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2024年度グローバル自動車メーカー売上高・利益率まとめ
順位 | メーカー/売上高 [世界販売台数/世界シェア] |
営業利益 [営業利益率(%)] |
純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1位 | トヨタグループ 48兆367億円 [1101.1万台/12.4%] |
4兆7955億円 [10.0%] |
4兆7650億円 [9.9%] |
2位 | フォルクスワーゲンG 3246.56億ユーロ [903.7万台/10.2%] |
190.60億ユーロ [5.9%] |
107.21億ユーロ [3.3%] |
3位 | ゼネラルモーターズ 1874.42億ドル [600万台/6.7%] |
127.84億ドル [6.7%] |
71.89億ドル [3.8%] |
4位 | ステランティス 1568.78億ユーロ [568万台/6.4%] |
36.87億ユーロ [2.4%] |
54.73億ユーロ [3.5%] |
5位 | フォード 1849.92億ドル [447万台/5.0%] |
52.19億ドル [2.8%] |
58.79億ドル [3.2%] |
6位 | 中国BYD 7771.02億元 [427.2万台/4.8%] |
504.86億元 [6.5%] |
402.54億元 [5.2%] |
7位 | 韓国ヒョンデ 175.23兆ウォン [414.2万台/4.7%] |
14.24兆ウォン [8.1%] |
13.23兆ウォン [7.6%] |
8位 | ホンダ 21兆6887億円 [371.6万台/4.2%] |
1兆2134億円 [5.6%] |
8358億円 [3.9%] |
9位 | 日産 12兆6332億円 [334.6万台/3.8%] |
697億円 [0.6%] |
-6708億円 [-5.3%] |
10位 | スズキ 5兆8251億円 [324.0万台/3.6%] |
6428億円 [11.0%] |
4160億円 [7.1%] |
11位 | 韓国キア自動車 107.44兆ウォン [308.3万台/3.5%] |
12.66兆ウォン [11.8%] |
9.77兆ウォン [9.1%] |
12位 | BMWグループ 1423.80億ユーロ [245.0万台/2.8%] |
115.09億ユーロ [8.1%] |
76.78億ユーロ [5.4%] |
13位 | メルセデス・ベンツ 1455.94億ユーロ [238.9万台/2.7%] |
135.99億ユーロ [9.3%] |
102.07億ユーロ [7.0%] |
14位 | ルノー 562.32億ユーロ [226.4万台/2.5%] |
25.76億ユーロ [4.6%] |
8.91億ユーロ [1.6%] |
15位 | テスラ 976.90億ドル [178.9万台/2.0%] |
70.76億ドル [7.2%] |
71.30億ドル [7.3%] |
16位 | マツダ 5兆188億円 [130.3万台/1.5%] |
1861億円 [3.7%] |
1140億円 [2.3%] |
17位 | スバル 4兆6857億円 [93.6万台/1.1%] |
4053億円 [8.6%] |
3380億円 [7.2%] |
18位 | 三菱自動車 2兆7882億円 [84.2万台/0.9%] |
1388億円 [5.0%] |
409億円 [1.5%] |
出所:各メーカーの本決算報告。海外勢は1月~12月末の成績、日本勢は4月~3月末の本決算成績である事に注意。中国メーカーはBYDのみ選出。世界シェアはOICA(国際自動車工業会)発表による2024年度世界新車販売台数「8900万台」から割った数字。(ポジテン算出)
- 2024年度の日本車メーカー(トヨタ+ホンダ+日産+スズキ+マツダ+スバル+三菱)の販売台数合計が2439.4万台で世界シェア27.4%。
- ドイツ勢(VWグループ+BMW+M・ベンツ)が1387.6万台で世界シェア15.6%。
- アメリカ勢(GM+フォード+テスラ)が1225.9万台で世界シェア13.8%。
- 韓国勢(ヒョンデ+キア)が722.5万台で世界シェア8.1%。
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他年度ランキング & 各メーカー業績推移
- 他年度の業績ランク
- 2021年ランキング
- 2022年ランキング
- 2023年ランキング
2024年度の各メーカー成績
- 2024年度の日本車メーカー主要7社(トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、スバル、三菱)の販売台数の合計が前年比42.7万台減少の2439.4万台。減少要因は総じて中国市場で販売数を落とした事が影響。中国における対日世論悪化が背景にあるかもしれない。
