世の中をポジティブ転換したい情報サイト

NXPセミコンダクターズの売上高・営業利益率・純利益の推移

半導体, 業績推移

NXPセミコンダクターズ

NXP Semiconductorsの決算(通年)の売上推移

NXPセミコンダクターズの売上高・営業利益・純利益・利益率の業績推移
年度 売上高・収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
2004年 48.23億ドル 2.34億ドル
[4.9%]
0.14億ドル
[0.3%]
2005年 47.66億ドル 1.02億ドル
[2.1%]
-1.01億ドル(赤字)
[-2.1%]
2006年 49.60億ドル -6.40億ドル(赤字)
[-12.9%]
-6.11億ドル(赤字)
[-12.3%]
2007年 63.21億ドル -7.78億ドル(赤字)
[-12.3%]
-6.03億ドル(赤字)
[-9.5%]
2008年 54.43億ドル -26.46億ドル(赤字)
[-48.6%]
-35.74億ドル(赤字)
[-65.7%]
2009年 38.43億ドル -9.00億ドル(赤字)
[-23.4%]
-1.61億ドル(赤字)
[-4.2%]
2010年 44.02億ドル 6.85億ドル
[15.6%]
2.98億ドル
[6.8%]
2011年 41.94億ドル 8.10億ドル
[19.3%]
4.32億ドル
[10.3%]
2012年 43.58億ドル 4.12億ドル
[9.5%]
-1.15億ドル(赤字)
[-2.6%]
2013年 48.15億ドル 6.51億ドル
[13.5%]
3.48億ドル
[7.2%]
2014年 56.47億ドル 10.49億ドル
[18.6%]
5.39億ドル
[9.5%]
2015年 61.01億ドル 20.15億ドル
[33.0%]
15.26億ドル
[25.0%]
2016年 94.98億ドル -1.50億ドル(赤字)
[-1.6%]
2.00億ドル
[2.1%]
2017年 92.56億ドル 21.02億ドル
[22.9%]
22.15億ドル
[23.9%]
2018年 94.07億ドル 27.10億ドル
[29.2%]
22.08億ドル
[23.5%]
2019年 88.77億ドル 6.41億ドル
[7.3%]
2.43億ドル
[2.7%]
2020年 86.12億ドル 4.18億ドル
[4.9%]
0.52億ドル
[0.6%]
2021年 110.63億ドル 25.83億ドル
[23.3%]
18.71億ドル
[16.9%]
出所:NXP Semiconductors。NXPは欧州企業だがユーロではなく米ドルで決算報告している。
  • ほとんどの半導体メーカーは2008年のアメリカ金融危機に業績不振に陥っているが、NXPセミコンダクターズの場合は2005年から最終赤字。
  • リーマンショック前から業績悪化で経営改革に着手。リストラや利益率が低い事業を整理していた時に金融危機の影響を受けた事で最終赤字が5年も続いた。当時は身売りの噂もちらほら。
  • 2015年、車載半導体や通信関連に強みをもつ米国フリースケール・セミコンダクターを買収。2016年の業績悪化は買収にまつわる費用計上が原因。
  • 売上高でNXPと同規模のフリースケールを買収した事により、2016年度から売上高が急増。
  • 2017年以降は、営業利益と純利益、ともに順調。営業利益率は20%前後へ。

NXP Semiconductorsの経営状況

NXPセミコンダクターズの財務の推移(2010年以降)
年度 総資産 負債総額 自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
2010年 76.37億ドル 64.18億ドル 12.19億ドル
[16.0%]
2020年 198.47億ドル 106.96億ドル 91.51億ドル
[46.1%]
2021年 208.64億ドル 140.94億ドル 67.70億ドル
[32.4%]
  • 2008年の金融危機により財務が急激に悪化。
  • 2010年~2011年ごろは、インテル、ブロードコム、クアルコムの3社のいずれかへの身売りの噂が出ていた。
  • リーマンショックやギリシア危機を乗り切った後は財務健全化に努め、安定へ向かう。

再編の歴史・M&A実績

2006年オランダのフィリップス社の半導体部門を分離・分社化し、投資家グループに売却。
2010年会社の名称を「NXPセミコンダクターズ」に変更。
2015年米国フリースケール・セミコンダクターを買収。売上高ベースで日本のルネサスを一気に抜く。
2017年利益率の低い汎用製品部門を売却。独立したその企業はNexperiaへ。
2018年米国クアルコムがNXPを買収すると発表。しかし、米中対立により中国当局からの承認を得られず買収断念。また、業界は寡占化を嫌っていたため元々難しい買収だった。

主要製品と市場シェア

NXPセミコンダクターズの中核は、車載向け半導体。マイクロコントローラー(マイコン)、アナログ半導体、センサーなど。また、セキュリティIC関連にも強みをもつ。

車載向け半導体ランキング

【2020年度】NXPセミコンダクターズの車載向け半導体シェア&ランキング
順位 企業 車載向け半導体シェア(%) 車載向けマイコンシェア(%)
1位 インフィニオン・テクノロジーズ
(ドイツ)
13.2% 16.9%
2位 NXPセミコンダクターズ
(オランダ)
10.9% 26.3%
3位 ルネサスエレクトロニクス
(日本)
8.5% 26.7%
4位 テキサス・インスツルメンツ
(アメリカ)
8.3% 9.8%
5位 STマイクロエレクトロニクス
(スイス)
7.5% 5.1%
出所:インフィニオンの決算報告から引用。車載向け半導体は、パワー半導体、アナログ半導体、センサー、マイコン、ロジック半導体、メモリ半導体など、いろいろな種類があるが、このデータはクルマに必要な半導体すべてのデータ。
  • 自動車向け半導体の市場規模は2020年度で350億ドル。
  • ガソリン車1台あたり約200~500ドル前後の半導体が必要とされる。電気自動車の場合は、その2倍ほど必要。
  • NXPセミコンダクターズは、自動車向け半導体すべてでシェア10.9%。首位のインフィニオンに次いで世界2位。
  • 車載向けマイコンにおいてもNXPは世界シェア26.3%で2位。トップは日本のルネサスで26.7%だが、為替の影響でシェアとランキングが変化する僅差の状況。

