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インフィニオン・テクノロジーズ

独インフィニオンの業績推移:売上・営業利益率・純利益・シェア

Infineon Technologiesの連結決算:通年の売上推移

インフィニオン・テクノロジーズの業績推移:売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終利益
[純利益率(%)]
2008年 39.03億ユーロ
(5073億円)
-0.46億ユーロ
(-60億円)
[-1.2%]
-37.47億ユーロ
(-4871億円)
[-96.0%]
2009年 30.27億ユーロ -2.20億ユーロ
[-7.2%]
-6.71億ユーロ
[-22.2%]
2010年 32.95億ユーロ 3.48億ユーロ
[10.5%]
6.60億ユーロ
[20.0%]
2011年 39.97億ユーロ 7.36億ユーロ
[18.4%]
11.19億ユーロ
[29.8%]
2012年 39.04億ユーロ 4.55億ユーロ
[11.6%]
4.27億ユーロ
[10.9%]
2013年 38.43億ユーロ 3.25億ユーロ
[8.4%]
2.72億ユーロ
[7.1%]
2014年 43.20億ユーロ 5.25億ユーロ
[12.1%]
5.35億ユーロ
[12.4%]
2015年 57.95億ユーロ 5.55億ユーロ
[9.5%]
6.34億ユーロ
[10.9%]
2016年 64.73億ユーロ 7.63億ユーロ
[11.7%]
7.43億ユーロ
[11.5%]
2017年 70.63億ユーロ 9.83億ユーロ
[13.9%]
7.90億ユーロ
[11.2%]
2018年 75.99億ユーロ 14.69億ユーロ
[19.3%]
10.75億ユーロ
[14.1%]
2019年 80.29億ユーロ 11.61億ユーロ
[14.4%]
8.70億ユーロ
[10.8%]
2020年 85.67億ユーロ 5.81億ユーロ
[6.7%]
3.68億ユーロ
[4.3%]
2021年 110.60億ユーロ 14.70億ユーロ
[13.2%]
11.69億ユーロ
[10.6%]
2022年 142.18億ユーロ 28.45億ユーロ
[20.0%]
21.79億ユーロ
[15.3%]
出所:Infineon Technologies。日本円表記は1ユーロ=130円で換算。
インフィニオンの2008年から2022年までの営業利益率の平均が10.7%。ライバルとの比較として、ルネサスの2010年から2022年までの営業利益率の平均が8.9%。STマイクロの2000年から2022年までの営業利益率の平均が5.4%。NXPセミコンダクターズの2004年から2022年までの営業利益率の平均が7.1%。
  • 2006年、インフィニオンは業績不安定だったDRAM事業を分離。市場規模が大きいメモリビジネスを分社化した事で、半導体メーカーとしての規模が大きく縮小。
  • 分離したDRAM事業は「キマンダ社(Qimonda)」として発足したが、2008年の金融危機により大損失。2009年1月に倒産。
  • 2008年~2009年のアメリカ発の金融危機で、インフィニオンは営業利益と純利益、ともに赤字。2008年度は売上規模と同じレベルの巨額最終損失。
  • 2021年に売上高や営業利益、利益率が上昇。これはコロナ後の半導体不足により販売単価が上がった事や、電気自動車の市場拡大により、パワー半導体の売上が増えた事が要因。
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Infineon Technologiesの財政・経営状況

インフィニオン・テクノロジーズの財務状況:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2010年 49.93億ユーロ
[17.27億ユーロ]
23.68億ユーロ
[3.96億ユーロ]
26.25億ユーロ
[52.6%]
2015年 87.41億ユーロ
[20.13億ユーロ]
40.76億ユーロ
[17.93億ユーロ]
46.65億ユーロ
[53.3%]
2020年 219.99億ユーロ
[32.27億ユーロ]
117.80億ユーロ
[70.33億ユーロ]
102.19億ユーロ
[46.4%]
2021年 233.34億ユーロ
[39.22億ユーロ]
119.33億ユーロ
[65.85億ユーロ]
114.01億ユーロ
[48.9%]
2022年 269.12億ユーロ
[37.17億ユーロ]
119.68億ユーロ
[56.62億ユーロ]
149.44億ユーロ
[55.5%]
  • 有利子負債は不安視されるレベルではない。キャッシュも豊富。業績を考慮すれば財務的な問題はなし。