- 2024年の新車販売台数トップはトヨタ自動車の1101.1万台で世界シェア12.4%。前年の1109万台から2万台増加し、世界シェアも2023年の12.0%から0.4%上昇。特にハイブリッド車が好調で444.1万台を売上。
- トヨタと資本関係があるスバル(93.6万台)、マツダ(130.3万台)、スズキ(324.0万台)を合計すると1649万台で、世界占有率18.5%。前年の17.8%から0.7%アップ。トヨタのハイブリッド技術(THS)を中心としたスケールメリットが年々拡大中。
- 売上台数2位はVolkswagenグループの903.7万台で世界シェア10.2%。前年の924万台/10.0%から約20万台販売を増やす。なお、グループ内「アウディ」の販売台数は170万台、傘下の「ポルシェ」は31万台の売上。
- 3位のGM/ゼネラルモーターズは販売台数600万台で世界シェア6.7%。2023年の619万台の販売から19万台減少。米中の巨大2市場が売上の中核で、2024年度は米国市場が270万台、中国市場が180万台の販売。
- 4位のステランティスは568万台の販売で世界シェア6.4%。2023年の618万台/6.7%から約50万台減少。利益も前年比で大きくダウン。
- 5位のフォードの販売台数は447万台で、世界シェア5.0%。2023年の441万台/4.8%からやや成績アップ。ピックアップトラックやSUVを中心に米国内では底堅い需要アリ。米欧中の3エリアが中核で、アメリカが220.0万台、ヨーロッパが約70万台、中国が44.2万台の販売。
- 6位の中国BYDの販売台数は427.2万台で世界シェア4.8%。2023年の302万台/3.3%から売上台数125万台アップ。EVは176万台、PHEVは248万台の販売で、業界で成長の勢いが強い。
- 販売台数7位の韓国ヒョンデ(414.2万台)、10位の韓国キア(308.3万台)は、2023年度と比較して売上台数は共にほぼ横ばい。今まで米国販売を伸ばしてきたが、もはや天井か。
- 8位のホンダの販売台数は371.6万台で世界シェア4.2%。2023年の410万台/4.4%から約40万台減少。中国販売が2023年度の122.1万台から85.2万台へと約37万台減少した事が要因。中国シェアも4.1%から2.7%へと減少。
- 9位の日産の販売台数は334.6万台で世界シェア3.8%。2023年度の344万台から約10万台減少。ゴーン社長による販売報奨金戦略で台数を伸ばしていた2017年の577万台の売上台数ピーク時から243万台も減少。規模のメリットも失われる事に。
- 10位のスズキの売上台数は324.0万台で世界シェア3.6%。2023年の316万台から約8万台増加。国内では競合ダイハツの不正発覚により、スズキの売上に恩恵があった。
- 12位のBMWグループ(245.0万台)、13位のメルセデスベンツグループ(238.9万台)は、共に前年比で10万台ほど販売台数を落とす。
- EVメーカーのテスラ(15位)は178.9万台の販売台数で世界シェア2.0%。2023年度の180.8万台の売上から若干減少。電気自動車だけのシェアでは中国BYD(176万台)を抑えてトップを維持。
- マツダ(16位)は2023年の124万台/1.4%から2024年は130.3万台/1.5%と約6万台売上を伸ばす。北米向けが好調だった。今後、アメリカの関税/保護主義政策が不安視。
- スバル(17位)の2024年度販売成績は93.6万台で世界シェア1.1%。2023年の97.6万台/1.1%からやや減少。
- 三菱自動車(18位)の2024年の販売成績は84.2万台で世界シェア0.9%。2023年の81.5万台/0.9%からやや増加。円安を背景に北米向けが好調。米国への輸出依存度が高いマツダやスバルと同様にトランプ関税が心配。
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売上高・営業利益・利益率ランキング
順位 | 売上高ランキング | 営業利益ランキング | 営業利益率ランキング |
---|---|---|---|
メーカー [売上高(円換算)] |
メーカー [営業利益(円換算)] |
メーカー [営業利益率(%)] |
|
1位 | フォルクスワーゲンG [51兆9449億円] |
トヨタグループ [4兆7955億円] |
韓国キア自動車 [11.8%] |
2位 | トヨタグループ [48兆367億円] |
フォルクスワーゲンG [3兆496億円] |
スズキ [11.0%] |
3位 | ゼネラルモーターズ [27兆1790億円] |
メルセデス・ベンツ [2兆1758億円] |
