SONY MUSIC(音楽事業)の売上推移
年度 | 売上高・収益 | 営業利益 [営業利益率(%)] |
---|---|---|
1997年 | 6947億円 | 540億円 [7.8%] |
1998年 | 7586億円 | 365億円 [4.8%] |
1999年 | 7068億円 | 283億円 [4.0%] |
2000年 | 6121億円 | 205億円 [3.3%] |
2001年 | 6428億円 | 202億円 [3.1%] |
2002年 | 5975億円 | -79億円 [-1.3%] |
2003年 | 5599億円 | 190億円 [3.4%] |
2004年 | 4599億円 | 42億円 [0.9%] |
2005年 | 4089億円 | 162億円 [4.0%] |
2006年 | 3551億円 | 289億円 [8.1%] |
2007年 | 3822億円 | 502億円 [13.1%] |
2008年 | 3871億円 | 278億円 [7.2%] |
2009年 | 5226億円 | 325億円 [6.2%] |
2010年 | 4707億円 | 389億円 [8.3%] |
2011年 | 4428億円 | 369億円 [8.3%] |
2012年 | 4417億円 | 372億円 [8.4%] |
2013年 | 5033億円 | 502億円 [10.0%] |
2014年 | 5592億円 (縮小傾向だった世界音楽市場がストリーミング配信拡大で反転へ) | 606億円 [10.8%] |
2015年 | 6176億円 | 873億円 [14.1%] |
2016年 | 6477億円 (Sony/ATVを完全子会社化) | 758億円 [11.7%] |
2017年 | 8000億円 | 1278億円 [16.0%] |
2018年 | 8075億円 (EMI Musicをソニーが買収) | 2325億円 [28.8%] |
2019年 | 8499億円 | 1423億円 [16.7%] |
2020年 | 9399億円 | 1848億円 [19.7%] |
2021年 | 1兆1169億円 | 2109億円 [18.9%] |
2022年 | 1兆3806億円 | 2631億円 [19.1%] |
2023年 | 1兆6190億円 | 3017億円 [18.6%] |
出所:SONY。2004年から2007年までは「その他」のセグメントの数値。
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平均利益率
ソニーの音楽事業の1997年から2022年までの営業利益率の平均は9.8%。
会社の動向
- ソニーの音楽事業は、1968年、米国CBS社との合弁でCBS・ソニーレコードを設立したのがルーツ。
- 売上の中核は、米国子会社のソニー・ミュージック・エンターテイメント(SME)。
- 2002年の営業赤字は、ソニーによると米国外の物流拠点の統廃合、世界的な人員削減など、継続的に実施している構造改革の費用の増加、およびアーティスト関連費用の増加などが要因とされる。
- CDシングル/アルバムの世界売上が縮小を続け、世界の音楽市場規模も比例して縮小していたが、2014年ごろから音楽ストリーミングサービスの市場が拡大。縮小傾向だった世界の音楽市場規模が反転、拡大に向かい、CD売上減少を補う存在となっている。
- 2016年、ソニーは1995年にマイケル・ジャクソン(MJ)と共同で設立したSony/ATVの全株式をジャクソン財団から7億5000万ドルで買い取り完全子会社化。MJやビートルズなどの多くの世界的有名アーティストの音楽管理権を確保。
- 2018年、EMI Musicを買収し、音楽著作権管理数を拡大。
- 2020年1月から発生したコロナウイルス問題は、音楽業界の活動を大きく停滞させたが、ソニーの音楽事業と収益性においては大きなダメージはなかった。ソニーの音楽事業は、最高のサブスクが実現している。
- ソニーミュージックの楽曲管理数は日本国内と外国合わせて約320万曲。(2020年3月現在)
- SONYの子会社である音楽コンテンツ流通企業「Orchard(オーチャード)」のもとで、世界各国で販売マーケティングを拡大。この存在が音楽部門の好調を影で支える。
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ソニーを含む世界3大メジャーと比較
かつて音楽レコード業界は、ソニーミュージック、ワーナーミュージック、MCAレコード(現ユニバーサルミュージック)、BMG、ポリグラム、EMIなど多くの企業が存在していた。
しかし、買収/再編を経て現在はソニー、ワーナー、ユニバーサルの3大メジャー体制に集約。その3社の業績推移。
年度 | ソニー/売上高 [営業利益/利益率(%)] |
ワーナー/売上高 [営業利益/利益率(%)] |
ユニバーサル/売上高 [営業利益/利益率(%)] |
---|---|---|---|
2010年 | 4707億円 [389億円/8.3%] |
29.88億ドル [0.90億ドル/3.0%] |
– |
2015年 | 6176億円 [873億円/14.1%] |
29.66億ドル [1.27億ドル/4.3%] |
57.82億ドル [6.71億ドル/11.6%] |
2020年 | 9399億円 [1848億円/19.7%] |
44.63億ドル [-2.29億ドル/-5.1%] |
89.28億ドル [16.54億ドル/18.5%] |
2021年 | 1兆1169億円 [2109億円/18.9%] |
53.01億ドル [6.06億ドル/11.4%] |
89.61億ドル [15.77億ドル/17.6%] |
2022年 | 1兆3806億円 [2631億円/19.1%] |
59.19億ドル [7.14億ドル/12.1%] |
112.21億ドル [17.36億ドル/15.5%] |
出所:各メーカーの決算報告書
- 現在の3大メジャーで、世界の音楽レーベルの95%を占めるとされる。レーベルとは「アーティスト所属と楽曲制作の組織」の事。
- 3大メジャーの中で、ソニーが最も利益率が良いが、有名アーティストの優良著作権を保有している事が理由の一つと思われる。
- ソニーが著作権管理するアーティストは、マイケル・ジャクソン、ビートルズ、クイーン、ローリングス・トーンズ、テイラー・スイフト、レディーガガ、ボブ・ディラン、スティング、スティービー・ワンダー、オアシス、エミネム、カニエ・ウェストなど、超有名アーティスト多数。
- ソニーのお膝元、日本では音楽ストリーミング配信の成長はアメリカ比較で弱い。しかし、CDセールスがまだまだ健在で、乃木坂やジャニーズなどアイドル系を中心にCD売上が多い。
- 近年のソニーミュージックは、アニメ関連との連携が業績を押し上げ。「鬼滅の刃」ではLISA(炎)、Aimer(残響散歌)がヒット。2023年は「推しの子」のYOASOBI(アイドル)がヒット。ソニーにとってアニソンは重要な存在となっている。
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ソニーミュージックの大顧客となる音楽配信サービス
- スポティファイ……音楽配信サービス世界1位。ユーザー数は全世界で5億5100万人、有料会員数は2億2000万人。(2023年7月時点)
- Apple Music……世界2位。iPhoneユーザーが多い日本では首位。
- Amazon Music……Amazonプライム会員のユーザーが多い。
- YouTube Music……YouTubeのミュージックビデオ動画と連携したサービスが特徴。
- LINE MUSIC……LINEと連携した音楽配信サービス。日本向けが中心で、売上高は多くない。
ソニーミュージック、ワーナーミュージック、ユニバーサルミュージックの3大メジャーは、上記のような音楽配信サービスに対して管理楽曲を提供。その著作権使用料で発生した収益をアーティストとシェアしている形。
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