M&Aの実績

  • 2014年、米国インターナショナル・レクティファイアーを現金約30億米ドルで買収。パワー・マネージメント(電源管理)技術の強化。
  • 2019年、米国サイプレス・セミコンダクタを約94億ドルで買収。アナログ技術や電源管理技術の他に、Wi-FiやBluetoothなどの通信関連も強化。

販売地域シェアの推移

インフィニオンの国別・地域別の売上高と全体比の推移
国/地域 2009年/売上高
[全体比(%)]
2016年/売上高
[全体比(%)]
2022年/売上高
[全体比(%)]
ヨーロッパ全体 40% 33% 24%
ドイツ 19% 15% 11%
アメリカ 12% 13% 11%
日本 5% 6% 10%
中国 41% 24% 29%
その他アジア 24% 16%
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中核事業

インフィニオンは「車載向け」「産業向け」「セキュリティIC」の3つが中核事業。

車載向け半導体ランキング

【2020年度】インフィニオンの車載向け半導体シェアとランキング
順位 企業 世界シェア(%)
1位 インフィニオン・テクノロジーズ ドイツ 13.2%
2位 NXPセミコンダクターズ オランダ 10.9%
3位 ルネサスエレクトロニクス 日本 8.5%
4位 テキサス・インスツルメンツ アメリカ 8.3%
5位 STマイクロエレクトロニクス スイス 7.5%
出所:インフィニオン決算報告書。車載向け半導体の市場規模は2020年度で350億ドル。
  • クルマに必要な半導体は、マイコン、パワー半導体、アナログ製品、ロジック半導体、メモリ、センサーなどいろいろ。
  • その中で、多くの自動車向け製品ランナップをもっているインフィニオンが市場シェア13.2%で首位。
  • 自動車産業が今後、ガソリン車から電気自動車へと変革する中で、インフィニオンが強みをもつパワーデバイスの需要が急増すると予想され、それが市場から好感。株価も上昇。
  • ドイツはフォルクスワーゲン、メルセデスベンツ、BMWなどの世界的な自動車メーカーが存在し、インフィニオンにおいても自動車に関連した製品に注力し、それが強みとなっている。
  • なお、日本のルネサスも製品ポートフォリオが豊富で、市場シェア8.5%で3位。欧米企業の買収を複数成功させ、自動車EV化に向けた半導体製品を強化中。

自動車向けマイクロコントローラー

【2020年度】インフィニオンの車載向けマイコン市場シェア
順位 企業 世界シェア(%)
1位 ルネサス 日本 26.7%
2位 NXPセミコンダクターズ オランダ 26.3%
3位 インフィニオン ドイツ 16.9%
4位 テキサス・インスツルメンツ アメリカ 9.8%
5位 マイクロチップ アメリカ 6.9%
  • インフィニオンの車載マイコンは、市場シェア3位の16.9%。
  • この分野は日本のルネサスエレクトロニクスがトップシェア。
  • 市場シェア2位のNXPは、2010年代から車載向けを強化。自動車製造数が多い日本市場への販売を強め、トヨタやホンダ、日産などの日系メーカーへ積極的に売り込みをかけている。
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パワー半導体