トヨタグループ [10.0%] |
4位 | フォード [26兆8238億円] |
ゼネラルモーターズ [1兆8536億円] |
メルセデス・ベンツ [9.3%] |
5位 | ステランティス [25兆1004億円] |
BMWグループ [1兆8414億円] |
スバル [8.6%] |
6位 | メルセデス・ベンツ [23兆2950億円] |
韓国ヒョンデ [1兆4240億円] |
韓国ヒョンデ [8.12%] |
7位 | BMWグループ [22兆7808億円] |
韓国キア自動車 [1兆2660億円] |
BMWグループ [8.08%] |
8位 | ホンダ [21兆6887億円] |
ホンダ [1兆2134億円] |
テスラ [7.2%] |
9位 | 韓国ヒョンデ [17兆5230億円] |
テスラ [1兆260億円] |
ゼネラルモーターズ [6.7%] |
10位 | 中国BYD [15兆5420億円] |
中国BYD [1兆97億円] |
中国BYD [6.5%] |
11位 | テスラ [14兆1650億円] |
フォード [7567億円] |
フォルクスワーゲンG [5.9%] |
12位 | 日産 [12兆6332億円] |
スズキ [6428億円] |
ホンダ [5.6%] |
13位 | 韓国キア自動車 [10兆7440億円] |
ステランティス [5899億円] |
三菱自動車 [5.0%] |
14位 | ルノー [8兆9971億円] |
ルノー [4121億円] |
ルノー [4.6%] |
15位 | スズキ [5兆8251億円] |
スバル [4053億円] |
マツダ [3.7%] |
16位 | マツダ [5兆188億円] |
マツダ [1861億円] |
フォード [2.8%] |
17位 | スバル [4兆6857億円] |
三菱自動車 [1388億円] |
ステランティス [2.4%] |
18位 | 三菱自動車 [2兆7882億円] |
日産 [697億円] |
日産 [0.6%] |
出所:各メーカー決算報告。円換算における為替レートは、1ドル=145円、1ユーロ=160円、1人民元=20円、1ウォン=0.1円で換算。
- 2024年度のクルマ業界収益トップはフォルクスワーゲングループ。営業利益も業界2位で利益率は5.9%。170万台を売り上げた高級車アウディによる売上/利益貢献度が大きい。一方で大衆車VWブランドの利益率は2.9%と低い。なお、お膝元ヨーロッパ向け売上高が1941.45億ユーロで全体比59.8%。
- 営業利益トップはトヨタ自動車で利益率(10.0%)も最高クラス。部品供給が追い付かず納車が遅れるほどハイブリッド車の需要が高い。強気販売が続く。
- 利益率トップは韓国キア(11.8%)。韓国国内でヒョンデ/キアグループが独占的な存在である事や、米韓FTAのもとで国内量産→米国への大量輸出のK-輸出戦略が波に乗る。デザインを重視したSUV「ツーソン/ヒョンデ」「サンタフェ/ヒョンデ」「テルライド/KIA」「ソレント/KIA」など一台あたり利益率が高いSUVの販売が好調。
- 注目は利益率業界2位のスズキ(11.0%)。アメリカや中国から撤退し、生産拠点を日本、インド、ハンガリーなど一部地域のみ限定。下手な競争を避け、さらに小型車のみで勝負。選択と集中の結果。2017年の当時最高利益率(10.0%)超えを達成。
- スバルの利益率(8.6%)は、2023年の10.0%よりダウンしているが、業界では高利益率。円安をもとにしたアメリカ向けの販売好調が続く。
- ホンダの2024年度の利益率は5.6%だが、四輪部門のみの営業利益率は1.7%で、前年の4.1%よりダウン。中国市場で販売台数前年比35.0%減が影響。ホンダはバイク事業が好調で、それが全体利益率を押し上げており、自動車事業のみの利益率は十分に改善されていない。
- 三菱の利益率(5.0%)は、規模が小さいわりにそこそこの利益率を確保。生産工場の「見える化」を進めコスト/在庫管理を合理化した事や、円安をもとにした北米向け輸出が好調だった事が背景。
- ステランティスの利益率(2.4%)は前年(6.7%)より大きく悪化。売上高も1895.44億ユーロから1568.78億ユーロへと減少。2021年のFCAとPSAの合併後、好調が続いていたが、会社のルーツが多国籍で数々の名ブランドを保有し、生産拠点や販売網など合理性が進んでおらず、再編の必要性が求められている。
- 日本勢で最も心配なのは日産。2024年利益率は0.6%で前年の4.5%から急ブレーキ。さらにリストラを進める見込みだが、それでも今後、単独で競争についていく事は難しい。ホンダ傘下となる運命は既定路線であるはず。
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