アナログデバイス

アナログ半導体とは、光、温度、音、力の大きさなどのアナログ信号を処理・制御する半導体。アナログ信号をデジタル信号に変換したり、反対にデジタル信号をアナログに変換したりする。

自動車分野では、例としてエアバックやタイヤ空気圧の減少を知らせる機能においてもアナログ技術が入っている。そのアナログ半導体の世界ランキングが以下。

【2021年度】NXPセミコンダクターズのアナログ半導体シェア&ランキング
順位 企業 世界シェア(%)
1位 テキサス・インスツルメンツ(TI) アメリカ 19.1%
2位 アナログ・デバイセズ アメリカ 12.8%
3位 スカイワークス アメリカ 8.1%
4位 インフィニオン・テクノロジーズ ドイツ 6.6%
5位 STマイクロエレクトロニクス スイス 5.4%
6位 コルボ アメリカ 5.3%
7位 NXPセミコンダクターズ オランダ 4.8%
8位 オンセミコンダクター アメリカ 2.9%
9位 マイクロチップ アメリカ 2.6%
10位 ルネサスエレクトロニクス 日本 1.6%
出所:IC Insights。
  • アナログ半導体におけるNXPセミコンダクターズの市場シェアは7位の4.8%。
  • 10位に日本のルネサスエレクトロニクスがランクイン。しかし、競合他社と比較すると存在感が薄いのが問題。
  • アナログ半導体のダントツトップが、テキサスインスツルメンツ(TI)。半導体産業の黎明期から存在している老舗だけあって、熟練のエンジニア達の英知が製品に刻まれている。
  • 2021年のアナログICの出荷個数は2000億個以上で、半導体の中で突出して多い。
  • この世はアナログだらけ。そもそも人間もアナログな存在。世の中のアナログ現象とアナログな人間を電子製品を通して結びつけようとすると、アナログ半導体という存在が必要となる。地味な存在だが重要な半導体の一つ。

セキュリティIC市場

【2020年度】NXPセミコンダクターズのセキュリティICチップのシェア
順位 企業 世界シェア
1位 インフィニオン ドイツ 24.7%
2位 NXPセミコンダクターズ オランダ 20.5%
3位 サムスン電子 韓国 17.2%
4位 STマイクロエレクトロニクス スイス 12.8%
5位 CEC Huada 中国 8.6%
  • クレジットカードなどに使用されるセキュリティICチップの市場規模は約3200億円(2020年度)
  • この分野でNXPセミコンダクターズの市場シェアは20.5%の2位。
  • 市場シェアトップのインフィニオンはシーメンス時代から、そしてNXPはフィリップス時代からセキュリティIC分野は強かった。
  • インフィニオン、NXP、STマイクロエレクトロニクスの欧州勢3社で57%のシェア。
  • 市場シェア3位の韓国サムスン、5位の中国CEC Huadaの参入により、欧州勢の寡占的な地位が崩れてきている。

欧州勢3社の業績を比較

NXPセミコンダクターズを含む、車載向け半導体ビジネスが中核の欧州メーカー3社の2021年度の業績。比較参考として同業のルネサスも確認。

【2021年度】車載向け半導体企業の業績(売上高・営業利益率・純利益)
企業 売上高・総収益 営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
NXPセミ
(オランダ)
110.63億ドル 25.83億ドル
[23.4%]
18.71億ドル
[16.9%]
インフィニオン
(ドイツ)
110.60億ユーロ 14.70億ユーロ
[13.3%]
11.69億ユーロ
[10.7%]
STマイクロ
(スイス)
127.61億ドル 24.52億ドル
[19.3%]
17.17億ドル
[13.6%]
ルネサス
(日本)
9944億円 1836億円
[18.5%]
1272億円
[12.9%]

4社ともそれぞれ強みがある事を考慮すれば、売上高の他に大きな差はない。そして、4社とも製造の一部をTSMCなどの半導体受託生産メーカーに委託するようになっているため、工場を抱えるリスクが低減している。つまり、赤字になりにくい体質となっている。

日本のルネサスは大丈夫なのか

日本のルネサスを競合他社と比較すると、車載マイコンは強いが、パワー半導体やアナログ半導体にやや弱さがある。その弱みをカバーするため、海外企業の買収を実行。

ルネサスエレクトロニクスのM&A実績
2017年インターシル(米国)を約32億ドルで買収。
2019年IDT(米国)を約63億ドルで買収。
2021年ダイアログ・セミコンダクター(英国)を約48億ユーロで買収。
2021年Celeno(イスラエル)を3億1500万ドルで買収。(通信関連に強いファブレス企業)

アナログ半導体やパワー半導体に強みをもつ欧米半導体メーカーを次々と買収した事により、競合と戦える製品ポートフォリオが拡大。今後の飛躍は間違いなし。

関連記事
最近の投稿
カテゴリー