グローバル自動車メーカー2022年度の業績まとめ
順位 | メーカー/売上高 [世界販売台数/世界シェア] | 営業利益 [営業利益率(%)] | 純利益・最終損益 [純利益率(%)] |
---|---|---|---|
1位 | トヨタグループ 37兆1543億円 [1056万台/12.9%] | 2兆7250億円 [7.3%] | 2兆4513億円 [6.6%] |
2位 | フォルクスワーゲンG 2792.32億ユーロ [826万台/10.1%] | 221.24億ユーロ [7.9%] | 158.36億ユーロ [5.7%] |
3位 | ゼネラルモーターズ 1567.35億ドル [594万台/7.3%] | 103.14億ドル [6.6%] | 89.15億ドル [5.7%] |
4位 | ステランティス 1795.92億ユーロ [584万台/7.2%] | 200.12億ユーロ [11.1%] | 167.99億ユーロ [9.4%] |
5位 | フォード 1580.57億ドル [423万台/5.2%] | 62.76億ドル [4.0%] | -19.81億ドル [-1.3%] |
6位 | ヒョンデ(現代自) 142.52兆ウォン [394万台/4.8%] | 9.82兆ウォン [6.9%] | 7.36兆ウォン [5.2%] |
7位 | ホンダ 16兆9077億円 [369万台/4.5%] | 8394億円 [5.0%] | 6953億円 [4.1%] |
8位 | 日産 10兆5967億円 [330万台/4.0%] | 3771億円 [3.6%] | 2219億円 [2.1%] |
9位 | スズキ 4兆6416億円 [300万台/3.7%] | 3506億円 [7.6%] | 2211億円 [4.8%] |
10位 | 起亜自動車 86.56兆ウォン [290万台/3.6%] | 7.23兆ウォン [8.4%] | 5.41兆ウォン [6.3%] |
11位 | メルセデス・ベンツ 1500.17億ユーロ [245万台/3.0%] | 204.58億ユーロ [13.6%] | 148.09億ユーロ [9.9%] |
12位 | BMWグループ 1426.10億ユーロ [239万台/2.9%] | 139.99億ユーロ [9.8%] | 185.82億ユーロ [13.0%] |
13位 | ルノー 463.91億ユーロ [205万台/2.5%] | 22.16億ユーロ [4.8%] | -3.38億ユーロ [-0.7%] |
14位 | BYD(中国) 4240.61億元 [186.4万台/2.3%] | 194.03億元 [4.6%] | 166.22億元 [3.9%] |
15位 | テスラ 814.62億ドル [131.4万台/1.6%] | 136.56億ドル [16.8%] | 125.83億ドル [15.4%] |
16位 | マツダ 3兆8268億円 [111万台/1.4%] | 1420億円 [3.7%] | 1428億円 [3.7%] |
17位 | スバル 3兆7745億円 [85万台/1.0%] | 2675億円 [7.1%] | 2004億円 [5.3%] |
18位 | 三菱自動車 2兆4581億円 [83万台/1.0%] | 1905億円 [7.7%] | 1687億円 [6.9%] |
出所:各メーカーの決算書より。海外勢は1月~12月末の成績。日本勢は4月~翌年3月末の成績。中国メーカーはBYDのみを選出。世界シェアは、OICA(国際自動車工業連合会)の報告による世界販売台数(2022年度は8162万台)からそれぞれ割った数値(ポジテン算出)。
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2022年の自動車メーカー販売状況
- トップのトヨタグループは、1056万台(ダイハツ+日野を含む)の売上台数で世界シェア12.9%。世界で唯一、グループで1000万台以上を生産する企業で、さらにマツダ(111万台)やスズキ(300万台)、スバル(85万台)などのメーカーと資本関係があり、開発や生産、部品調達などにおいて大規模の利点を確保。
- トヨタと資本関係がある日系メーカーの販売台数を合計すると1552万台で世界シェア19.0%。
- 2位のフォルクスワーゲングループは826万台の売上台数で世界シェア10.1%。近年は販売台数を落とし続けている。2019年が1097万台、2020年が930万台、2021年が888万台。これは半導体不足だけの問題ではないはず。
- ステランティスは、583万台の売上台数で世界シェア7.1%。2021年の614万台から若干の減少。
- 韓国ヒョンデは、394万台の売上台数で世界シェア4.8%。前年から5万台ほど販売台数を伸ばす。
- ホンダ、日産、マツダ、三菱の販売台数は、前年比で減少したが売上高は上昇。これらの日本勢はコロナ以降は停滞ぎみだが、半導体不足が解消されないと問題の本質がわかりにくい。
- BMWグループやM・ベンツは、販売台数を若干落とす。M・ベンツは、近い将来に200万台の生産を切る可能性あり。
- 中国BYDの2022年度の販売台数(186.4万台)の内訳は、電気自動車(EV)が91.1万台、プラグインハイブリッド(PHEV)が94.6万台。
