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日産の業績推移:販売台数・売上高・営業利益率・財務状況の推移

NISSANの連結決算:通年の売上推移

日産自動車の業績推移:販売台数・売上高・営業利益・純利益・利益率の推移
年度 売上高・総収益
[世界販売台数]
営業利益
[営業利益率(%)]
純利益・最終損益
[純利益率(%)]
1991年 6兆5185億円 1760億円
[2.7%]
1013億円
[1.6%]
1992年 6兆1975億円 370億円
[0.6%]
-560億円
[-0.9%]
1993年 5兆8009億円
[269万台]
-480億円
[-0.8%]
-869億円
[-1.5%]
1994年 5兆8341億円
[270万台]
-580億円
[-1.0%]
-1661億円
[-2.8%]
1995年 6兆391億円
[267万台]
410億円
[0.7%]
-884億円
[-1.5%]
1996年 6兆6589億円
[271万台]
1994億円
[3.0%]
777億円
[1.2%]
1997年 6兆5646億円
[257万台]
869億円
[1.3%]
-140億円
[-0.2%]
1998年 6兆5800億円
[254万台]
1097億円
[1.7%]
-277億円
[-0.4%]
1999年 5兆9771億円
[253万台]
(3月 ルノーと資本提携)
826億円
[1.4%]
-6843億円
[-11.4%]
2000年 6兆896億円
[263万台]
2903億円
[4.8%]
3310億円
[5.4%]
2001年 6兆1962億円
[259万台]
(10月 ルノーの出資比率が36.8%→44.4%へ引き上げ)
4892億円
[7.9%]
3723億円
[6.0%]
2002年 6兆8285億円
[277万台]
7370億円
[10.8%]
4952億円
[7.3%]
2003年 7兆4292億円
[305万台]
8249億円
[11.2%]
5037億円
[6.8%]
2004年 8兆5763億円
[330万台]
8612億円
[10.0%]
5123億円
[6.0%]
2005年 9兆4280億円
[359万台]
8718億円
[9.2%]
5181億円
[5.5%]
2006年 10兆4686億円
[348万台]
7769億円
[7.4%]
4608億円
[4.4%]
2007年 10兆8242億円
[377万台]
7908億円
[7.3%]
4823億円
[4.5%]
2008年 8兆4370億円
[341万台]
-1379億円
[-1.6%]
-2337億円
[-2.8%]
2009年 7兆5173億円
[351万台]
3116億円
[4.1%]
424億円
[0.6%]
2010年 8兆7731億円
[418万台]
5375億円
[6.1%]
3192億円
[3.6%]
2011年 9兆4090億円
[484万台]
5458億円
[5.8%]
3414億円
[3.6%]
2012年 9兆6296億円
[491万台]
5235億円
[5.4%]
3424億円
[3.6%]
2013年 11兆4348億円
[518万台]
6057億円
[5.3%]
3890億円
[3.4%]
2014年 11兆3752億円
[531万台]
5896億円
[5.2%]
4576億円
[4.0%]
2015年 12兆1895億円
[542万台]
7933億円
[6.5%]
5238億円
[4.3%]
2016年 11兆7200億円
[562万台]
(5月 三菱自に34%出資を発表)
7422億円
[6.3%]
6635億円
[5.7%]
2017年 11兆9511億円
[577万台]
5747億円
[4.8%]
7468億円
[6.2%]
2018年 11兆5742億円
[551万台]
(11月 カルロス・ゴーン逮捕)
3182億円
[2.7%]
3191億円
[2.8%]
2019年 9兆8788億円
[493万台]
-404億円
[-0.4%]
-6712億円
[-6.8%]
2020年 7兆8625億円
[405万台]
-1506億円
[-1.9%]
-4486億円
[-5.7%]
2021年 8兆4246億円
[388万台]
2473億円
[2.9%]
2155億円
[2.6%]
2022年 10兆5967億円
[330.5万台]
3771億円
[3.6%]
2219億円
[2.1%]
2023年 12兆6857億円
[344.2万台]
(11月 ルノーと日産の資本対等化を正式完了)
5687億円
[4.5%]
4266億円
[3.4%]
2024年 (ホンダとEV分野で提携)
出所:日産自動車。本決算期は3月末。
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平均利益率

日産自動車の1991年から2022年までの営業利益率の平均が4.2%。
比較として、トヨタの1998年から2022年までの営業利益率の平均が7.0%。ホンダの1998年から2022年までの営業利益率の平均が6.0%。

