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ソニーXperiaの販売数の推移と売上高・営業利益の業績推移

IT, 業績推移

エクスペリア

ソニーのスマートフォン部門、ソニーモバイルの2020年度(2020年4月~2021年3月)が完全黒字化した模様。

日本のエレクトロニクス企業の中で絶好調のソニーだが、今までスマホ部門(Xperia)だけは赤字が続いていた。しかし2020年度からはスマートフォン部門までも黒字化を達成。

ソニーのスマホ部門の売上推移

まずは2011年度からのソニーのモバイル部門、エクスペリアの売上高と営業利益、スマートフォンの販売台数の業績推移を以下で確認。

ソニーXperiaの販売数の推移と売上高・営業利益・利益率の業績推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
世界販売台数
[世界シェア(%)]
2011年 6227億円 72億円
[1.1%]
1250万台
[2.5%]
2012年 1兆2576億円 -972億円(赤字)
[-7.7%]
2250万台
[3.1%]
2013年 1兆1918億円 126億円
[1.1%]
3300万台
[3.2%]
2014年 1兆3233億円 -2204億円(赤字)
[-16.6%]
3910万台
[3.0%]
2015年 1兆1275億円 -614億円(赤字)
[-5.4%]
2490万台
[1.7%]
2016年 7591億円 102億円
[1.3%]
1460万台
[1.0%]
2017年 7237憶円 -276憶円(赤字)
[-3.8%]
1350万台
[0.9%]
2018年 4873億円 -971億円(赤字)
[-19.9%]
650万台
[0.5%]
2019年 3621億円 -211億円(赤字)
[-5.8%]
320万台
[0.2%]
2020年 3585億円 276億円
[7.7%]
290万台
[0.2%]
2021年 ソニーは2020年度を最後として「2021年度からスマホ販売数を非公表とする」と発表。

2018年度に971億円の営業損失を出してしまい、そこから本格的に改革に着手。そして2020年に黒字化。

改革の中身

黒字化のためにソニーモバイルはどのような改革をしたのか?

  • 売上が少ない地域から撤退して販売地域を絞った。
  • 人件費や広告費などを削減した。
  • 利益率が高い高価格帯へ注力。

販売合理性のため、売上高規模が小さい地域から撤退したとされるが、どの地域に力を入れて、どこから撤退したのか?以下の画像を確認。
ソニーエクスペリア販売地域

出所:SONY

注力する地域

アジアでは日本、香港、台湾など。そしてヨーロッパ全域。

注力しない地域

オーストラリア、カナダ、メキシコ、モンゴル、ブラジルなどの南アメリカ全域、インド、中東、アフリカ全域など。

販売台数は減ってる

Xperiaの黒字化は喜ばしい事。しかし、販売台数は年々減少。ピークは2014年度の3910万台。2020年度は290万台。

全盛期の7%レベルに。サムスンGALAXYスマホの出荷台数が2019年度で約3億台なので、それと比べるとかなり低い。

ソニーによると規模は追わないとのことだが、ある程度は販売規模がないとビジネス的に合理性が得られない。

製造・組み立ては台湾のEMS企業(製造受託メーカー)に委託しているようだが、最低でも300万台以上は維持したいところ。

なぜ販売台数で勝負しないのか?

ソニーのスマホ部門は規模よりも、赤字にならないレベルで継続できれば良いという考えでやっている模様。理由は以下。

  • 販売台数を増やそうとして低価格スマホを拡充しても利益がでない。また、安売りは低ブランドイメージが定着してしまう。
  • そもそもスマホは競争が激しいので高利益を出すのは難しい。規模を追うのは大赤字を出すリスクが高い。
  • もしソニーがスマホ事業から撤退すると、スマホ向けイメージセンサー(半導体)の開発や、次世代通信関連の技術開発が完全に他社依存になってしまう。モバイル事業を続けるため、今のところは撤退リスクが低い小規模のビジネスに落ち着いている。
  • 販売規模で世界のスマホメーカーと競合すると、ソニーがダントツの高シェアをもつイメージセンサーを求める顧客と競合する事になる。つまり顧客との信頼関係を失ってしまう。イメージセンサーで規模の勝負をしたほうが利益が高いと考えている模様。

