件] | 1兆939億円 [18.1%] | 7718億円 [12.7%] |
2023年 | 61400億円 [8993万人] | 1兆1444億円 [18.6%] | 7951億円 [12.9%] |
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平均利益率
NTTドコモの1997年から2022年までの営業利益率の平均が18.2%。
競合との比較として、KDDIの携帯事業(au)の2018年から2022年までの営業利益率の平均が19.0%、ソフトバンクの携帯事業の2018年から2022年までの営業利益率の平均が20.6%。
競合との比較として、KDDIの携帯事業(au)の2018年から2022年までの営業利益率の平均が19.0%、ソフトバンクの携帯事業の2018年から2022年までの営業利益率の平均が20.6%。
会社の動向
- NTTが携帯電話事業を開始したのが1987年。なお、ポケットベルサービスの開始は1968年、自動車電話サービスの開始は1979年。
- 1992年、日本政府要請(1990年)による競争を促す目的で携帯電話事業をNTT本体から分離して出発。その後、NTTドコモとして1998年に株式上場。
- 2001年の最終赤字は、ITバブル崩壊によるもの。当時の株式市場は、情報通信関連銘柄が大暴落した。
- 2020年9月、NTTはドコモを完全子会社にすると発表。携帯電話市場においてNTTの過半シェアが崩れた事で日本政府が了承。KDDIやソフトバンクと同じように携帯事業が完全子会社となる。2020年12月に上場廃止へ。
- 2021年3月、低料金プラン「ahamo」の提供開始。菅政権の要請によるもの。料金設定は、新参の楽天モバイルの価格を意識。
- 親会社の成績
- NTT連結(全体)の業績推移
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NTT docomoの財政・経営状況
年度 | 総資産 [現金・手元資金] |
負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
2000年 | 5兆9112億円 [1184億円] |
2兆5964億円 [1兆2070億円] |
3兆3148億円 [56.1%] |
2005年 | 6兆3653億円 [8407億円] |
2兆3133億円 [7924億円] |
4兆520億円 [63.7%] |
2010年 | 6兆7916億円 [7656億円] |
1兆9140億円 [4284億円] |
4兆8776億円 [71.8%] |
2015年 | 7兆2141億円 [3544億円] |
1兆8710億円 [2222億円] |
5兆3431億円 [74.1%] |
2019年 | 7兆5359億円 [3987億円] |
2兆2636億円 [500億円] |
5兆2723億円 [69.7%] |
出所:NTTドコモ
- 競合のKDDIやソフトバンクの2000年代は財務が悪かったが、NTTドコモはその頃から強い財務をもっていた。
- 高い収益性が続いたため、多額の設備投資がかかる携帯電話事業においても有利子負債は少ない。高い利益率は、価格競争が進んでいなかった証拠とも言える。
- 王者NTTドコモとしては、KDDIやソフトバンクに多額な設備投資に備える収益力をもってもらう必要があったため、3社共に高い料金プランでサービスを行っていたが、いつまでも携帯料金が高止まりしていた。そして、2020年の菅政権要請の料金値下げに向かい、ドコモ「ahamo」、au「povo」、SB「LINEMO」などが誕生。
連結社員数と研究開発投資について
年度 | 従業員数(連結) | 平均年収 | 設備投資費 | 研究開発費 |
---|---|---|---|---|
2005年 | 21646人 | 804万円 | 8871億円 | 1105億円 |
2010年 | 22954人 | 812万円 | 7050億円 | 1091億円 |
2015年 | 26129人 | 865万円 | 5952億円 | 833億円 |
2019年 | 27558人 | 870万円 | 5728億円 | 928億円 |
2022年 | 47151人 | – | 7063億円 | 1299億円 |
出所:2019年までは有価証券報告書のデータ。それ以降はNTT。
- 設備投資費は、携帯基地局がメイン。KDDIやソフトバンクにおいても、投資コストに大きな差はない。
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収益構造:セグメント別の成績
部門 | 2021年/売上高 [売上比率(%)] |
2022年/売上高 [売上比率(%)] |
---|---|---|
通信サービス | 3兆6058億円 [61.4%] |
3兆5345億円 [58.3%] |
端末販売 | 6290億円 [10.7%] |
6860億円 [11.3%] |
システム インテグレーション |
5252億円 [8.9%] |
6095億円 [10.1%] |
その他 | 1兆1102億円 [18.9%] |
1兆2290億円 [20.3%] |
出所:NTT。NTTにおける「総合ICT事業セグメント」のデータ。
- 通信サービス……モバイル通信(docomoやahamoなど)と、固定通信(ドコモ光など)の合計。2022年度の内訳は、モバイル通信収入が2兆5962億円、固定通信収入が9383億円。
- 端末機器販売……スマートフォンの販売収益。
- システムインテグレーション収入……情報システム管理など。
- その他……金融部門、dポイント関連、dカード、dショッピングなどが該当。
NTTドコモの携帯電話契約者数を競合と比較
年度 | NTTドコモ | au | ソフトバンク | 楽天モバイル |
---|---|---|---|---|
2000年 | 3622万件 | 1099万件 | 998万件 | – |
2005年 | 5114万件 | 2544万件 | 1521万件 | – |
2010年 | 5801万件 | 3300万件 | 2541万件 | – |
2015年 | 7096万件 | 4591万件 | 3959万件 | – |
2020年 | 8263万件 | 6040万件 | 4562万件 | 433万件 |
2021年 | 8475万件 | 6211万件 | 4827万件 | 568万件 |
2022年 | 8749万件 | 6423万件 | 5129万件 | 506万件 |
2023年 | 8993万人 | 6780万人 | 5467万人 | 650万件 |
出所:電気通信事業者協会。すべて3月末時点のデータ。ソフトバンクの成績において、2000年はJ-Phoneの契約者数、2005年はボーダフォンの契約者数。
- NTTの携帯事業は1987年から開始され、2000年の段階で契約者数は3622万件。携帯キャリアシェア約6割強をもっていた王者NTTドコモとしては、他社にシェアをもってもらう必要があった。コンセンサスとしての理想的シェアは、NTTドコモのシェア40%台で、残りをKDDIとソフトバンクが分け合う形が理想とされていた。
- 2023年3月末時点の携帯キャリアシェアは、NTTドコモ(42.0%)、au/KDDI(30.9%)、ソフトバンク(24.7%)、楽天モバイル(2.4%)。トップ3社のシェアは、競争原理が定着したと言える形になった。
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