会社の動向

  • 日産自動車の設立は1933年。
  • 1990年以降のバブル崩壊により業績悪化。販売不振や生産コスト削減が実現できず、最終赤字が慢性化。
  • 1999年3月、有利子負債2兆円超を抱え、経営不振に陥った日産はルノーと資本提携。社長がカルロス・ゴーンとなり、2001年にルノーは日産株36.8%から44.4%に引き上げ。
  • ゴーン氏の徹底したリストラやサプライチェーン見直しなどの改革により、1999年度の最終損益が-6844億円の大赤字。特別損失を計上。翌年2000年度に純利益が黒字化。「一発黒字」「V字回復」と言われ、ゴーン氏のカリスマ化につながる。
  • 2000年から2007年まで、営業利益と純利益、ともにトヨタと同じレベルの利益率を達成。
  • 2018年11月、カルロス・ゴーン逮捕。経営陣が交代し、ゴーンが目指していた規模を追う経営から方向転換。質を高める経営へ。
  • 2019年の最終赤字(-6712億円)は、生産能力の縮小や人的リストラなどの構造改革の費用を計上した事による。
  • グローバル販売台数は2017年の「577万台」から低下傾向。コロナや半導体不足の要因もあるが、利益率改善に向けたリストラをしていたため、ある程度は仕方がない。
  • 2023年11月、ルノーと日産の資本対等化の契約が正式完了。出資比率は、お互い上限15%へ。
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NISSANの財政・経営状況

日産の財務推移:総資産・純資産・自己資本比率の推移
年度 総資産
[現金・手元資金]
負債総額
[有利子負債]
自己資本・純資産
[自己資本比率(%)]
1995年 7兆916億円 5兆7349億円
[2兆3980億円]
1兆3567億円
[19.1%]
2000年 6兆4521億円
[2885億円]
5兆4942億円
[2兆8320億円]
9579億円
[14.8%]
2005年 11兆4814億円
[4042億円]
8兆3935億円
[4兆8178億円]
3兆879億円
[26.9%]
2010年 10兆7366億円
[1兆1534億円]
7兆4629億円
[3兆4859億円]
3兆2737億円
[27.4%]
2015年 17兆3736億円
[9920億円]
12兆2329億円
[7兆12億円]
5兆1407億円
[27.2%]
2020年 16兆4520億円
[2兆340億円]
12兆1122億円
[7兆5992億円]
4兆3398億円
[24.0%]
2021年 16兆3714億円
[1兆7927億円]
11兆3419億円
[7兆1313億円]
5兆295億円
[28.0%]
2022年 17兆5986億円
[2兆144億円]
11兆9835億円
[7兆391億円]
5兆6151億円
[29.2%]
2023年 19兆8551億円
[2兆1262億円]
13兆3846億円
[7兆8113億円]
6兆4705億円
[32.6%]
出所:日産自動車
  • 2000年と2020年を比較すると、総資産は2.5倍に成長。比較として、同期間のトヨタは3.4倍、フォルクスワーゲンは3.1倍、ベンツは1.4倍、韓国ヒョンデは6.5倍に資産を拡大。
  • 1999年3月に日産とルノーの資本提携後、カルロスゴーンによる改革により2010年には財務もずいぶんと安定化。
  • 日産の財務は、自己資本比率でいえばトヨタやホンダよりも低いが、世界的な自動車メーカー基準でいえば平均レベル。
  • 2019年度は有利子負債比率が200%近くあり、銀行は追加融資に悲観的になっていた。しかし、2021年度の有利子負債比率は141%となり、財務健全化に向かう。

連結社員数と開発投資について

日産の全従業員数、平均年収、設備投資費、研究開発費の推移
年度 従業員数(連結) 平均年収 設備投資費 研究開発費
2000年 12万4467人 616万円 2056億円 2317億円
2005年 16万2099人 730万円 4750億円 4476億円
2010年 15万5099人 685万円 3120億円 3993億円
2015年 15万2421人 795万円 4790億円 5319億円
2020年 13万1461人 797万円 4054億円 5035億円
2023年 13万3580人 877万円 4861億円 6099億円
出所:日産自動車、有価証券報告書
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日本+ビッグ3市場の売上台数の推移