販売合理性が進み利益率が改善。そして、ずいぶんと規模が小さくなったため、大きく利益は出ないが、反対に大きく損失も出ない。赤字を避けながら継続的なビジネスをやっていけるような状態となっている。

国内シェアランキング

ソニーエクスペリアは、2020年度は290万台の出荷数だが、そのうち215万台が日本向けに出荷されている。日本のスマホ市場の出荷台数とシェアを確認。

2020年度の日本市場スマホシェア
順位 企業 日本国内販売台数 日本国内シェア
1位 Apple 1564万台 47.3%
2位 シャープ 420万台 12.7%
3位 arrows 279万台 8.5%
4位 サムスン 271万台 8.2%
5位 京セラ 239万台 7.2%
6位 ソニー 215万台 6.5%
7位 OPPO 81万台 2.5%
8位 Google Pixel 61万台 1.9%
9位 ファーウェイ 29万台 0.9%
10位 シャオミ 27万台 0.8%
出所:IDC Japan

アップルからシェアをとるというのは、できそうで難しい。そのためアンドロイド勢、特にサムスンからシェアを奪いたいところ。日本市場で韓国企業にシェアを持っていかれるのはマズい。

サムスンは、携帯ショップにて販売台数に応じてインセンティブ(販売奨励金)を支払っており、そのために店員は積極的にGALAXYをすすめてきたりするわけだが、そんなサムスンの戦略を「無」にするテクニックがほしいところ。

かなり良いスマホを作っている

Xperia1あたりからカメラ事業部と開発したカメラアプリなどが搭載され、ソニーの本気度が垣間見えたが、指紋認証が悪かったりしてユーザーの不満も多かった。

だが、Xperia5ii(エクスペリア5マーク2)あたりから指紋認証もバッチリで完璧なスマホを作ってきたと思う。今後は、このままの品質で価格を下げられたらかなり販売台数が伸びるはず。

ユーザーがエクスペリアに思う不満と言えばやはり値段の高さ。それは世界的に言われていることで、エクスペリア5が普通に10万円以上するのは高すぎる。

3~5万円くらいのスマホに力を入れないと販売台数は伸びないようだが、日本市場で販売されるソニーの低価格スマホ「Xperia Ace」で安定的なボリュームを確保したいところ。

ソニーブランドの低下

ソニーが特に力を入れないといけないのが若い世代向けのソニーブランドの確立。若い世代はテレビを見ない人が多く、スマホはアップル一択みたいな状態なので、一度もソニー製品を買ったことがないような人も少なくない。

日本でのソニーブランドが弱くなっている中、子供たちにソニー製品を愛用してもらうために、お年玉でエクスペリアを変えるくらいの値段の製品を充実させてほしいところ。

スマホ価格を下げてほしい願い

スマホ部品において、ダントツで調達コストがかかるのが有機ELパネルと5Gチップの2つ。原価でいえば共に1万円くらいだとされる。5Gチップは特許だらけなのでしょうがないが、有機ELパネルにおいてはコスト削減余地あり。

というのも、有機ELは数年前まではサムスンが独占的に供給していて価格も高く、供給も安定していなかったが、現在では韓国のLGディスプレーや中国BOEも参入していて、今後は競争が進み、調達コストが下がる可能性あり。

また、業界が3社で寡占化して価格が高止まりしていたDRAM(半導体)も、中国企業の参入で今後調達コストが下がる可能性あり。

その結果、エクスペリアにおいても製造価格と販売価格を下げられる可能性あり。ソニーXperiaは高価格帯に注力しているとはいえ、なんとか少しでも価格を下げてほしいのがソニーファンの願い。

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