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LGイノテックの業績推移:売上・営業利益率・純利益・財務状況

LG Innotekの連結決算:通年の売上推移

LGイノテックの業績推移:売上高・営業利益率・純利益の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2015年 6兆1381億ウォン 2237億ウォン
[3.6%]
951億ウォン
[1.5%]
2016年 5兆7546億ウォン 1048億ウォン
[1.8%]
50億ウォン
[0.0%]
2017年 7兆6414億ウォン 2965億ウォン
[3.9%]
1748億ウォン
[2.3%]
2018年 7兆5498億ウォン 2850億ウォン
[3.8%]
1631億ウォン
[2.2%]
2019年 7兆9754億ウォン 4764億ウォン
[6.0%]
1023億ウォン
[1.3%]
2020年 9兆5418億ウォン 6810億ウォン
[7.1%]
2361億ウォン
[2.5%]
2021年 14兆9456億ウォン 1兆2642億ウォン
[8.5%]
8883億ウォン
[5.9%]
2022年 19兆5894億ウォン 1兆2718億ウォン
[6.5%]
9798億ウォン
[5.0%]
2023年 20兆6053億ウォン 8308億ウォン
[4.0%]
5652億ウォン
[2.7%]
出所:LG Innotek
  • LGイノテックは、韓国の財閥LGグループの電子部品メーカー。1970年設立で、韓国で最初の部品メーカーとされる。なお、サムスンの部品メーカー「SEMCO(サムスン電機)」は1973年設立。
  • 親会社であるLGエレクトロニクス(旧LG電子)が、LGイノテックの株式40.8%を保有する株式上場企業。(持ち分法適用会社)
  • 売上のほとんどが、スマートフォン向けのカメラモジュール。特にアップルへの依存度が高い。
  • 2015年から2022年までのLGイノテックの営業利益率の平均が5.2%。
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LG Innotekの財政・経営状況

LGイノテックの財務の推移:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2015年 3兆9143億ウォン
[3603億ウォン]
2兆1493億ウォン
[1兆7651億ウォン]
1兆643億ウォン
[27.2%]
2020年 6兆386億ウォン
[6946億ウォン]
3兆6109億ウォン
[1兆7257億ウォン]
2兆4277億ウォン
[40.2%]
2021年 7兆7414億ウォン
[5659億ウォン]
4兆4271億ウォン
[1兆4891億ウォン]
3兆3142億ウォン
[42.8%]
2022年 9兆7936億ウォン
[5779億ウォン]
5兆5278億ウォン
[2兆186億ウォン]
4兆2658億ウォン
[43.6%]
2023年 11兆2043億ウォン
[1兆3896億ウォン]
6兆4897億ウォン
[2兆7377億ウォン]
4兆7146億ウォン
[42.1%]
出所:LG Innotek
  • ひと昔前までは、存在感のない部品メーカーで会社規模も小さかったが、モバイル向けのカメラモジュールで頭角を現すようになってから収益性が向上し、資産規模が拡大。財務も安定に向かっている。
  • 2024年2月時点のLGイノテックの株式時価総額は4.89兆ウォン(日本円で約4890億円)。

収益構造:セグメント別の成績

LGイノテックの売上内訳:部門別の業績推移
年度 カメラモジュール
売上高
[全体比(%)]
基板・素材
売上高
[全体比(%)]
自動車関連部品
売上高
[全体比(%)]
2017年 4.68兆ウォン
[61.3%]
1.14兆ウォン
[14.9%]
0.85兆ウォン
[11.1%]
2018年 5.97兆ウォン
[67.5%]
1.16兆ウォン
[15.3%]
0.96兆ウォン
[12.8%]
2019年 5.10兆ウォン
[63.9%]
1.16兆ウォン
[14.5%]
0.96兆ウォン
[6.4%]
2020年 6.78兆ウォン
[71.0%]
1.24兆ウォン
[13.0%]
1.19兆ウォン
[12.4%]
2021年 11.85兆ウォン
[79.3%]
1.57兆ウォン
[10.5%]
1.06兆ウォン
[7.1%]
2022年 15.97兆ウォン
[81.5%]
1.69兆ウォン
[8.6%]
1.45兆ウォン
[7.4%]
2023年 17.29兆ウォン
[83.9%]
1.32兆ウォン
[6.4%]
1.56兆ウォン
[7.6%]
出所:LG Innotek
  • 2022年度は、全体売上高の81.5%がモバイル向けカメラモジュール。つまり、LGイノテックはカメラモジュールの会社だと考えていい。
  • 日経によると、2022年度はiPhone向けカメラモジュールだけで全体売上高の75%を占めるとされる。つまり、LGイノテックはアップルによって成り立っていると考えていい。アップルから外されたら業績転落という事。
  • 「基板・素材」のセグメントは、パッケージ基板、フォトマスクなどの部門。
  • 「自動車関連部品」は、バッテリーマネージメントシステム、DC/DCコンバータなどが中核製品。EV変革を取り込む見込み。
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売上のほとんどがカメラモジュール

LGイノテックの売上高のほとんどがカメラモジュール。以下の画像を参考。

カメラモジュール

  • カメラモジュールとは、カメラレンズ、CMOSイメージセンサー、アクチュエータなど、いろいろな部品をまとめたセット部品。
  • LGイノテックは、このカメラモジュールの供給メーカーとして世界トップ級のシェアをもつ。
  • 生産工場は、韓国内とベトナムが中心。特にベトナム工場の生産拡大が顕著。

モバイル向けカメラ部品の世界シェア

2019年のCMOSイメージセンサー、カメラレンズ、カメラモジュールの世界シェア。

イメージセンサー・カメラモジュールの市場シェア

出所:Yole Developpement社(フランス)
  • CMOSイメージセンサー市場で、ダントツトップシェアはソニー。2位に韓国サムスン、3位に中国資本となったオムニビジョン。
  • カメラモジュールのサプライヤートップは、LGイノテック。他にO-Film(中国)、Sunny Optical(中国)、シャープ/フォックスコン(日本/台湾)、SEMCO(サムスン電機:韓国)など。
  • アップルの「iPhone」は、ソニーのCMOSイメージセンサーを採用。カメラレンズは、主に台湾Largan Precision社(ラーガン)など。LGイノテックは、ソニーのセンサーと、ラーガンのカメラレンズなどを構成してモジュール化し、iPhoneを組み立てる台湾のフォックスコンやペガトロン、ウィストロンなどの受託製造メーカーに出荷している。

次はパッケージ基板でK-量産

韓国は市場規模が大きい分野に集中投資して、一気に大儲けしようとする気質があるが、LGイノテックも財閥のグループ企業のわりに、ほとんどがカメラモジュールだけでドカっと稼ぐ単品量産ビジネスとなっている。

同様に、今後は高性能半導体に必要なFC-BGAパッケージ基板においても、量産スタイルを確立して高い収益を確保したいとしている。

しかし、その分野は日本のイビデンや新光電気工業などが強く、また、パッケージ基板を製造するための部材や製造装置などにおいてもほとんどが日本企業が独占しているため、何から何まで生態系を確立している日本から大きくシェアを奪うのは容易ではない。

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