【2020年度】インフィニオンのパワー半導体シェア(ディスクリート+モジュール)
順位 企業 世界シェア(%)
1位 インフィニオン・テクノロジーズ ドイツ 19.7%
2位 オン・セミコンダクター アメリカ 8.3%
3位 STマイクロエレクトロニクス スイス 5.5%
4位 三菱電機 日本 5.0%
5位 東芝 日本 4.6%
6位 富士電機 日本 4.6%
7位 Vishay アメリカ 3.5%
8位 ルネサスエレクトロニクス 日本 2.6%
9位 ローム 日本 2.5%
10位 Diodes アメリカ 2.4%
出所:インフィニオン決算報告書。2020年度のパワー半導体の市場規模は210億ドル。
  • インフィニオンのパワーデバイスの業界シェアは19.7%。2015年のシェアが19.2%なので、大きな変化なし。
  • パワー半導体では、発電から送電、産業機器から民生機器まで幅広い製品ポートフォリオをもつが、やはり車載向けが最も売上が多い。
  • 三菱、東芝、ローム、富士電機、ルネサスなどの日本企業のパワー半導体シェアを合計すると、市場シェア25%前後を占める。パワーデバイス分野では日本は存在感が大きい。
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アナログ半導体

【2021年度】インフィニオン・テクノロジーズのアナログ半導体シェア
順位 企業 世界シェア(%)
1位 テキサス・インスツルメンツ アメリカ 19.0%
2位 アナログ・デバイセズ アメリカ 12.7%
3位 スカイワークス アメリカ 8.0%
4位 インフィニオン・テクノロジーズ ドイツ 6.5%
5位 STマイクロエレクトロニクス スイス 5.3%
6位 コルボ アメリカ 5.2%
7位 NXPセミコンダクターズ オランダ 4.7%
8位 オンセミコンダクター アメリカ 2.9%
9位 マイクロチップ アメリカ 2.5%
10位 ルネサスエレクトロニクス 日本 1.5%
出所:IC Insights。
  • インフィニオンのアナログ半導体の市場シェアは6.5%で世界4位。売上高は48億ドル。
  • 自動車に搭載される半導体はアナログ半導体が最も出荷額が大きいが、そのアナログ製品の売上が増加中。売上比率は2020年が41%、2021年は44%。
  • アナログ半導体は、出荷個数が非常に多く、種類が豊富であるため、メーカーが乱立状態にある。DRAMのように規格化製品の量産勝負で、多くのメーカーが淘汰されるような現象にはなりにくい。
  • アナログ分野の設計は、熟練の技術を必要とするため、半導体産業の長い歴史をもつ先進国メーカーがランキング上位を独占する状態。
  • 韓国や台湾、中国メーカーなどがこの分野で地位を確立するのは、かなりの歳月がかかる。

なお、日本にも多くのアナログ半導体を手掛けるメーカーが存在するが、すべてを合わせると世界シェア10%ほどになる。そして、日本勢も世界と戦うため企業再編が活発になっている。

日本のアナログ半導体メーカーの再編の動き

  • 2016年、トレックス・セミコンダクターはフェニテックセミコンダクターを完全子会社化。
  • 2019年、ミネベアミツミは、エイブリック(SEIKOの子会社)を完全子会社化。
  • 2021年、新日本無線とリコー電子デバイスの2社を統合。日清紡マイクロデバイスの誕生。
  • 東芝やルネサスもアナログデバイスを強化中。

セキュリティICチップ

【2020年度】インフィニオン・テクノロジーズのセキュリティICの世界シェア
順位 企業 世界シェア
1位 インフィニオン ドイツ 24.6%
2位 NXPセミコンダクターズ オランダ 20.4%
3位 サムスン 韓国 17.1%
4位 STマイクロエレクトロニクス スイス 12.7%
5位 CEC Huada 中国 8.5%
出所:インフィニオン。セキュリティIC分野の市場規模は2020年度で28億ドル。
  • クレジットカードなどに搭載されるセキュリティICチップ分野は、インフィニオンが市場シェア首位の24.6%。このカテゴリーは、NXPやSTマイクロなどの欧州勢も強い。
  • 3位にサムスン、5位に中国CEC Huadaがランクインしているが、この分野が欧州勢で寡占化している、つまり競争原理が低いとして参入。
  • サムスンは半導体関連のポートフォリオを増やし過ぎて、エレクトロニクス業界に多くのライバルを抱える事態に向かっている。
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