日産自動車の日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国の販売台数の推移
年度 日本/販売台数
[日本シェア(%)]
米国/販売台数
[米国シェア(%)]
欧州/販売台数
[欧州シェア(%)]
中国/販売台数
[中国シェア(%)]
2015年 57万台
[11.5%]
151万台
[8.6%]
63万台
[4.4%]
125万台
[5.1%]
2016年 55万台
[10.9%]
158万台
[9.0%]
68万台
[4.5%]
135万台
[4.8%]
2017年 58万台
[11.2%]
159万台
[9.2%]
65万台
[4.1%]
152万台
[5.3%]
2018年 59万台
[11.3%]
144万台
[8.3%]
53万台
[3.4%]
156万台
[5.6%]
2019年 53万台
[10.6%]
123万台
[7.2%]
43万台
[2.7%]
154万台
[6.0%]
2020年 47万台
[10.2%]
92万台
[5.4%]
32万台
[2.7%]
145万台
[5.7%]
2021年 42万台
[10.1%]
89万台
[6.2%]
28万台
[2.4%]
138万台
[5.6%]
2022年 45万台
[10.3%]
76万台
[5.5%]
30万台
[2.7%]
104万台
[4.0%]
2023年 48.4万台
[10.1%]
91.6万台
[5.9%]
36.1万台
[3.4%]
79.4万台
[2.6%]
出所:日産自動車
  • 日産の国内販売の売れ筋は「ノート」。そして軽自動車の「ルークス」など。しかし、全体的に日本市場でのヒット車が乏しい。
  • ゴーン時代の売上台数拡大に向けたインセンティブ販売(台数を売るほどディーラーが報酬がもらえる制度)を、逮捕後は縮小。そのため、アメリカでは2019年から販売台数が落ちている模様。
  • ヨーロッパでは、バルセロナ工場の閉鎖により、生産台数と共に販売台数も低下傾向。
  • 中国日産では安定的な販売台数を維持していたが、近年は減少傾向。

3社アライアンスの販売台数

ルノー・日産・三菱アライアンスの世界販売台数の推移
年度 日産 三菱 ルノー 3社合計
2017年 577万台 110万台 376万台 1064万台
2018年 551万台 124万台 388万台 1063万台
2019年 493万台 112万台 375万台 981万台
2020年 405万台 80万台 294万台 780万台
2021年 388万台 93万台 264万台 746万台
2022年 330万台 83万台 205万台 618万台
  • ルノー、日産、三菱の3社とも販売は2017年以降は低下傾向。
  • カルロス・ゴーン時代のアライアンス3社で1400万台の販売目標が、2022年度はその半分以下の618万台。
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日産とルノーの資本関係の歴史

1999年3月、2兆円ほどの有利子負債を抱え経営不振に陥った日産は、ルノーと資本提携を発表。ルノーは6430億円を出資し、日産自動車の株式を36.8%を確保。また、日産ディーゼル工業の株式22.5%も取得。

2001年10月、1999年3月の契約に含まれていた日産の新株引受権をルノーが行使し、約20億ユーロを追加出資して日産に対する持株比率を36.8%から44.4%に引き上げ。また、日産はルノーの株式15%を保有する持ち合いへ。

2018年11月、カルロス・ゴーン逮捕。フランス政府要望のルノーと日産の経営統合に対する日本政府の「対抗措置」のような形となり、世論が動いていく。

2022年10月、ルノーと日産は「資本関係の見直し」を検討していることを発表。

2023年7月、ルノーのEV新会社「アンペア」へ日産単独で最大6億ユーロ、日産傘下の三菱と合わせて最大8億ユーロを出資すると発表。

2023年11月、ルノーと日産の資本見直しに関する契約が完了。

ゴーン逮捕後の改革内容

カルロスゴーンは、スケールメリットを強固にするために、アライアンス3社で年間1400万台の生産を目指していた。しかし、彼の逮捕後、新たな経営陣は規模を追わない方向へ。改革内容は以下。

  • 年間約700万台だった日産の生産能力を2割削減し年間540万台へ。
  • インドネシア工場(生産能力約25万台)と、バルセロナ工場(生産能力約20万台)を閉鎖。
  • 欧州や東南アジア、南米などは販売数や利益率が低いため、事業を縮小。
  • グローバルで12000人の従業員リストラ。
  • 固定費を3000億円削減。
  • 車両ラインナップを69から55へ。
  • 販売量が多い日本、アメリカ、中国に注力。選択と集中。
  • ルノー・日産・三菱とのアライアンス(同盟)を強化。小型車の開発は資本提携先のルノー中心へ。

バッテリーEV戦略

日産は、2030年度までに15車種のEVを含む23車種の電動車を投入する目標。中核部品であるバッテリーの調達先は以下。

  • ビークルエナジー(旧日立系で2022年9月に日産が買収)、バッテリーの完全内製化を目指す。
  • 中国資本が過半となったエンビジョンAESC(日産が20%出資維持)
  • パナソニックやGSユアサなどの日系メーカー。
  • 中国CATL(車載電池世界トップシェアの企業)

中国系と関係を深める理由は、まず中国は巨大市場であり失う事が出来ないため。そして、中国は政情不安定であるため、相互依存関係を深めて制裁を受けない形を強化する目的がある。また、単純にバッテリーが安いという理由もありそう。

いずれにしても、日産は2010年に発売した電気自動車「リーフ」の実績があるため、EV化に向けた性能における心配は少ない。

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