MITSUBISHI MOTORSの決算(通年)の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
2004年 | 2兆1226億円 [131万台] | -1285億円(赤字) [-6.1%] | -4747億円(赤字) [-22.3%] |
2005年 | 2兆1200億円 [134万台] | 67億円 [0.3%] | -921億円(赤字) [-4.3%] |
2006年 | 2兆2028億円 [123万台] | 402億円 [1.8%] | 87億円 [0.4%] |
2007年 | 2兆6821億円 [135万台] | 1085億円 [4.0%] | 347億円 [1.3%] |
2008年 | 1兆9735億円 [106万台] | 39億円 [0.2%] | -548億円(赤字) [-2.7%] |
2009年 | 1兆4456億円 [96万台] | 139億円 [0.9%] | 47億円 [0.3%] |
2010年 | 1兆8284億円 [110万台] | 402億円 [2.2%] | 156億円 [0.8%] |
2011年 | 1兆8072億円 [100万台] | 636億円 [3.5%] | 239億円 [1.3%] |
2012年 | 1兆8151億円 [98万台] | 673億円 [3.7%] | 379億円 [2.1%] |
2013年 | 2兆934億円 [104万台] | 1234億円 [5.9%] | 1046億円 [5.0%] |
2014年 | 2兆1907億円 [109万台] | 1359億円 [6.2%] | 1181億円 [5.4%] |
2015年 | 2兆2678億円 [104万台] | 1383億円 [6.1%] | 725億円 [3.2%] |
2016年 | 1兆9066億円 [92万台] | 51億円 [0.2%] | -1985億円(赤字) [-10.4%] |
2017年 | 2兆1923億円 [110万台] | 982億円 [4.5%] | 1076億円 [4.9%] |
2018年 | 2兆5145億円 [124万台] | 1118億円 [4.4%] | 1328億円 [5.3%] |
2019年 | 2兆2702億円 [112万台] | 127億円 [0.6%] | -257億円(赤字) [-1.1%] |
2020年 | 1兆4554億円 [80万台] | -953億円(赤字) [-6.5%] | -3123億円(赤字) [-21.4%] |
2021年 | 2兆389億円 [93万台] | 873億円 [4.3%] | 740億円 [3.6%] |
出所:三菱自動車
- 三菱は2000年頃から複数のリコール隠しが次々と発覚。その後は経営的に不安定な時期が続く。
- 2003年、三菱自動車からトラック・バス部門が分社化。独立した「三菱ふそうトラック・バス」は、メルセデス・ベンツグループが経営権を持つ事に。
- 2004年~2005年の最終赤字は、工場閉鎖や従業員リストラなどに着手した事が主な理由。
- 2011年の東日本大震災では、被害が少なかった事や、アジアでの販売が好調だった事もあり、営業利益と純利益、共に黒字を確保。
- アベノミクスが始まった2013年からは営業利益、純利益ともに高い利益率を確保。この時期はほとんどの自動車メーカーは好況だった。
- 2016年、燃費偽装問題が発覚がきっかけで日産自動車と資本提携。(日産が三菱の株式34%取得)
- 2019年と2020年の赤字は、工場閉鎖、従業員リストラ費用、コロナ問題などが要因。
MITSUBISHI MOTORSの経営と財務状況
年度 | 総資産 | 負債総額 [有利子負債] |
自己資本・純資産 [自己資本比率(%)] |
---|---|---|---|
2005年 | 1兆5575億円 | 1兆2889億円 | 2686億円 [17.2%] |
2010年 | 1兆3125億円 | 1兆645億円 | 2480億円 [18.2%] |
2015年 | 1兆4337億円 | 7484億円 | 6853億円 [46.8%] |
2020年 | 1兆8562億円 | 1兆3310億円 [4833億円] |
5252億円 [27.4%] |
2021年 | 1兆9284億円 | 1兆2981億円 [4805億円] |
6303億円 [31.5%] |
- 2005年と2020年を比較すると、資産規模は1.2倍。あまり変化がない理由は「成長」というよりも「継続」という意識が強いため。
- 2016年に、燃費不正問題がきっかけで日産自動車と資本提携。財務的に言えば、自立で再建できたはずだが、やはり開発コストのかかる自動車業界では「規模」が必要だとして、ルノー日産アライアンスと手を組む事に。
ビッグ3市場の売上台数の推移
年度 | 北米/販売台数 | 欧州/販売台数 | アジア/販売台数 |
---|---|---|---|
2020年 | 11.3万台 | 14.4万台 | 29.4万台 |
2021年 | 15.6万台 | 13.1万台 | 33.1万台 |
アジアの販売台数は日本を除いたデータ。
- 北米市場は三菱のグローバル販売台数の15%前後。ヨーロッパも15%前後。
- 生産工場があるフィリピン、タイ、インドネシア、ベトナムなどでは高いシェア。SUVが売れ筋。東南アジアでは人気ブランド。
日本市場
日本国内の自動車市場は年間500万台前後。その日本での生産と販売成績。
年度 | 世界販売台数 [世界シェア(%)] |
国内生産台数 | 日本販売台数 [日本シェア(%)] |
輸出台数 |
---|---|---|---|---|
2017年 | 110万台 [1.1%] |
58万台 | 9.7万台 [1.8%] |
38万台 |
2018年 | 124万台 [1.3%] |
66万台 | 10万台 [1.9%] |
42万台 |
2019年 | 112万台 [1.2%] |
62万台 | 9.4万台 [1.9%] |
36万台 |
2020年 | 80万台 [1.0%] |
36万台 | 7.2万台 [1.5%] |
15万台 |
2021年 | 93万台 [1.1%] |
42万台 | 7.5万台 [1.8%] |
24万台 |
- 三菱の生産台数の約半分が日本。国内生産台数のうち約15%前後を日本で販売。残りの輸出は北米やヨーロッパが中心。
- 日本市場シェアは2%程度。日本の自動車メーカーの中で、三菱は最もシェアが低い。
- 日本では「デリカ」「eKワゴン」などが売れ筋。
バッテリーEV戦略
- 三菱のEVは「日産リーフ」の実績がある日産と共同開発。
- 電気自動車で最もコストがかかる車載バッテリーは、日産と共同調達。大量購入により調達コスト削減。
- 日産の車載電池サプライヤーは、中国資本のエンビジョンAESC、ビークルエナジー、パナソニック、GSユアサ、中国CATLなど。
- 電気自動車は小型車に注力。軽自動車とほぼ同じ大きさのEVのラインナップを増やす見込み。
EV分野では、中国企業の技術が上がってきているため、今まで以上に激しい競争となる。2度と不正問題→巨額赤字という現象は許されない。
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