- 新参テスラは2021年度の93.6万台から2022年度は131.4万台の販売。ほとんどをアメリカ、中国、欧州の3エリアで売り上げ。
- スバルは、2021年度の売上高2兆7445億円、販売台数73万台から、2022年度の売上高3兆7745億円、販売台数85万台。売上高約1兆円アップ。円安で恩恵。
- なお、自動車業界はほとんどのメーカーにおいて半導体不足による生産調整が行われいるが、その半導体不足は2023年末から2024年前半頃まで続くと予想されている。
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売上高や利益率の順位
順位 | 売上高ランキング | 営業利益ランキング | 利益率ランキング |
---|---|---|---|
メーカー [売上高(円換算)] |
メーカー [営業利益(円換算)] |
メーカー [営業利益率(%)] |
|
1位 | フォルクスワーゲンG [39兆925億円] |
フォルクスワーゲンG [3兆974億円] |
テスラ [16.8%] |
2位 | トヨタグループ [37兆1543億円] |
メルセデス・ベンツ [2兆8641億円] |
メルセデス・ベンツ [13.6%] |
3位 | ステランティス [25兆1429億円] |
ステランティス [2兆8017億円] |
ステランティス [11.1%] |
4位 | メルセデス・ベンツ [21兆24億円] |
トヨタグループ [2兆7250億円] |
BMWグループ [9.8%] |
5位 | フォード [20兆5474億円] |
BMWグループ [1兆9599億円] |
起亜自動車 [8.4%] |
6位 | ゼネラルモーターズ [20兆3755億円] |
テスラ [1兆7753億円] |
フォルクスワーゲンG [7.9%] |
7位 | BMWグループ [19兆9654億円] |
ゼネラルモーターズ [1兆3408億円] |
三菱自動車 [7.7%] |
8位 | ホンダ [16兆9077億円] |
ヒョンデ [9820億円] |
スズキ [7.6%] |
9位 | ヒョンデ [14兆2520億円] |
ホンダ [8394億円] |
トヨタグループ [7.3%] |
10位 | 日産 [10兆5967億円] |
フォード [8159億円] |
スバル [7.1%] |
11位 | テスラ [10兆5901億円] |
起亜自動車 [7230億円] |
ヒョンデ [6.9%] |
12位 | 起亜自動車 [8兆6560億円] |
BYD(中国) [3881億円] |
ゼネラルモーターズ [6.6%] |
13位 | BYD(中国) [8兆4812億円] |
日産 [3771億円] |
ホンダ [5.0%] |
14位 | ルノー [6兆4947億円] |
スズキ [3506億円] |
ルノー [4.8%] |
15位 | スズキ [4兆6416億円] |
ルノー [3102億円] |
BYD(中国) [4.6%] |
16位 | マツダ [3兆8268億円] |
スバル [2675億円] |
フォード [4.0%] |
17位 | スバル [3兆7745億円] |
三菱自動車 [1905億円] |
マツダ [3.7%] |
18位 | 三菱自動車 [2兆4581億円] |
マツダ [1420億円] |
日産 [3.6%] |
出所:各メーカーの決算書より。日本円換算は、1ドル=130円、1ユーロ=140円、1ウォン=0.1円、1人民元=20円で算出。
- 売上高トップはフォルクスワーゲングループ。アウディやポルシェ、ランボルギーニ、ベントレーなどの高級車ブランドをグループ内にもつ事で1台あたりの平均販売価格が高い。
- トヨタの2022年度は、2021年度と比較して売上高5兆7748億円の増加。
- ステランティスは、FCAとPSAの統合で調達コスト削減と販売価格改定を実施。半導体不足により、各メーカーの在庫が少ない中、強気な販売で売上を伸ばす。2021年度と比較すると約300億ユーロの売上増。
- メルセデス・ベンツは、245万台の売上台数。1台あたりの売上高は業界トップクラス。
- ホンダの2022年度の四輪部門(自動車部門)の利益率は0.4%と低く、営業利益のほとんどがバイクと金融サービスによるもの。4輪の利益向上に向け改革中。
- 日産においても売上高成長率が低い。ホンダと共にやや元気がないように思えるが、今のところ半導体不足の影響だと考えておきたい。
- テスラの営業利益率は、自動車業界トップ。1台あたりの利益率はトヨタの4倍ほどとされる。
- 韓国勢のヒョンデ/起亜は、販売台数は前年比でそれほど伸びないが、売上高は上昇。一台あたり販売単価が上がった模様。なお、韓国メディアによると販売台数で5年後以降にトヨタ越えする可能性もあると報道されているが、身の程知らずと言える。
- スズキ、マツダ、スバル、三菱などの日本勢の売上高と利益率は前年比で業績改善。
- 2022年度は、全体的に半導体不足由来の生産不足により、ほとんどのメーカーが販売台数を落とす一方で、在庫不足による値下げ販売が抑制された事で、ほとんどメーカーは売上高や利益率が上がっている。
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